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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

JRバス停HOWマッチ

2019-12-10 23:32:31 | 秋田のいろいろ
秋田市内にあるバス停といえば、よく取り上げる秋田中央交通(秋田市営バスからの譲渡・移管分も多数)、それに羽後交通や郊外のコミュニティバス。
ほかには、高速バス専業事業者のバス停も存在する。いわゆる旧・ツアーバス系高速バスでも、今はバス停設置が必要になったため、駐車場みたいな意外な場所によく知らない会社のものが置かれていたりする。

こんなバス停も。
秋田大学手形キャンパス 正門前
路上の「秋田大学前」バス停にポールが2つ。
おなじみ中央交通は手形山団地線が通る、近年更新されたスーラの表示板。写真は秋田駅行きが停まる上り側。
※中央交通の「秋田大学前」は、正門から線路方向へ直進したテニスコート付近にも別にあり、楢山大回線と秋田高校入口~御所野の路線が停まる。

もう1つは、見慣れない背の低めなポール。
横の赤白は除雪の目印用に冬だけ設置されるスノーポール。夏の写真では視線誘導標(デリネーター)
光沢のある金属のパイプが逆U字形になっていて、その上に円形表示板。
全体に仰々しいような、円形表示板が古臭いような印象を受けてしまった。
水色と白の表示板は、
「ジェイアールバス東北」
秋田と首都圏を結ぶ、夜行高速バスのバス停。
JRバス東北は、土地によっては一般路線バスも運行しているが、秋田市では貸し切りと高速のみで、ある意味高速専業ではあるものの、旧ツアーバス系ではない正統派高速路線バス。

秋田側の始発・終点は、秋田ポートタワーセリオン前で、この秋大前と秋田駅東口に停まる。秋田駅東口では、ロータリー内の乗り場に入るのが、正統派路線の証だろう。
首都圏側は東京駅と東京ディズニーランド。

運行開始は2008年。当初は「ドリーム秋田・横浜号」という名称で、セリオンでなく秋大前と横浜駅東口の路線。2018年12月21日にセリオンまで延伸され、2019年4月16日に横浜からディズニーランドに変更され「ドリーム秋田・東京号」に変わった。【11日追記・旧称に合わせれば「秋田・千葉号」になるはず。そもそも「秋田・横浜号」では、東京都内で乗降できないような印象を与え、誤解させていた場合もありそうだから、「秋田・東京」で妥当かも。浦安まで行くのは、知っている人が知っていればいいということで。】
秋大前に停まるのは、大学生の需要狙いか。あと、運行開始時点では、東口~秋大前~車庫(天徳寺地下道の上)と、入出庫の回送ついでに乗降扱いできそうな立地であった点もあるのかも(現在はいったん、逆方向のセリオンまで行く)。
セリオンは、自家用車を駐車場に置いて、乗り換えてもらう「パーク・アンド・バスライド」の発想のようだ。
ネット上の乗車記を少し見ると、セリオンや秋大前からの乗客はあまり多くはなさそうだけど、秋大前が10年以上存続しているということは、一定の利用者があるのだろうか。


表示板には「ドリーム秋田・東京号」とは書かれていないものの、英語(ローマ字じゃなく)表記もひらがな表記もあり、ツバメマークもあり、東京ディズニーランドに「R」もあり、こういう点はさすがJRグループ。
個人的には、フォントが見飽きた「スーラ」じゃなく、モリサワ「新ゴ」なのが好印象(新ゴも、バス停以外ではあちこちで見るけど)。
路線の性格上、「要予約」「乗車専用バス停」であるはずだが、その旨の表示は見当たらない。

時刻表掲出枠には、小さい紙が張られているが、今年6月と12月では違っていた。11月1日にダイヤ改正があったので、その時の交換か。
6月

現在
どちらもパソコン作成の時刻表だが、現在のほうが凝った作り。QRコードやJRバス東北キャラクター「ツインビー」が描かれている。
枠と同じ素材らしき箱(前面は透明=上の写真左側)もあり、中に路線のリーフレットが入っている。

セリオン前も、これと同型のポールが設置されており、「秋田ポートタワーセリオン前」と正確に表記されているようだ。並んだ中央交通(市営バス時代から)は「セリオン前」でアンバランスな表示板
秋田駅東口は、乗り場と一体化した標柱があるため、自前のポールはなし(中央交通も同様)。

秋田大学前は、以前はこのポールではなかった。
1年前のセリオン延伸時に同時に発注して交換したのかもしれない。
Googleストリートビューで確認すると、2018年7月では、別の形状で、宣伝が大々的にデザインされ、赤で「乗車専用」と表記されたバス停があった。
実は、この向かい側では、
まだ使われている
赤文字で「降車専用」とある。おそらくその部分以外は、同じ。
台座が円形で、枠はプラスチックの逆U型。ヤハギ工業株式会社のホームページで「バス停標識・すいせん型」として紹介されているものに似ている。JRバス東北では、一般路線バス運行エリアでも、このタイプが使われていることがあるようだ。
※ヤハギ工業ホームページではダルマ型を「ひまわり型」、すいせん型の下のほうがくびれて1本で台座にささっているものを「しらゆり型」としており、バス会社や愛好家でもそう呼ぶ場合も(呼ばない場合も)あるそうだ。ただ、それぞれの定義があいまいになっている感じもするので、当ブログでは用いないことにします。

