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精霊流しに熊対策

2024-08-19 19:57:14 | 秋田の季節・風景
お盆も明けた。秋田市は目立った被害や影響はないものの、今夏も各地で大雨、台風、猛暑に見舞われている。
秋田駅北方、旭川橋梁を渡る奥羽本線の車窓から旭川と太平山
秋田市では「精霊流し」と称して、お盆の供え物の回収、もっと言えばごみ収集が行われる(2009年の記事)。2012年に家庭ごみが有料化された後も、変わらず、実質無料回収されている
そんな秋田市版精霊流しが、今年・2024年から少し変わった。
「広報あきた」8月2日号(No.2062)「市役所からのお知らせ」「お盆のお供え物は8月16日(金)午前9時までに指定の場所へ」では、「今年はクマによる被害を防止するため、食品類の供え物は出さないようご協力をお願いします」と、昨年までなかった大きめの文字が加わった。

昨年以降、秋田県内各地で人里や市街地への出没が増え、被害が深刻化しているツキノワグマ対策。
「今年は」と限定した表記だが、ごみ減量とかフードロスとかSDGsとかも踏まえれば、来年以降ずっとそれでいいのではないか。個人的には、こんな形の精霊流しは、廃止してもいいとさえ思っている。回収地点である川筋から遠い市民や、仏教徒でなかったり、お盆行事をしなかったりする市民も一定数いるわけだし、昔のように「供え物は何が何でも川に流さないと気が済まない」という人もかなり減っているはずだし。

一丁目橋の置き場。橋の幅に配慮してか、県道の歩道に設置
橋が密集する秋田市中心市街地の旭川。一丁目橋には長いむしろが置かれたものの、1袋しか出されていなかった。これまではなかったラミネートされた『お願い』がクリップ止めされていた。

「花と盆飾りを回収します。」「クマのエサになりそうな食べ物は置かないでください。ご協力をお願いします。」いくらなんでもこの辺にクマは来ないだろうけれど。

ほかのクマ対策としては、市立小中学校の全児童生徒に、クマよけの鈴が貸与されている。6月頃から、いくらなんでもクマが来ないであろう学区(※)でも、登下校時にカランラン【26日訂正・より正確な音色としては、低めのチリンチリン】と鈴の音が響いている。
※中学生では見たことがないし、小学校でも着けていない児童もいて、少なくともクマが出なさそうな学区では強制はされていないようだ。また、市内でも秋田大学教育文化学部附属学校や県立中高一貫校、特別支援学校の児童生徒へは貸与しないということだろう。

精霊流しに話を戻して。
広報のお知らせの文面は、ほかにも変化があった。
昨2023年から、「新聞紙にくるんだだけのものや紙袋に入れただけのものは破れ、飛散しますので、必ず透明な袋に入れてください。」が加わった。
以前から、透明な袋に入れて出すこととされていたが、実際にはむき出しや紙袋、あるいは黄色い有料袋で出す市民も少なくなかった(いずれも回収はされていた)。袋が必要な理由が分からないのが、不徹底の原因だったかもしれないから、明示したのは理解できる。

さらに、2023年は「堤防付近や風当たりが強い場所は、落下飛散しないようご注意ください。」も加わったが、今年は消えた。クマでスペースを取られたのかもしれないが、むしろにそんなに重くないものを置くのだから、注意のしようがない場合もあろう。


そして、そもそも、広報には「精霊流し」とはひとことも書いていない。
実際のところ、これを精霊流しと認識する秋田市民は少ないけれど、以前の記事の通り、昭和の昔の広報にはそう表記していた。
ただ、市役所庁内では、今も精霊流しが公式な事業名であるようだ。「精霊流し供物収集運搬等業務委託」として入札が行われている。ちなみに、秋田地域(河辺・雄和を除く)は82万円で落札。その程度か。
コメント (2)
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