秋田市南西部で日本海に注ぐ大河・雄物川。
以前から触れている通り、秋田大橋下流で分岐する秋田運河(旧雄物川)がもともとの雄物川の流路。
昭和初期に運河とともに、日本海へ一直線に短絡する雄物川放水路が造られ現在の形になった。
すなわち、雄物新橋や雄物大橋が架かり、右岸を勝平(割山)地区に接する、あの幅の広い川は、完全なる人工の河川ということになる。
そんな雄物川最下流部の堤防や河川敷は、住宅地に近く駐車スペースがあり、比較的安全に広い空間が使えることもあり、散策したり遊んだりする人が多い場所もある。
放水路区間の右岸では、川を見下ろしながら歩ける小径、河川敷の「水辺の広場」などがあり、それらを通って河口・海岸まで出ることができる。特に運転免許センター裏付近の松林の道は、けっこう人が歩いている。
一方、その対岸・左岸の(狭義の)新屋側。河口付近は彼のももさだカエルがいる海岸。
左岸を川に沿って海岸まで車まで行くことができる道路はある。ただし、そのうち、雄物新橋から下流方向は、「堤防」というにはちょっと無理がある、川からかなりの高さがある丘の上。河川敷は崖の下のようになっているし、崖の上の道路端にはハリエンジュ(ニセアカシア)などの樹木が茂っていて、道路から河川敷を見下ろすことはできない。【2日補足】車で川沿いに河口・海岸を目指すなら、右岸よりも左岸のほうが総合的に楽。徒歩では、高低差、交通量の多さ(左岸は歩道がない区間あり)の点で右岸がいい。
そんな環境の左岸側では、右岸のように川を見ながら河口まで行くことができるのか、以前から疑問だった。
早春・右岸から。右が河口方向
上の写真は、葉が茂る前に勝平側から見たところ。
丘の上に家が建ち並んでいて、中央右に見える小さい塔(右端の携帯電話のじゃなく)は津波警報用で、その付近が「浜街道」バス停。
その崖下、川沿いにも、横に一直線に伸びる道らしきものが、わりとはっきりと確認できた。
国土地理院の地形図でも、それを指すと思われる道が描かれている。一部区間は車は入れないようだが、途切れてはいない。
そこで、先日、思い切って、左岸伝いに雄物新橋から河口を目指すことにした。
雄物新橋付近は堤防の道路は狭くて危ないのだけど、そこから河川敷に下りられる坂や階段があるのは、昔から知っていた。階段は立派な手すりもついており、散策目的の利用も見こんでいそうな作り。【2019年12月1日補足・階段を下りた河川敷は「元町親水広場」という名らしく、2019年に階段の上に標柱が建てられていた。】
先週の連日の雨降りの前の晴天
上の写真は右が上流方向・秋田大橋。左寄り対岸の小さく黒い四角が、秋田運河が分岐する新屋水門。
こちら側には、桜並木である、旧・十條製紙工場からの排水路が流れこむ「新屋排水樋門」がある。1991年12月完成(←以前のものから造り替えたと思われる)で、秋田市管理だそう。
新屋排水樋門
今は、公園の水路になって、水の量はぐっと減ったのだろうが、赤茶色の水がたまっていた。なお、樋門の下側を渡ることはできないので、上流側へは堤防の道路へ上がらないといけないし、あまり近づくと危ない感じ。
河川敷は木と高い草が茂り、川面はあまり見えない。河川敷の道は、微妙にくねくねしていることもあって、先が見通せない。
下流方向・木の向こうに雄物新橋
雄物新橋の下をくぐる
ここから先は、いよいよ道路は崖の上。河川敷ならではの光景が広がるはず。
左が崖だけど草に覆われている
だけど相変わらず草が茂って道はカーブして、眺めは悪い。
ということは、どこからも・誰からも見えない場所なはずで、明るい昼間ながらちょっと薄気味悪い。あと、クマはいないだろうけど、毒ヘビとかツツガムシみたいなものに遭遇しそうな気もしてきたけれど、とりあえず進む。
道はしっかり舗装されて幅は充分なのは幸い。
ちょっとだけ草が途切れて、川が見渡せる場所があった。
右が雄物新橋
緩い角度の護岸があって、その先は砂浜状。船着き場みたいなものなのか。
そのすぐ先、
柵と看板
柵は車止めってことだろうか。看板は不法投棄禁止と読めるものが目に入ったが、ほかにもなにかある。
「この先管理用通路につき一般の方の通行はご遠慮ください」
国土交通省 秋田河川国道事務所 茨島出張所による「注意」。
歩いてでも、立ち入りするなということだろう。
道は舗装も幅も変わらないし、地図では道が続いているものの、河川管理者がそう言うのだから、従うほかない。
ちなみに、国土地理院の地形図では、工場内の一般人が入れない通路等であっても、道路として描かれているなど、誰もが通れる道ではないものが記載されていることもあるから、こういうこともある。
