秋田県庁ホームページに今日付けで掲載された情報(http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1381198979750/index.html)によれば、EVバス「ELEMO-AKITA」の本格営業運行が10月15日から始まる。
※EVバスについての直近の記事
それによれば、運行されるのは平日のみ、泉ハイタウン線の2往復固定。
秋田駅西口11時35分発~秋田貨物駅入口11時51分発、秋田駅西口15時05分発~秋田貨物駅入口15時21分発。
15日の第1便の乗客先着50名に記念品を贈呈するというけれど、4便合わせたって50人も乗らないんじゃないでしょうか…
当初の計画は、秋田市中心部を環状運行する(中心市街地循環バス・ぐるるとは別に)とか言っていたけれど、結局は試験運行と同じく既存の一般路線バスのダイヤに組み込んで、平日だけたった2往復とは、拍子抜けした。
試験運行時には、最大で1日4往復泉ハイタウン線を走っていたから、それより少なくなった。泉ハイタウン線は往復で8キロほどだから、1日当たりの運行距離・頻度がこの程度じゃあ、路線バスとしては使いものにならないような気がする。1往復目と2往復目の待機時間も長い。今後は増やしていくのだろうか?
それから、臨海営業所と駅の間の回送はどうするんだろう。そこも営業運転すればいいのに。
【11日追記】11日付秋田魁新報の1面中央に、このことが露出オーバー気味の写真付きで掲載された。
「当面は万一の不具合に備えて整備担当者が同乗。」「「買物広場」停留所で1往復ごとに充電を行う」とのこと。
同日付で、中央交通の公式ホームページにも掲載されたが、15日から18日までで、11時台の1往復しか運行されないような書きぶり。
【18日追記】その翌週分の運行予定も中央交通の公式ページにアップされた。今度は日によって11時台だけの日と15時台だけの日がある。やはり今のところは1日に2往復はしないようだ。
ぜんぜん別のバスの話題。
インターネット上にはさまざまな情報があふれ、すべてが真実ではない。
例えば、最近は、てのひらほどの大きさのハチ(蜂)の死骸の写真に「これが中国のスズメバチ。これが何十人だかを襲った」といった文章を付けたものが広まっているらしい。
しかし、その写真に写っているのは「スズメバチの女王蜂」だそうで、これが人を襲うことはない。そもそも、世界最大のハチは「オオスズメバチ」であり、これは日本にも(中国にも)分布する。日本のスズメバチも充分恐ろしいのだ。
まあ、ハチの怖さを周知するには不適切ではないとは思うが、正しくないし誤解を招く。
ネット上では、間違った情報は次第に駆逐され、正しい情報が残っていくという自浄作用みたいなのはあるけれど、間違った情報が完全に消えることはなく、いつまでも残って、それが周期的に再浮上して広まってしまうことが多分にあると思う。
今年の春だったか、ツイッターにこんな情報が画像付きで流れていた。
「銀河鉄道バスには、秋田中央交通の中古車がある」
最初見た時は、冗談か架空の話かと思った。
バス会社名らしいが「銀河鉄道」というのは聞いたことがなかったし、いつもは中古車を導入する側である中央交通が、中古車を他社に譲る側になるとは考えにくい。
でも、車両の写真が掲載されている。ウソ? ホント?
