広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

シラン

2012-06-12 23:53:19 | 動物・植物
秋田では今、記事冒頭の写真の花が咲いている。
「この花、なあに?」
「しらん」
「知らんって、知らないの?」
「いや、しらん」
こんな風に、植物とダジャレが好きな人なら、1度はネタにしてしまうのが、この植物。

これは「シラン(紫蘭)」という植物。
その名の通り、紫色の花が咲くラン(ラン科シラン属)。縦の筋が目立つ、やや淡い緑色の葉も特徴。

日本に野生のものがあるそうだが、準絶滅危惧種になっているという。
一方で、ランは一般に素人が栽培するのは難しいが、シランはかなり容易。我が家の庭でもほぼ放ったらかしなのに、毎年咲く。
※栽培されるシランは、人為的に品種改良されたり、他の系統との交雑種であるものも多いはずなので、それをそのまま山に植えれば野生種の絶滅が解消されるというわけではない。


冒頭の写真の場所では、たくさんのシランが咲き乱れている。これほど多くのシランを見たのは初めて。
場所は、秋田市八橋運動公園球技場の前。
昔は「ラグビー場」といっていた施設で、おそらく2004年にメインスタンドの改修が行われた際、同時に道路際の一部が公園風に整備された時に新設されたと思われる、植え込みで咲いていた。
ケヤキの根元に一面のシラン
こんな所にこんな植物があったなんて。そういえば、夏に通った時、特徴的な葉っぱの植物だけど何だっけと思った記憶はあった。

個人的なイメージでは、シランは民家の庭先の日陰でひっそりと咲いているものだった。
ところが、球技場のシランによってそのイメージが覆された。

まず、日当たりのいい開けた場所で、グラウンドカバー的に植栽されるということ。
上記の通り、シランはとても丈夫な植物であり、日陰だろうが日向だろうが構わないようだ。
日向のシラン
花の咲く時期は短いが、比較的大きな葉っぱが地面を覆うように茂り、たしか秋には黄葉するので、雑草対策や景観のために使われるのだろう。

そしてもう1つ。
これもシラン
なんと白い花のシランもある。(むしろここでは紫よりも多いかもしれない)
僕はシランといえば紫だと思い込んでいた、白花の存在自体、知らなかった。
白いのに“紫”蘭とはヘンだけど、園芸品種としてけっこう売られているようだ。

白花も品があって美しい。どことなく、サギソウ(白花のランの一種)を連想させられる。
花が終わると茶色くなって目立ってしまうけれど
紫花と白花を、仕切りなどで物理的に区分して植えている部分もあるが、同じ区画の中に2色が植えられている所もあった。(冒頭の写真では、紫の中に白が少し混ざっている)
同じ種の植物の複数の系統を同じ場所で育てる場合、放っておくとどれか1つの系統だけが他を駆逐してしまうことがよくある。そうなっていないところを見ると、定期的に適切に管理されているのだろう。(不自然に地面が露出している部分もあったけど)
ケヤキと紫のシラン

先日紹介したトチノキもそうだけれど、画一的でないちょっと珍しい植物が植えられているのを見ると、設計者や発注者のセンスや好みなのかなと、うれしくなる。


最後に、秋田市役所前の花時計。※前回はこの記事後半
文字盤周辺に植えられている植物はパンジーで、変わっていない。
パンジーのさらに外側にある刈り込まれた木。何の木か気にしていなかったが、今、花が咲いている。
ちょっとまばらだけど(咲き始めだった模様)
何の花でしょう?
赤いサツキか!
なるほど。“秋田市の花”であるサツキだったのか。

ちなみに、前回触れたように、一般的な花時計は文字盤の下にも花を植えるようになっているのに、秋田市役所の花時計は、周辺にだけ花を植えて文字盤の真下は砂利敷きなのが珍しい。
先日、テレビで秋田県外のどこかの花時計の植え替えの模様が映っていた。これは文字盤の下も花壇になっている通常のタイプで、針を取り外して植え付け作業をしていた。(付けたままやると、何かのゲームのように針から身を交わしながら作業しないといけないものね)
秋田市の花時計は「使う苗の量を少なくできる」「植え替え作業時に針の着脱が不要」というメリットがあるようだ。
コメント (2)
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