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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

東奥日報

2015-12-21 21:20:32 | 津軽のいろいろ
先日、青森の県域地元紙「東奥日報(とうおうにっぽう)」の紙面を、久々に入手した。
秋田魁新報(以下、魁)と比べてみる。
今日の魁と11月28日付東奥日報
秋田魁新報は2008年で夕刊が廃止されたが、東奥日報は平日はまだある。
題字の大きさは両紙ほぼ同じ。背景は魁は梅(?)、東奥日報は東北・北海道の地図に雪の結晶が散りばめられているようだ。

東奥日報では、題字の横に月のカレンダーがある。あれば何かと便利かも。
欄外上部の日付は、1面だけ文字が太く、旧暦をカッコ書き。


紙面本文の文字は、魁よりも東奥日報がいくぶん読みやすいような気がする。
最大の理由は1行当たりの文字数。魁は13文字で、東奥日報は12文字。(20年くらい前までは、どこの新聞社ももっと文字が小さかったものだけど…)
もう1つが書体の違い。
東奥日報紙面。「3」「さ」「き」に注目
魁では、モトヤという書体メーカーの(関連記事)「モトヤ新聞明朝」を使用している。
東奥日報では、それをベースに読みやすい字形(ユニバーサルデザイン)にした「UDモトヤ新聞明朝」を使っているようだ。UD書体では、従来の書体よりも線が太く、(同じ枠の中で)文字が大きくなっているそうだ。

秋田の太平物産によるJA肥料偽装問題では、同社青森工場でも偽装が行われ、かつ青森向け製品でも偽装があり、東奥日報でも社会面で報道されていた。
こういう県外ニュースの場合、東奥日報でも魁でも、共同通信社からの配信記事を載せることが多いはずだけど、今回は、
(協力・秋田魁新報社)
魁がお役に立って何より。
日頃から、「戦後70年特集」みたいな特集記事では、県外他紙の社名が出ることがあるけれど、一般記事でこういうのは珍しいのではないだろうか。
ちなみに、
魁の紙面の「秋田魁新報社」
「秋田魁新報社」に限れば、UDとそうでない文字の違いはあまりない?


最終面のテレビ欄。
右が東奥日報
ぱっと見て、魁よりも東奥日報のほうが広々とし、1局当たりの面積が広く感じた。
最終面に掲載されるのは、どちらも地上波6局+NHKBS2つで同じ。
 
東奥日報のほうが横幅が特に広く取られ、その分、文字が大きいようだ。

 
東奥日報はやや縦長にしたUDモトヤ新聞明朝。
魁は、ほぼ正方形のUDではない書体(新聞明朝か普通のモトヤ明朝)

地上波各局の掲載順は、左側から、
魁は、NHK総合、Eテレ、秋田放送、秋田テレビ、秋田朝日放送(太い線)IBC岩手放送。
東奥日報は、青森放送、青森テレビ、青森朝日放送、NHK総合、Eテレ、岩手めんこい。
NHKの位置は別として、どちらも「自社と資本関係がより強い民放局」を先に掲載し、県内に系列局がないネットワークの岩手県の局を掲載(ケーブルテレビや越境電波での視聴向け)しているのが共通している。
【30日追記】全国紙も含めて、県外の局は短い(情報量が少ない)簡易な番組表の場合もあるが、めんこいテレビ、岩手放送とも、県内局と同じフルサイズ。ただし、魁の岩手放送では「明朝」の4行がカットされ広告になっている。

なお、内側面の細かいテレビ欄では、
魁は「隣県のテレビ」として、山形県の民放4局(全局)と、青森放送、青森テレビを掲載。ラジオは秋田県内局のみ。
東奥日報は、北海道の5局(全局)と、岩手県の3局(最終面のめんこいテレビと合わせて岩手県全局)。ラジオは、北海道(2局)と岩手のAM局も掲載している。


5面経済面
県が今年初めて開催した「あおもりの旨い米グランプリ」の結果。
米の品種ごとにグランプリを決めたそうだが、その見出しの略し方。「つがるロマン」を「ロマン」、「青天の霹靂」を「霹靂」としている。本文中では「青天の霹靂」と「霹靂」が混在し、最初だけ「へきれき」とふりがながある。


死亡広告。
秋田と同じく、一般市民が亡くなっても、遺族などによる広告が掲載される。
枠のサイズは、東奥日報のほうが天地方向に長い。(魁7センチ、東奥日報8.5センチ)
文字は東奥日報のほうがやや小さい。書体は両紙とも、紙面とは異なる明朝体。
魁は、基本的に全部同じ大きさの明朝体だが、東奥日報では亡くなった人の氏名を2回りほど大きい太字(明朝体)にし、さらに葬儀の日時・場所はゴシック体にしている。

秋田では、先に火葬を済ませてから葬儀(葬式)という順番。「通夜」はなく、代わりに葬儀の前の晩には「逮夜(たいや)」というのを行うが、参列するのは身内や近所の人だけ。したがって、死亡広告には葬儀の日時だけが載る。
青森では、通夜・葬儀・火葬という一般的な順番で行うようで、東奥日報の死亡広告では、「通夜」と「葬式(葬“儀”ではなく)」の日時が併記されていた。

それから、会社や団体の役員をしていた人が亡くなると、秋田では、遺族によるものと別枠で「弊社代表取締役社長~」といった死亡広告が出ることがある。複数の団体を掛け持ちしていた人の場合、1人で何枠も並ぶ場合も。
たまたまかもしれないが、東奥日報では、企業と遺族が1つの枠を共有した死亡広告があった。境目に線が入っているものの、企業によるものは「○○殿」「逝去されました」、遺族によるものは呼び捨てで「逝去いたしました」と一致していないのがやや気になるが、分かりやすいし合理的ではある。
【2016年1月4日追記】秋田でも、家(遺族)と企業の合同葬を行う場合は、同じような体裁の広告になる。しかし、東奥日報で見たものは、葬儀は家だけが主催するもので、その告知に企業が便乗しているような形だった。【2016年1月16日追記】秋田では、商店や家族経営的な会社の関係者の場合は、遺族による死亡広告の末尾の遺族の名前の最後に、線を引いて区切って企業名(とその代表者名)を併記する。


所変われば新聞も微妙に&いろいろと変わるものです。
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