ただ、「管理用通路につき」という理由で通行を禁じるのは、若干腑に落ちないというか理由になっていない。
ここより上流だって同じ河川管理用通路だろうに、通行できるのだし、他の河川でも通路が道路同然に使われているところも多い。国交省から秋田県へ管理が委託されている旭川では、雪が積もった通路から川へ人が落っこちた時、「通行は想定していない」としながら「通行する時は十分注意してほしい」という、矛盾したコメントで通行を認めている。
また、雄物新橋の立派な階段は誰のためにあるのかという気もする。一般人が下りたところで、草が生い茂る中、数百メートル進む道しかないのだから。
樋門から河口までは2キロ強はあるはずだが、わずか400メートルほどで断念することになった。(内心、ちょっとホッとした…)
ただ、海岸近くでは人も車も通れるはずだし、別の古い情報によれば、海岸や雄物大橋より上流側に、道路から河川敷へ下りられる場所もあるようだ(雄物大橋の車線増設工事で変化した可能性あり)。下流方向では、再び河川敷の通路を通行できるのかもしれないけど、暑いから確かめには行きません。
※この一帯は川・海とも、遊泳など水中に人が入ることはできません。漁船やゴミなどがある場所もあるので、訪れる時は安全には充分ご注意を。
※河川敷の草について、少し昔は違う状態だったことが分かった。昔はもっと開放的だった。
以前から触れている通り、秋田大橋下流で分岐する秋田運河(旧雄物川)がもともとの雄物川の流路。
昭和初期に運河とともに、日本海へ一直線に短絡する雄物川放水路が造られ現在の形になった。
すなわち、雄物新橋や雄物大橋が架かり、右岸を勝平(割山)地区に接する、あの幅の広い川は、完全なる人工の河川ということになる。
そんな雄物川最下流部の堤防や河川敷は、住宅地に近く駐車スペースがあり、比較的安全に広い空間が使えることもあり、散策したり遊んだりする人が多い場所もある。
放水路区間の右岸では、川を見下ろしながら歩ける小径、河川敷の「水辺の広場」などがあり、それらを通って河口・海岸まで出ることができる。特に運転免許センター裏付近の松林の道は、けっこう人が歩いている。
一方、その対岸・左岸の(狭義の)新屋側。河口付近は彼のももさだカエルがいる海岸。
左岸を川に沿って海岸まで車まで行くことができる道路はある。ただし、そのうち、雄物新橋から下流方向は、「堤防」というにはちょっと無理がある、川からかなりの高さがある丘の上。河川敷は崖の下のようになっているし、崖の上の道路端にはハリエンジュ(ニセアカシア)などの樹木が茂っていて、道路から河川敷を見下ろすことはできない。【2日補足】車で川沿いに河口・海岸を目指すなら、右岸よりも左岸のほうが総合的に楽。徒歩では、高低差、交通量の多さ(左岸は歩道がない区間あり)の点で右岸がいい。
そんな環境の左岸側では、右岸のように川を見ながら河口まで行くことができるのか、以前から疑問だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/7e/78ce1349a0bccb3bc26d80072509e8d6.jpg)
上の写真は、葉が茂る前に勝平側から見たところ。
丘の上に家が建ち並んでいて、中央右に見える小さい塔(右端の携帯電話のじゃなく)は津波警報用で、その付近が「浜街道」バス停。
その崖下、川沿いにも、横に一直線に伸びる道らしきものが、わりとはっきりと確認できた。
国土地理院の地形図でも、それを指すと思われる道が描かれている。一部区間は車は入れないようだが、途切れてはいない。
そこで、先日、思い切って、左岸伝いに雄物新橋から河口を目指すことにした。
雄物新橋付近は堤防の道路は狭くて危ないのだけど、そこから河川敷に下りられる坂や階段があるのは、昔から知っていた。階段は立派な手すりもついており、散策目的の利用も見こんでいそうな作り。【2019年12月1日補足・階段を下りた河川敷は「元町親水広場」という名らしく、2019年に階段の上に標柱が建てられていた。】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/6d/d914e3199bf24930a23f3778fe1c8732.jpg)
上の写真は右が上流方向・秋田大橋。左寄り対岸の小さく黒い四角が、秋田運河が分岐する新屋水門。
