広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

クレしんラッピング電車

2021-09-19 20:21:44 | 秋田の季節・風景
漫画「クレヨンしんちゃん」。
主人公の父、野原ひろしが秋田県内陸部・大曲近辺出身ということになっていて、時折秋田の話がある。アニメ版でも、能代凧(?)ひろし秋田出張の話があった。

2021年夏、クレヨンしんちゃんが車体にラッピングされた鉄道車両が、秋田を走っている。
舞台である埼玉県春日部市(作中では春我部)を走る東武鉄道では以前あった(2016~2017年)と聞くが、まさか秋田を走るとは。

7月10日から9月26日まで、横手市増田まんが美術館で「クレヨンしんちゃん原作30周年記念原画展 ~とーちゃんの故郷、秋田に遊びにきたゾ!~」が開催されるのに合わせたとのこと。
4月から5月に東京で「原作30周年記念展 クレヨンしんちゃん オラのミリョク新発見だゾ」が開かれているが、全国どこでも(デパートの催事場とか)やっているわけではなさそう。さすがひろしの出身地という理由もあるだろうが、故・矢口高雄氏の功績も大きいまんが美術館がある土地だからということもあったのではないだろうか。
ひろしの靴下の臭いを再現した展示もあるが、これは全国の映画館で巡回展示されたこともあったとのこと。


ラッピング列車は、JR東日本・奥羽本線の普通列車701系電車2両編成の1本で実施。
701系電車は何本もあるが、そのうち3本だけが、秋田~新庄間(+秋田~弘前1往復)限定で走っている。特急「こまくさ」が廃止され、長時間走るのにオールロングシートなのはいかがなものかとの批判が出て、改造して申し訳程度のボックスシートを設置した車両。N36~N38編成。
そのN36編成にラッピングされた。

2013年に、秋田デスティネーションキャンペーンや横手市とのタイアップで、漫画「もやしもん」のラッピングがされたのも、N36編成だった。その時は、実写はちらり程度しか見られず、当ブログでも取り上げなかった。
限定運用とは言え、逆にだからこそでもあるのだが、運用(どの列車にどの車両が使われるか)が分からないと遭遇できない。例えば東海道本線などでは、愛好家が情報を集めて、形式や編成別の運用が分かるホームページがあるものだが、秋田にはない。


実はJR東日本が公式サイトに「クレヨンしんちゃんラッピング電車運行!!」とのページを作って、告知していた。
https://www.jreast.co.jp/akita/topics/wrapping2021/ という、廃止されたはずの秋田支社のサイトを思わせるアドレス。どこからもリンクはないようで、隠しページのようでもある。

毎日の運行ダイヤも掲載。
これにより、ラッピング以前に、N36~N38編成の運用が公式に明らかにされた(もやしもんの時もやったかもしれないが、その後、弘前往復が追加されて変わっている)。
A141~A143の3運用・予備なし、3日で1回り。予備が必要な時は、オールロングシート編成を回すことになる。

JR東日本自ら運用を公開してくれてありがたいが、素人にはハードルがある。説明が不充分だから。このページを見つけられても、理解できない人もいるだろう。
3日分それぞれの運用に対して、A141、A142、A143と「運用ダイヤ」の番号が付与。正式には知らないが、行路とか仕業と呼ぶのか。この3つが、それぞれ1日ごとのローテーション。
それをクリックすると、小さいウインドウが開いて、表に「429M 院内駅~秋田駅」などと列車番号と駅名が表示される。ローテーションの中身なわけだが、これ以上説明もなく、時刻も表示されない。これが不親切。
A142のウインドウ
列車番号とは、紙や一部サイトの時刻表にも掲載される、列車1本ごとを識別する数字やアルファベット。列車番号を頼りに、時刻表に当たる作業が必要になる。「列車番号」が何かを知らない人は、ここから先へ進めない。
秋田支社サイトと五能線キハ40系が在りし当時の、朱5号塗装車運用ページでは、列車番号と時刻の対応表もあったはずだが…

以下、時刻とともに運用を記しておく。
A141
2428M 秋田5:54→新庄8:44
2443M 新庄12:56→秋田15:35
458M 秋田22:35→湯沢24:05

A142
429M 院内6:33→秋田8:22
2438M 秋田10:16→新庄12:55
2447M 新庄14:17→秋田16:58
3625M~679M 秋田17:30→弘前19:52

A143
3622M 弘前6:27→秋田8:45
2440M 秋田11:48→新庄14:48
2449M 新庄15:40→秋田18:12


クレしんラッピング車は、8月1日から9月30日まで、A141から143を毎日順番に繰り返し続けている。
ただし、9月11日から14日は走らないことになっている。実際には11日は弘前から秋田着まで運用し、その後車両基地で差し替えたと思われる。
悪天候などのダイヤの乱れもあまりなさそうだったから、予定通り進んだかな。
最終日はA141で湯沢で終わりだから、翌朝の秋田への戻りもそのままではないだろうか。

A142運用で、新庄から到着後、弘前行き快速(※)になったところをつかまえた。
※快速から普通に切り替わる大館で列車番号が変更され、ホームページでも分割して掲載している。秋田駅での実際の案内は「快速弘前行き」としている。
正面にはヘッドマークなどなし
ラッピングと言っても、バスのように全面シール貼りではなく、キャラクターの形のシールを貼った程度。
奥羽北線内で東(山側)になる、トイレのない面
クハ700-36

