今回は少しマイナーなフルート協奏曲の作品集です。フルート協奏曲はバロックから古典派の時代にかけては人気のジャンルで、特にヴィヴァルディやモーツァルトの作品群が有名ですが、19世紀のロマン派の時代になるとほとんど作曲されなくなりました。その中で貴重な存在がカール・ライネッケの作品です。ライネッケは19世紀の後半に活躍したドイツの作曲家で、生前は3曲の交響曲、4曲のピアノ協奏曲、その他にオペラ等も残したようですが、今でも演奏されるのはこのフルート協奏曲ぐらいです。本作はライネッケの最晩年、84歳の時に書かれたもので、作曲年は1908年と20世紀に入ってますが、内容的には完全にロマン派です。特に聴きどころが第1楽章で、思わず口ずさんでしまうような歌心あふれる旋律で、美しいフルートの音色が胸に染み渡ります。哀調を帯びた緩徐楽章の第2楽章、快活なフィナーレの第3楽章もなかなかの出来です。全体で21分ほどとコンパクトで聴きやすいのも良いですね。
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CDはあまり種類も多くなく、私が購入したのはソリストがオーレル・ニコレというフランスのフルート奏者、クルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のものです。本作にはライネッケの他にイタリアの作曲家フェルッチョ・ブゾーニの「フルートと管弦楽のためのディヴェルティメント」とデンマークの作曲家ニールセンのフルート協奏曲が収録されています。前者のブゾーニについては、これまで名前は聞いたことありますが、実際に作品を耳にするのは初めてです。作曲は1920年と現代の作品ですが、モーツァルトの時代を思い起こさせるような軽妙な曲調です。後者のニールセンについては少し前にアップした管弦楽作品集の頁でも述べましたが、3つある協奏曲(ヴァイオリン、フルート、クラリネット)はお世辞にも親しみやすいとは言えない。1926年に完成した本作も、全体的には緊迫感漂う内容です。ソロの部分は激しく情熱的で、オーケストラも甘い旋律はほとんど出てこずむしろ不安げな曲調。そんな中、時折曇り空に光が差すような美しい旋律が現れるのが印象的です。
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CDはあまり種類も多くなく、私が購入したのはソリストがオーレル・ニコレというフランスのフルート奏者、クルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のものです。本作にはライネッケの他にイタリアの作曲家フェルッチョ・ブゾーニの「フルートと管弦楽のためのディヴェルティメント」とデンマークの作曲家ニールセンのフルート協奏曲が収録されています。前者のブゾーニについては、これまで名前は聞いたことありますが、実際に作品を耳にするのは初めてです。作曲は1920年と現代の作品ですが、モーツァルトの時代を思い起こさせるような軽妙な曲調です。後者のニールセンについては少し前にアップした管弦楽作品集の頁でも述べましたが、3つある協奏曲(ヴァイオリン、フルート、クラリネット)はお世辞にも親しみやすいとは言えない。1926年に完成した本作も、全体的には緊迫感漂う内容です。ソロの部分は激しく情熱的で、オーケストラも甘い旋律はほとんど出てこずむしろ不安げな曲調。そんな中、時折曇り空に光が差すような美しい旋律が現れるのが印象的です。