こちら側には、桜並木である、旧・十條製紙工場からの排水路が流れこむ「新屋排水樋門」がある。1991年12月完成(←以前のものから造り替えたと思われる)で、秋田市管理だそう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/11/0d6007de8155e2fd98f1c21435689777.jpg)
今は、公園の水路になって、水の量はぐっと減ったのだろうが、赤茶色の水がたまっていた。なお、樋門の下側を渡ることはできないので、上流側へは堤防の道路へ上がらないといけないし、あまり近づくと危ない感じ。
河川敷は木と高い草が茂り、川面はあまり見えない。河川敷の道は、微妙にくねくねしていることもあって、先が見通せない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/c2/0edf6dcbda85c662496a87ef125f3085.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/76/b0b405ff445f3a394e10f75e8c29c3c0.jpg)
ここから先は、いよいよ道路は崖の上。河川敷ならではの光景が広がるはず。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/f2/c565a77bb026b314d0605dae44c86734.jpg)
だけど相変わらず草が茂って道はカーブして、眺めは悪い。
ということは、どこからも・誰からも見えない場所なはずで、明るい昼間ながらちょっと薄気味悪い。あと、クマはいないだろうけど、毒ヘビとかツツガムシみたいなものに遭遇しそうな気もしてきたけれど、とりあえず進む。
道はしっかり舗装されて幅は充分なのは幸い。
ちょっとだけ草が途切れて、川が見渡せる場所があった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/38/e1d8ba4d03e91641b4e1dfe5af8470b2.jpg)
緩い角度の護岸があって、その先は砂浜状。船着き場みたいなものなのか。
そのすぐ先、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/ea/5d0ad0cafc663847b824728e228e1e6e.jpg)
柵は車止めってことだろうか。看板は不法投棄禁止と読めるものが目に入ったが、ほかにもなにかある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/01/ce95c9a5b1bea0bdb616f2f518b788c3.jpg)
国土交通省 秋田河川国道事務所 茨島出張所による「注意」。
歩いてでも、立ち入りするなということだろう。
道は舗装も幅も変わらないし、地図では道が続いているものの、河川管理者がそう言うのだから、従うほかない。
ちなみに、国土地理院の地形図では、工場内の一般人が入れない通路等であっても、道路として描かれているなど、誰もが通れる道ではないものが記載されていることもあるから、こういうこともある。
ただ、「管理用通路につき」という理由で通行を禁じるのは、若干腑に落ちないというか理由になっていない。
ここより上流だって同じ河川管理用通路だろうに、通行できるのだし、他の河川でも通路が道路同然に使われているところも多い。国交省から秋田県へ管理が委託されている旭川では、雪が積もった通路から川へ人が落っこちた時、「通行は想定していない」としながら「通行する時は十分注意してほしい」という、矛盾したコメントで通行を認めている。
また、雄物新橋の立派な階段は誰のためにあるのかという気もする。一般人が下りたところで、草が生い茂る中、数百メートル進む道しかないのだから。
樋門から河口までは2キロ強はあるはずだが、わずか400メートルほどで断念することになった。(内心、ちょっとホッとした…)
ただ、海岸近くでは人も車も通れるはずだし、別の古い情報によれば、海岸や雄物大橋より上流側に、道路から河川敷へ下りられる場所もあるようだ(雄物大橋の車線増設工事で変化した可能性あり)。下流方向では、再び河川敷の通路を通行できるのかもしれないけど、暑いから確かめには行きません。
※この一帯は川・海とも、遊泳など水中に人が入ることはできません。漁船やゴミなどがある場所もあるので、訪れる時は安全には充分ご注意を。
※河川敷の草について、少し昔は違う状態だったことが分かった。昔はもっと開放的だった。