ツバメマークはなく、バス停名のフォントはスーラ
このバス停、降車専用なのに【11日補足・目印の役目のみでいいはずで、他社では掲示枠自体がない場合もある。】、ずいぶんにぎやかな見た目。路線の広告があるから。向かい側と同じものを作ったということもあるだろうが、秋大生の行き来が多い場所の両側で、少しでも目に触れさせたいのだろう。

「お得な学割あり!!」「秋田大学生協で乗車券販売しております。」とあり、やはり秋大生をターゲットにしているのが明白。
新しい向かい側にはない、「座席指定制 夜行便」もあって親切。
路線名「ドリーム秋田・東京号」も、と言いたいところだけど「ドリーム秋田・   」と白いテープ。透かすまでもなく、道路際に背を向けた反対面を見れば、
「横浜」とあった
広告の背景のCGっぽい塔は、いちおう東京スカイツリーのようだ(あまり厳密に描くと、それこそ「R」とか手続きが要りそう)。横浜マリンタワーではない。
もし、ここに横浜っぽいものを描いてしまっていたら、隠すのが大変だったことでしょう。
【2021年7月6日追記】その後、2021年7月6日、バス停名部分を残して、下の広告部分がなくなっているのに気付いた。2020年10月のGoogleストリートビューでは、まだ残っていた。


秋田大学前は、JRバス東北としては、秋田市内いや秋田県内で唯一、道路上に存在するバス停ということになるはず。【14日補足・かつては秋田県内でも象潟や鹿角エリアで国鉄→JRが一般路線バスを運行しており、もちろんその当時は路上バス停があった。秋田市内では過去も含めてここだけ。】
上り側秋田大学前
あと、上り側は歩道がバス停車スペース分切り欠かれている(バスベイ)のだが、バス停のポール2本はその先方に置かれている。ポールのところでバスを待っていても、そこにドアを合わせて停まってはくれないだろう。かといって、バスベイ中央部に置くと、歩道が狭くなって支障がありそう。
秋田市内では新国道でもそうなっている(電柱をポール代わりにした自衛隊入口など)。秋大前はしっかりした歩道にしては点字ブロックがないのも珍しい。※秋大前も新国道もどちらも県道。



さて、上り側の新しいポール。写真では分かりづらいが、ポールの台座も変わっている。コンクリートの塊を金属の板で囲っているのだ。
ということは、中央交通が新設路線を中心に設置している、背が低めで表示板が大きいダルマ型ポール=当ブログで「頭でっかち」タイプとしているものの台座にそっくりだ。頭でっかちは山形市の山交バスでも見たことがあり、広域で流通している製品のようだった。
さらにネットで調べていると、「停留所どっとこむ(http://teiryujo.com/)」というサイトを発見。バス停ポールの通販サイトらしい(細部や表示板はどうやって注文するの?)が、現在は全商品「売切れ」?

「オールステンレス(SUS304)製のバス停留所を製造・販売しているメーカー」である栃木県小山市の「カンプライズテクノロジー株式会社」のサイト・製品。サイトには電照式も含めて12タイプ掲載されており、その中に、これらがあった!

頭でっかちタイプは、完全に同一のものは出ていないが「シングルタイプ」に該当する。「当社一番の売れ筋シリーズです。」とのこと。
表示板(「上部丸板」と表記)は直径35センチ。支柱の独特な取り付け方は表示板側・台座側とも中央交通・山交と同じ。
台座は「ベース」と称し、金属枠もステンレス製でコンクリートの風化防止目的。また「転倒防止の為、穴が開いており、アンカーなどで、地面と固定することができます。」。なるほど、台座に小さい穴が2つ空いていたのがそれか。重さ約40kg。

サイトにはシングルAとシングルBがあって、Aはベース四角、時刻表枠が2枠、Bはベース円形、1枠。Aは「NEW!」マークがあり、新商品らしい。また、ベースの形が違っても、重さは同じらしい。
中央交通と山交のは、ベース四角、枠1つと両者の折衷仕様。

ジェイアールバス東北の秋田大学前の新しいのは「Uポ-ルタイプ(2本足)」だ。パンフレット入れは付いていないが、それ以外はまったく同一。ベースは約70kg(オプションで変更可)。


ということで、シングルタイプ(AとBで少し異なる)、Uポールタイプ、それぞれのお値段は? さて…HOWマッチ?(というクイズ番組が昔ありました)
サイト記載の税込み(8%時代か?)希望小売価格をお考えください。


正解は…

シングルAが3万5640円、シングルBが3万2400円。
そしてUポールが8万8560円。

ちなみに、ちょっと似た雰囲気がする、家庭用物干し台(台座の重さや支柱の金属の厚さは違うと思われる)は、2つ1組で1万弱から、といったところ。
バス停は頭でっかちタイプが3万円、安くはないけどそんなもんかな。
Uポールになると5万円も高くなるのは、ちょっと不思議。中央交通さんには手を出せないのかもしれない。気持ちは分かる。【11日追記・だから、古いポールの表示板だけ取り替えるなど節約しているのだろう。】
背が低く、台座が重いから、強風時の安定性は良さそう。

降車合図ボタン、行き先表示機などで著名なバス用車載機器メーカー「オージ」のサイトでも、「バス停留所案内表示板」としてこれらと同じものを取り扱っている旨が掲載されている。価格は未掲載。
オージが仲介して売っているのだろうか。レシップや小田原機器のサイトでは見当たらない。

2022年にはこんなバス停も登場

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