広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

東北夏祭りパンの誤報

2020-07-02 23:53:53 | ランチパック
6月25日の朝日新聞秋田版に、こんな記事が掲載された。
中止の「東北夏祭り」 パンの包装に/山崎製パン 7・8月限定販売
新型コロナウイルス感染症のため中止が決まった、東北6県の夏祭りを1つずつデザインした包装のパンを、東北6県と新潟県で発売する。4種類が新商品で、秋田県と青森県は既発売の人気商品。
といった内容。

既に他のマスコミでも報道していたのをざっと記憶していて、(記憶違いかもしれないが)それとは若干の相違点もあった。
朝日では「夏祭りをデザインした包装」とあるが、そうではなく、ただシールを貼るだけだった(※)ような気もするし、その売り上げの一部を各地へ寄付するとか言っていたような(違うかも)【末尾に追記】。
※朝日の記事でも、後で「それぞれのラベルには(略)デザインされている」とも出てくるが、それだと分かりづらいし、ラベル=シールのこととすれば記事内で矛盾しているのでは?


そして、明らかに確実に事実と異なることが書かれている。
上ではあいまいにしたが、新発売でない2商品とは「イギリストースト」と「アベックトースト」。
この記事では企業名は「山崎製パン」しか出てこない。
「山崎製パンは(略)パンを発売する。」「同社の人気商品「イギリストースト」(青森県)と「アベックトースト」(秋田県)を加えた。」
とあり、文章をそのまま受け取れば、イギリストーストとアベックトーストもヤマザキの製品と理解できる。

青森県、秋田県の方なら常識ですが、イギリストーストは青森県の「工藤パン」、アベックトーストは秋田県の「たけや製パン」がそれぞれ製造販売する商品。工藤パンもたけや製パンも、製造受託や納品などで山崎製パンと密接な関係がある。
夏祭りパンに関する先発の報道では、山崎製パン、工藤パン、たけや製パンの3社の共同展開であると伝えていた。

また、新聞記事には「山崎製パン提供」のアベックトーストの商品写真が掲載されている。それには当然「ヤマザキ」のロゴはなく「Takeya」ブランド。
文章を素直に受け取った人がこれに気付けば、混乱しそう。

確実に間違っている。
全国紙の記者は秋田・青森の出身でないだろうし、パン業界に詳しくもない(多少は把握してほしいけど)だろうから仕方ない。署名の記者は、仙台周辺に駐在する人らしい(ということは秋田県外の東北各県版にも写真を替えて出たかも)し、デスクや校閲も秋田青森以外の人や場所でやったのだろう。
【3日補足】この手の間違いの時に毎回指摘するが、書いた記者だけを責めるべきではない。今回は写真で気付くことも可能だったのだから、上司やチェックする部門の落ち度でもある。

本社メールフォームへ、秋田青森におけるパン事情の説明と、そもそも写真のアベックトーストに「ヤマザキ」って書いてないでしょ、と指摘を入れた。
最近の朝日新聞は、訂正はしっかりやっているから期待したが、1週間経ってもなし(見落としてはいないと思うが…)。この程度は訂正不要との認識なのだろうか。がっかり。些細な間違いかもしれないが、事実ではないことが未来永劫残ってしまうよ。

あと、たけや製パンや工藤パンの人たちは、こういう記事が出てもいいのだろうか。
自社の看板商品が、仲間とはいえ他社商品にされてしまっているのに、訂正の申し入れをせず黙っているのも、ちょとがっかり。記事自体を知らないのかな。
ひょっとして、7月から3社の関係が変わって、2社がヤマザキに吸収合併されるとか、2商品がヤマザキブランドに変更されるのかも、とも一瞬頭をよぎったが杞憂に終わった。


というわけで、7月から、秋田でも6商品が発売中。アベックトーストはもちろんどこでも売っているが、イギリストーストは本キャンペーン連動で扱い店が増えるというわけでもないようで、従来どおりの感じ。
ヤマザキの4商品はそこそこ売っている。【3日補足・したがって、6県分のうちイギリストーストだけ置いていない店がある。】
岩手と福島
ふっくらロールパン 岩手県産やまぶどうのクリーム&ホイップ」346kcal/「クリームボックス」326kcal
【3日追記】製造所は、ロールパンが仙台工場、クリームボックスは初見の「YKR」という固有記号の「仙台工場郡山事業所」。※秋田市のたけや系列「リベール」は「KR」
「ふっくらロールパン」の別の味や、過去に発売されたクリームボックスとは違う包装なので、いちおう今回のためにデザインされたのかもしれないが、包装自体には夏祭りの表記は裏にもない。
やはり、夏祭りはシールのみ。「がんばろう東北!~東北夏祭りを応援します~」の文字と、地図と、ここではさんさ踊りとわらじまつりのイラストのシール。

【3日訂正】3日号の秋田市「広報あきた」に少し出ていた。
6月9日に、たけや製パンの役員らが、秋田市竿燈まつり実行委員会(秋田市長が会長)に20万円を寄付。その時に、シールを貼る商品の紹介もされた。寄付は、たけや対秋田市だけだったようだ。

2022年の夏祭りパン

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