秋田市が秋田中央交通に運行を委託(※)する「秋田市中心市街地循環バス・ぐるる」に、新車が入った。中古車でなく、純粋な新造車。
※中央交通が自主的・自発的に運行しているのではなく、赤字分は秋田市の税金で補填されている。
先週末、ネット上に情報があったが土日は運用に入らず。9月6日・月曜日の遅番(循環B)運用でのデビューとなった。
2012年7月21日に運行が始まった市街地循環バスは、当初は小田急バス中古の、ワンステップの短尺(車体長7メートル)中型バス・いすゞエルガミオ「834」と「835」が専用車両となった。車体は最初1年間は一般路線塗装で、ぐるるの愛称が付いた2013年7月から、2台で違うデザインの青系統の専用塗装になった。※シールを貼ったラッピング車体ではなく、直に塗装している。
834・835の整備点検時の予備車には、一般路線塗装の日野リエッセが使われた。
2018年5月13日には、新車の小型ノンステップバス・日野ポンチョ「13-44」が1台導入された。車体塗装は834と835の折衷。これにより、予備車も含めて専用塗装でまかなえるようになった。
2021年5月頃からは、835を見なくなり、中型車を含む一般路線車での代走が常態化していた。
そんなわけで、遠くないうちに専用車が1台追加されるとは思っていた。1344に合わせて、日野ポンチョだろうと思ったが、今回入った新車「15-22」は…
通常尺(車体長9メートル)のいすゞエルガミオ!(もちろんノンステップ)
いすゞエルガミオ(と同設計の日野レインボー)は、2016年にフルモデルチェンジされて2代目となり、その後2017年と2019年にマイナーチェンジがされている。
フルチェンジ後の中央交通一般路線車では、2016年末に2台(1227、1228)、2017年にレインボー2台(1307、1308)を入れたのみだった。
2019年マイナーチェンジの現行車種としては、秋田中央交通初、秋田県内でも初か?
側窓の固定/開閉可能の配置はバリエーションがあるようだが、おそらく中央交通一般路線車と同じ。
側窓ガラスが黒く、バンパーが黒いのも変わらず。ミラーは一般路線車は車体色に合わせたクリーム色~白系統なのに対し、ぐるる用は黒。
このモデルでは、フルモデルチェンジ以降廃止されていた、トルクコンバーター式オートマチックトランスミッション(AT)のオプションが復活している(MTは設定なし)。ぐるる用は、音から判断して標準のオートマチックマニュアルトランスミッション(AMT=クラッチは存在するが、クラッチペダルがなく、免許上はオートマ扱い)。
ネットによれば、AMTは扱いづらく敬遠するドライバーもいるとのこと。中央交通が3年以上新車を導入しないのも、それが理由かと邪推していたが、たまたまだったのか。
行き先表示機は、フルカラーLED式(おそらくオージ製)。これも秋田県内初か。【7日コメントをいただき訂正】フルカラーでなく、白色単色の表示機とのこと。側面の矢印はオレンジ色LED機同様緑色。
車内のワンマン機器は、もちろんICカード対応済み。
未確認だが、このモデルから搭載された、緊急時に乗客も非常ボタンでバスを停められる「ドライバー異常時対応システム」が搭載されているはず。
ロービーム、後部灯火ともLED
車体の塗装。
ポンチョのような2台の折衷ではなく、835のデザインのみを引き継いでいる。
車体が2メートル長く(=描画面積が広く)なった分、デザインの調整は必要だけど、それ以上にスカスカして見える。
(再掲)835
広くなったのに、それぞれのアイテムは縮小してしまっている。面積が変わらない正面の「ぐるる」ロゴさえ小さくなったし、各面の犬バス(?)、雲等々どれも。だからスカスカ。
835のデザインで好きだったのは、運転席側側面に、沿線の観光施設などが描かれていたこと。
(再掲)835運転席側側面
新車にも踏襲されたが、
スカスカ。まあ、これが秋田市街地の現実か…
今年移築され、観光案内所になった旧大島商会や、来年できる県民会館跡地の「ミルハス」を新たに描いても良さそうなものだけど、なし。
ぐるる用としては、9メートル中型バスは「大きい」いや「大きすぎる」のでは。ポンチョにしなかったのはなぜか。ちなみに立席を含めた乗車定員はポンチョ35人、エルガミオ60人、価格はポンチョのほうが500万円くらいは安いようだ。
新型コロナウイルス流行前のクルーズ船寄港時などには、ぐるるの利用者が激増し、立ち客が出ることもあった。ポンチョでは積み残す可能性がある。アフターコロナだかウィズコロナだかも考えて、収容力や車内空間に余裕がある中型に変えたのだろうか。
834・835のような7メートル級中型バスは、今はどこのメーカーでも造らなくなってしまったことも理由だろう。
遠方へ行く一般路線バスに立ち客がたくさんいるのを尻目に、ガラガラの新車に乗って100円払うのは、少々申し訳ない。