調べると「銀河鉄道」は実在した(岩手県の第三セクター鉄道「IGRいわて銀河鉄道」ではない)。
1999年設立の東京都東村山市にあるバス会社(「鉄道」という社名でも鉄道事業は過去にもやっていない)。
バス愛好家が趣味が高じて立ち上げた企業で、現在は路線バスや市からコミュニティバス運行を受託し、小さいながらも地域の足を担っているようだ。車両は、他社の中古車を入れている。
件の車は、「G-104」「多摩200 か16-81」という車両。※ナンバーからすれば、5年くらい前に登録されたようだ。
ツイッターの文章や写真によれば、
・日産ディーゼル製の中型車「RM」。富士重工が架装した「8E(正式には18E)」型のボディ。
・シフトレバーは床から直接生えている古いタイプの「ロッドシフト」。
・ワンステップ車。
・側窓は上下に開閉し、茶色の枠。
・秋田中央交通の中古であると、銀河鉄道の乗務員から聞いた。
だそう。
これを受けて、ツイッター上では、「秋田市交通局(秋田市営バス)から中央交通へ譲渡された車が、さらに譲渡されたのか?(秋田市営→中央交通→銀河鉄道)」「いや、こんな車、中央交通になかったのでは?」といった憶測が飛び交っていた(ごく一部で)。
乗務員から聞いたというのは、正確には「以前車内にあった、行き先表示設定用の表に『秋田中央交通』や『秋田駅』のコマがあったのを乗務員が見たと話したのが根拠。行き先表示幕の現物はなく、確認できない」ということで、中央交通の中古という情報は間接的に聞いたことになる。
秋田の人ではない方々のようだが、バス愛好家の皆さんが型式や各事業者の仕様を詳しく把握しているのには感心させられる。
ただ、申し訳ないけれど、秋田に住んで秋田のバスを永年利用している者としては、ひとこと申し上げたい。
「そのバスは、秋田中央交通の中古ではない」と。(本当なら直接お知らせするべきだろうけど、ツイッターのアカウントを持っていない者にはその術はない)
なぜなら、中央交通にはそんな仕様のバスは存在しない(しなかった)から。
ぱっと見ると合致しそうな車両があるが、すべての条件を満たす車両は中央交通には存在しないのだ。
例えば、中央交通では「ロッドシフトの車両はすべてツーステップ」のはずだし、「ワンステップ車はロッドシフトではなく、窓は逆T字形。しかもその車両は今も秋田で走っている」といった具合に。
考えてみれば、中央交通が所有する富士重工ボディの日産ディーゼル製のワンステップ車は2台しかない。臨海営業所の「か237」と「か238」。(上記の通り、シフトレバーや窓の配置が銀河鉄道G-104とは異なる)
偶然2台並んで待機する238と237。237のほうは正面の「UD」エンブレムがなくなってしまった(今年4月に確認)
銀河鉄道の「G-104」の正体だが、山形県米沢市のコミュニティバスの中古車だったとか。米沢と中央交通の廃車を引き取った業者が同じで、そこで行き先表示の設定表が紛れ込んでしまったのだろうか。
結果的には誤った情報だったことになるが、運行会社の社員から聞いた情報なら信ぴょう性が高そうで信じるのも無理はなく、広めた人を責めるわけにはいかない。(そもそも限られた人にしか必要とされない、趣味の情報だから目くじらを立てる話じゃないけれど)
正しい情報を集めて、広めて、受け取る。どれも難しいことだ。
ところで、中央交通の中古車が他社で再び走ることなんてあるだろうか。海沿いの積雪地で酷使される中央交通の車両なんて、外板はボロボロのものが多く、足回りも同様のはず。そんな車を中古で買って使おうとする事業者がいたとすれば、相当な物好きでしょうね。
※EVバスについての直近の記事
それによれば、運行されるのは平日のみ、泉ハイタウン線の2往復固定。
秋田駅西口11時35分発~秋田貨物駅入口11時51分発、秋田駅西口15時05分発~秋田貨物駅入口15時21分発。
15日の第1便の乗客先着50名に記念品を贈呈するというけれど、4便合わせたって50人も乗らないんじゃないでしょうか…
当初の計画は、秋田市中心部を環状運行する(中心市街地循環バス・ぐるるとは別に)とか言っていたけれど、結局は試験運行と同じく既存の一般路線バスのダイヤに組み込んで、平日だけたった2往復とは、拍子抜けした。
試験運行時には、最大で1日4往復泉ハイタウン線を走っていたから、それより少なくなった。泉ハイタウン線は往復で8キロほどだから、1日当たりの運行距離・頻度がこの程度じゃあ、路線バスとしては使いものにならないような気がする。1往復目と2往復目の待機時間も長い。今後は増やしていくのだろうか?
それから、臨海営業所と駅の間の回送はどうするんだろう。そこも営業運転すればいいのに。
【11日追記】11日付秋田魁新報の1面中央に、このことが露出オーバー気味の写真付きで掲載された。
「当面は万一の不具合に備えて整備担当者が同乗。」「「買物広場」停留所で1往復ごとに充電を行う」とのこと。
同日付で、中央交通の公式ホームページにも掲載されたが、15日から18日までで、11時台の1往復しか運行されないような書きぶり。
【18日追記】その翌週分の運行予定も中央交通の公式ページにアップされた。今度は日によって11時台だけの日と15時台だけの日がある。やはり今のところは1日に2往復はしないようだ。
ぜんぜん別のバスの話題。
インターネット上にはさまざまな情報があふれ、すべてが真実ではない。
例えば、最近は、てのひらほどの大きさのハチ(蜂)の死骸の写真に「これが中国のスズメバチ。これが何十人だかを襲った」といった文章を付けたものが広まっているらしい。
しかし、その写真に写っているのは「スズメバチの女王蜂」だそうで、これが人を襲うことはない。そもそも、世界最大のハチは「オオスズメバチ」であり、これは日本にも(中国にも)分布する。日本のスズメバチも充分恐ろしいのだ。
まあ、ハチの怖さを周知するには不適切ではないとは思うが、正しくないし誤解を招く。
ネット上では、間違った情報は次第に駆逐され、正しい情報が残っていくという自浄作用みたいなのはあるけれど、間違った情報が完全に消えることはなく、いつまでも残って、それが周期的に再浮上して広まってしまうことが多分にあると思う。
今年の春だったか、ツイッターにこんな情報が画像付きで流れていた。
「銀河鉄道バスには、秋田中央交通の中古車がある」
最初見た時は、冗談か架空の話かと思った。
バス会社名らしいが「銀河鉄道」というのは聞いたことがなかったし、いつもは中古車を導入する側である中央交通が、中古車を他社に譲る側になるとは考えにくい。
でも、車両の写真が掲載されている。ウソ? ホント?