クモハ701-36
西面全体は撮れなかったが、絵のパーツは共通で、面によって貼る順序や位置は入れ替わっているようだ。
【20日追記】トイレで窓がない部分には、別段何も貼られていないはず。もやしもんの時は、大きくロゴが貼られていた。



原画展のほか、夏休み映画の宣伝もしている。JR東日本のホームページではどちらにも触れずに、ラッピング列車としか紹介していないが、やっぱり「広告」ということなんでしょうかね。


秋田在住 銀の介じいちゃん「ももたろ」を読んでる

クハ700側にいちおうボックスシート


【20日追記・原画展のテレビでの報道についてちょっとした話】コメント欄の通り、原画展のことはマスコミで報道された。
NHK秋田では9月16日に「「クレヨンしんちゃん」の原画などを集めた展示会 横手市」として放送。その字幕の「クレヨンしんちゃん」のフォントが、実際のアニメのタイトルっぽいものだった。
NHK NEWS WEBより
以前少し触れたように、原作の漫画は手書き文字のようで、アニメ版は写研「ゴカール」。しかし、現時点では写研の書体を字幕に使うのは容易ではない。
上の画像では、右上のニュースの項目名と、下の説明とで、異なるそれっぽいフォントを使っている。
項目名はフォントワークス「Popハッピネス」(を斜めにしている?)、説明はモリサワ「ハッピーN B」のようだ。両者名前が似ている。

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5 コメント

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当たり電車 (あんなか)
2021-09-20 01:38:21
クレしん電車はクロスシート付きの当たり電車ですね。
春日部市にはしんちゃんの住民票があるとか聞いたことがあります。
春日部市も住みやすそうな都市です。
作者はだいぶ前に群馬県の荒船山で墜落死されてこの報道はショックでした。
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地元還元 (FMEN)
2021-09-20 03:09:41
AABで大々的に取り上げたはあたりまえですが、昔やったABSでも時間割いてました。
ただ、音楽が初期だったり。
(ABS分は後にAABが水曜夕方に放送していましたな)

それにしてもきちんと地元リスペクト、いいですね。
サザエさんは旅行に来てくれなかったし、まる子やドラえもんは舞台にならず。
ゴルゴ13は一回だけ秋田の田舎政治家が巻き込まれる話がありました。

ちなみにこち亀の大原部長が美術館近くにある十文字生まれの設定です。
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コメントありがとうございます (taic02)
2021-09-20 23:22:58
>あんなかさん
なかなか乗る機会がないし、4ボックスだけなので乗っても座れるとは限らず難易度は高いですね。
個人名には、座り心地があまりしっくりこない気もします。

春日部ではラッピングバスも走るなど、多方面で活躍しているみたいです。清水とちびまる子ちゃんと並ぶ、ご当地アニメキャラクターでしょう。
サザエさん、ドラえもん、ちびまる子ちゃんもそうですが、作者が亡くなってもアニメが作られ続けるのが、国民的アニメの証なのだと思います。

>FMENさん
NHK秋田でも、9月16日に報道していました。
夕方の再放送はなんとなく記憶にあります。テレビ朝日の本放送の曜日の移動が激しかったですね。

秋田では、しんちゃんやじいちゃんを、ご当地キャラクターのように扱う動きはないと思いますが、何かやればいいかもしれないですね。
「コボちゃん」のパパは、美郷町出身でした。秋田県内陸南部は、キャラクターのふるさとに選ばれやすい土地柄なんでしょうか。
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くれば (FMEN)
2021-09-21 00:27:50
「来れば」にじわじわきました。
秋田の局は右上のワードセンスが無いのか「秋田」とか「コロナ」とかのみが大半。
AKTなんか出すのをやめてしまいました。

コボちゃんは読売の漫画なのに、ABSは魁グループだからかあまり話題になりません。
美郷の13号のおはよう納豆手前にある看板ぐらい?
県南では踊る大捜査線の室井管理官とかも。
大原部長とは面識ある設定らしいのですが。

反対に県央県北はあまりです。
あるとすれば能代工業がモデルなスラムダンク「山王工業」とか。
山王近辺には高校がありませんが、これが中通工業や楢山工業では。
手形工業だとなんか赤字の会社みたいですし。
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田舎代表? (taic02)
2021-09-22 00:06:48
昔に比べると画面上に文字が増え、入れるほうも悩むのでしょうね。

コボちゃんのアニメが読売テレビ・日テレ系で放送され、秋田ではABSでネットされていました。
その中の、1993年8月16日放送「お国自慢だ高校野球」のはずですが、秋田代表の高校をテレビで応援する場面がありました。その高校名が「秋田さきがけ高校(表記は不明)」でした。秋田魁新報から借りたのか、だとしても読売グループがそんなことするのか、と考えたのを思い出しました。

昔のドラマや映画では、「田舎から上京した人」の出身地と言えば青森か秋田が定番で、県全体として田舎の代表のように思われていたのでしょう。
でも、秋田県の中で、内陸南部がさらに田舎の代表というとらえかたはされていないと思うし。謎です。
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