由利本荘市のように循環バス用は中古にするとか、弘前市のように一般路線用車両の購入費を市が負担するとか、そういうやりかたもあったかもしれない。
フルカラーになった行き先表示だが、確認できた限り、中型路線車が代走していた時と同じ文字を、白文字にしただけ。
これではフルカラーの持ち腐れ。もっと分かりやすくできそうだし、ドットが増えた正面では英語表示もするべきでしょう。→2022年10月から英語とロゴが表示されるようになった。
これにより、ぐるる専用車両は、中型短尺834、小型1344、中型1522と、サイズが異なる3台体制になる。
そして、835号車は、少なくともぐるる専属車からは外れたことになろう。834では後付けされた液晶表示器やフリーWi-Fiは、835には取り付けられなかったので、だいぶ前から先に落とす方針だったのだろう。素人目には車高調整機能がおかしかった感じがする。ぐるる抜擢前は男鹿営業所にいて、蛭子・太川・中山エミリ一行が乗った車でもあった。
834号車のほうは6日もA運用に入っていた(したがってポンチョがお休み)し、この夏に運賃箱交換・ICカード対応改造がされているので、少なくとも2022年春までは使い続けるつもりでいる。
以前の話では、ミルハスオープンに合わせ、市はぐるるの「ルートやダイヤの見直しを図ることを考えている。」とのことだった。大きい車になってしまうと、その見直しも難しくならないだろうか。
【7日・乗車したので追記】車内は、同社のマイナーチェンジ前の一般路線車と、(マイナーチェンジされた点以外は)違いは見つけられなかった。座席配置は、運転席側では折りたたみ席だけ1人掛けの「郊外Ⅰ型」。座席の布地も同じ。
整理券や運賃箱も同社標準。乗車時用ICカードリーダーは、後付けされた他車では、手すりに後付け感満載でくくりつけられているが、さすが新車は整理券発行機の真上に専用台座のようなものを使って鎮座。
降車合図ボタンは、オージ製ながら初めて見るもの。黄色とオレンジ色で小ぶりの、最近の標準のボタンと形は同じだが、ボタンの表記が「お降りの方はこのボタンを」云々でなく、指マークと「おりますSTOP」、その中央に円形の凸がある。
気のせい、もしくは新しいせいかもしれないが、ホイールパーク(駐車ブレーキ)をかけた時のエアの音、アイドリング時のエンジン音が聞き慣れたものと少し違い、発進~加速の変速音が静か(タイミングや感覚は変わらず)になったようにも感じた【23日追記・加速時のエンジン音は、前モデルよりかなりおとなしくなったと感じる】。
【10月5日追記】前モデルは未確認だが、車内天井のスピーカーが、昔から(枠の形状は変遷している)の独立して天井に埋めこまれているものから、LED照明と一体化したものに変わっていた。音が割れるというか音質が良くないような気がした。
なお、車内には一般路線車代走の場合がある旨の掲示もあり(各バス停の掲示も撤去されず)、今後もその可能性があることになる。
※中央交通が自主的・自発的に運行しているのではなく、赤字分は秋田市の税金で補填されている。
先週末、ネット上に情報があったが土日は運用に入らず。9月6日・月曜日の遅番(循環B)運用でのデビューとなった。
2012年7月21日に運行が始まった市街地循環バスは、当初は小田急バス中古の、ワンステップの短尺(車体長7メートル)中型バス・いすゞエルガミオ「834」と「835」が専用車両となった。車体は最初1年間は一般路線塗装で、ぐるるの愛称が付いた2013年7月から、2台で違うデザインの青系統の専用塗装になった。※シールを貼ったラッピング車体ではなく、直に塗装している。
834・835の整備点検時の予備車には、一般路線塗装の日野リエッセが使われた。
2018年5月13日には、新車の小型ノンステップバス・日野ポンチョ「13-44」が1台導入された。車体塗装は834と835の折衷。これにより、予備車も含めて専用塗装でまかなえるようになった。
2021年5月頃からは、835を見なくなり、中型車を含む一般路線車での代走が常態化していた。
そんなわけで、遠くないうちに専用車が1台追加されるとは思っていた。1344に合わせて、日野ポンチョだろうと思ったが、今回入った新車「15-22」は…
通常尺(車体長9メートル)のいすゞエルガミオ!(もちろんノンステップ)
いすゞエルガミオ(と同設計の日野レインボー)は、2016年にフルモデルチェンジされて2代目となり、その後2017年と2019年にマイナーチェンジがされている。
フルチェンジ後の中央交通一般路線車では、2016年末に2台(1227、1228)、2017年にレインボー2台(1307、1308)を入れたのみだった。
2019年マイナーチェンジの現行車種としては、秋田中央交通初、秋田県内でも初か?