調べると「銀河鉄道」は実在した(岩手県の第三セクター鉄道「IGRいわて銀河鉄道」ではない)。
1999年設立の東京都東村山市にあるバス会社(「鉄道」という社名でも鉄道事業は過去にもやっていない)。
バス愛好家が趣味が高じて立ち上げた企業で、現在は路線バスや市からコミュニティバス運行を受託し、小さいながらも地域の足を担っているようだ。車両は、他社の中古車を入れている。
件の車は、「G-104」「多摩200 か16-81」という車両。※ナンバーからすれば、5年くらい前に登録されたようだ。
ツイッターの文章や写真によれば、
・日産ディーゼル製の中型車「RM」。富士重工が架装した「8E(正式には18E)」型のボディ。
・シフトレバーは床から直接生えている古いタイプの「ロッドシフト」。
・ワンステップ車。
・側窓は上下に開閉し、茶色の枠。
・秋田中央交通の中古であると、銀河鉄道の乗務員から聞いた。
だそう。
これを受けて、ツイッター上では、「秋田市交通局(秋田市営バス)から中央交通へ譲渡された車が、さらに譲渡されたのか?(秋田市営→中央交通→銀河鉄道)」「いや、こんな車、中央交通になかったのでは?」といった憶測が飛び交っていた(ごく一部で)。
乗務員から聞いたというのは、正確には「以前車内にあった、行き先表示設定用の表に『秋田中央交通』や『秋田駅』のコマがあったのを乗務員が見たと話したのが根拠。行き先表示幕の現物はなく、確認できない」ということで、中央交通の中古という情報は間接的に聞いたことになる。
秋田の人ではない方々のようだが、バス愛好家の皆さんが型式や各事業者の仕様を詳しく把握しているのには感心させられる。
ただ、申し訳ないけれど、秋田に住んで秋田のバスを永年利用している者としては、ひとこと申し上げたい。
「そのバスは、秋田中央交通の中古ではない」と。(本当なら直接お知らせするべきだろうけど、ツイッターのアカウントを持っていない者にはその術はない)
なぜなら、中央交通にはそんな仕様のバスは存在しない(しなかった)から。
ぱっと見ると合致しそうな車両があるが、すべての条件を満たす車両は中央交通には存在しないのだ。
例えば、中央交通では「ロッドシフトの車両はすべてツーステップ」のはずだし、「ワンステップ車はロッドシフトではなく、窓は逆T字形。しかもその車両は今も秋田で走っている」といった具合に。
考えてみれば、中央交通が所有する富士重工ボディの日産ディーゼル製のワンステップ車は2台しかない。臨海営業所の「か237」と「か238」。(上記の通り、シフトレバーや窓の配置が銀河鉄道G-104とは異なる)
偶然2台並んで待機する238と237。237のほうは正面の「UD」エンブレムがなくなってしまった(今年4月に確認)
銀河鉄道の「G-104」の正体だが、山形県米沢市のコミュニティバスの中古車だったとか。米沢と中央交通の廃車を引き取った業者が同じで、そこで行き先表示の設定表が紛れ込んでしまったのだろうか。
結果的には誤った情報だったことになるが、運行会社の社員から聞いた情報なら信ぴょう性が高そうで信じるのも無理はなく、広めた人を責めるわけにはいかない。(そもそも限られた人にしか必要とされない、趣味の情報だから目くじらを立てる話じゃないけれど)
正しい情報を集めて、広めて、受け取る。どれも難しいことだ。
ところで、中央交通の中古車が他社で再び走ることなんてあるだろうか。海沿いの積雪地で酷使される中央交通の車両なんて、外板はボロボロのものが多く、足回りも同様のはず。そんな車を中古で買って使おうとする事業者がいたとすれば、相当な物好きでしょうね。