側窓の固定/開閉可能の配置はバリエーションがあるようだが、おそらく中央交通一般路線車と同じ。
側窓ガラスが黒く、バンパーが黒いのも変わらず。ミラーは一般路線車は車体色に合わせたクリーム色~白系統なのに対し、ぐるる用は黒。
このモデルでは、フルモデルチェンジ以降廃止されていた、トルクコンバーター式オートマチックトランスミッション(AT)のオプションが復活している(MTは設定なし)。ぐるる用は、音から判断して標準のオートマチックマニュアルトランスミッション(AMT=クラッチは存在するが、クラッチペダルがなく、免許上はオートマ扱い)。
ネットによれば、AMTは扱いづらく敬遠するドライバーもいるとのこと。中央交通が3年以上新車を導入しないのも、それが理由かと邪推していたが、たまたまだったのか。
行き先表示機は、
車内のワンマン機器は、もちろんICカード対応済み。
ロービーム、後部灯火ともLED
車体の塗装。
ポンチョのような2台の折衷ではなく、835のデザインのみを引き継いでいる。
車体が2メートル長く(=描画面積が広く)なった分、デザインの調整は必要だけど、それ以上にスカスカして見える。
(再掲)835
広くなったのに、それぞれのアイテムは縮小してしまっている。面積が変わらない正面の「ぐるる」ロゴさえ小さくなったし、各面の犬バス(?)、雲等々どれも。だからスカスカ。
835のデザインで好きだったのは、運転席側側面に、沿線の観光施設などが描かれていたこと。
(再掲)835運転席側側面
新車にも踏襲されたが、
スカスカ。まあ、これが秋田市街地の現実か…
今年移築され、観光案内所になった旧大島商会や、来年できる県民会館跡地の「ミルハス」を新たに描いても良さそうなものだけど、なし。
ぐるる用としては、9メートル中型バスは「大きい」いや「大きすぎる」のでは。ポンチョにしなかったのはなぜか。ちなみに立席を含めた乗車定員はポンチョ35人、エルガミオ60人、価格はポンチョのほうが500万円くらいは安いようだ。
新型コロナウイルス流行前のクルーズ船寄港時などには、ぐるるの利用者が激増し、立ち客が出ることもあった。ポンチョでは積み残す可能性がある。アフターコロナだかウィズコロナだかも考えて、収容力や車内空間に余裕がある中型に変えたのだろうか。
834・835のような7メートル級中型バスは、今はどこのメーカーでも造らなくなってしまったことも理由だろう。
遠方へ行く一般路線バスに立ち客がたくさんいるのを尻目に、ガラガラの新車に乗って100円払うのは、少々申し訳ない。
由利本荘市のように循環バス用は中古にするとか、弘前市のように一般路線用車両の購入費を市が負担するとか、そういうやりかたもあったかもしれない。
これにより、ぐるる専用車両は、中型短尺834、小型1344、中型1522と、サイズが異なる3台体制になる。
そして、835号車は、少なくともぐるる専属車からは外れたことになろう。834では後付けされた液晶表示器やフリーWi-Fiは、835には取り付けられなかったので、だいぶ前から先に落とす方針だったのだろう。素人目には車高調整機能がおかしかった感じがする。ぐるる抜擢前は男鹿営業所にいて、蛭子・太川・中山エミリ一行が乗った車でもあった。
834号車のほうは6日もA運用に入っていた(したがってポンチョがお休み)し、この夏に運賃箱交換・ICカード対応改造がされているので、少なくとも2022年春までは使い続けるつもりでいる。
以前の話では、ミルハスオープンに合わせ、市はぐるるの「ルートやダイヤの見直しを図ることを考えている。」とのことだった。大きい車になってしまうと、その見直しも難しくならないだろうか。
【7日・乗車したので追記】車内は、同社のマイナーチェンジ前の一般路線車と、(マイナーチェンジされた点以外は)違いは見つけられなかった。座席配置は、運転席側では折りたたみ席だけ1人掛けの「郊外Ⅰ型」。座席の布地も同じ。
整理券や運賃箱も同社標準。乗車時用ICカードリーダーは、後付けされた他車では、手すりに後付け感満載でくくりつけられているが、さすが新車は整理券発行機の真上に専用台座のようなものを使って鎮座。
降車合図ボタンは、オージ製ながら初めて見るもの。黄色とオレンジ色で小ぶりの、最近の標準のボタンと形は同じだが、ボタンの表記が「お降りの方はこのボタンを」云々でなく、指マークと「おりますSTOP」、その中央に円形の凸がある。
気のせい、もしくは新しいせいかもしれないが、ホイールパーク(駐車ブレーキ)をかけた時のエアの音、アイドリング時のエンジン音が聞き慣れたものと少し違い、発進~加速の変速音が静か(タイミングや感覚は変わらず)になったようにも感じた【23日追記・加速時のエンジン音は、前モデルよりかなりおとなしくなったと感じる】。
【10月5日追記】前モデルは未確認だが、車内天井のスピーカーが、昔から(枠の形状は変遷している)の独立して天井に埋めこまれているものから、LED照明と一体化したものに変わっていた。音が割れるというか音質が良くないような気がした。
なお、車内には一般路線車代走の場合がある旨の掲示もあり(各バス停の掲示も撤去されず)、今後もその可能性があることになる。