秋田市のバスの話題。
本題の前に、今年も10月に秋田中央交通のダイヤ改正が実施され、ホームページに詳細が掲載された。
それによれば、臨海営業所担当路線を中心に、かなりの減便、多数の時刻移動(減便分の調整)が実施される。新国道、新屋・割山方面といった主要路線もそうで、土日だけでなく平日も減らされる路線もある。
これまで秋田営業所担当路線では、土日を中心に大減便が実施されたことがあった。今回はその臨海版ということなのか、新型コロナウイルスで利用が減った分の対応なのか。
差し当たって詳細は公式をご覧いただくとして、後日当ブログでもまとめる予定です。
本題は、2022年春に導入される、ICカード乗車券のこと。
※以前の記事。
※秋田市周辺のJR東日本の鉄道で利用できるのは、2023年春。
バス会社が自主的に導入するのではなく、秋田市が主導し、市内を走る秋田中央交通の路線バス(空港リムジンバスと中心市街地循環バス・ぐるる含む)のほか、中央交通系列以外も運行している郊外部のマイ・タウンバスにも導入される。
独自規格のカードではなく、JR東日本が関わる「地域連携ICカード」。「2in1カード」と言って、Suicaの中に、独自規格を共存させるような仕組みらしい。地元以外の交通機関に乗車する時は、Suicaが使える地域であれば、Suicaそのものとして使用できる。反対にSuicaと互換性のあるカードなら、すべて秋田でも使える。
地域連携ICカードは、2021年春に宇都宮市と盛岡の岩手県交通(一部)でそれぞれ導入済み。2022年春には、秋田のほか、青森市、八戸市、山形県、群馬県でも導入予定。
導入まで約半年となり、中央交通の車両には、運賃箱交換または改造、カードリーダー取り付けといった対応工事が、ほぼ終わっているようだ。
そんな中、最近気になっていたことがある。カードの名前である。
全国各地にご当地ICカードが増えた今、それぞれにおおむねアルファベットやカタカナの名前が付けられ、よそ者は把握できない。
秋田などは地域連携ICカードなので、名前はそのまま「Suica」あるいは「なんとかSuica」になるのかなと、思ったが、今春導入済みの地域を見るとそうではなかった。
宇都宮は「totra(トトラ)」、岩手県交通は「Iwate Green Pass(イワテグリーンパス)」で、共通性もない。
岩手県交通さんには申し訳ないが、Iwate Green Passは、最悪のネーミングだと思った。なぜなら、
・老若男女が使うのに英語表記。ローマ字でなく英語そのもので親しみにくい。
・日本人の感覚で「Pass(パス)」は、「無料券」もしくは「乗り放題券」と認識するはず。都度運賃を差し引かれるものにはそぐわない。
・JRグループに、グリーン車が乗り放題の「フルムーン夫婦グリーンパス」というきっぷがある。JR東日本といちおうつながりがあるものに、同じ名前はどうなのか。
今年度に入って、2022年春導入の地域でも、愛称とカードデザインがすでに発表されつつある。
岩手県では、岩手県交通と別に岩手県北自動車でも導入され、「IGUCA」。方言由来の、県交通よりずっと良い(?)ネーミングではあるが、2社で共通にできなかったのか。
青森県八戸市では、公募(240件応募)で「ハチカ」。
青森市では、3案からの投票で「AOPASS(アオパス)」。県内在住者を対象に総数5825票。他の2案はWanoca(ワノカ)、Abeca(アベカ)。落選案は方言(わ、あべ)が含まれているのに対し、アオパスはそうでないのが興味深い。
顔パスみたいで覚えやすいが、やはり「パス」。でも、「aomori payment smooth system」の略としている。
群馬県では「nolbé(ノルベ)」。公募ではなさそうで、上州弁の「乗るべえ」が由来。
来春導入で、現時点で名前が明らかになっていないのは、山形と秋田だけ。
どうなる?
秋田ではアルヴェなど、方言ベースの愛称が好まれた時期もあったが、今さら感もある(青森市の投票結果でも、方言は不人気だったように)。しかも岩手県北自動車と群馬に先に使われているし、仙台のicsca(イクスカ)もある。
じゃあ「秋田」か「竿燈」か、はたまた…
ネットを眺めていたら「商標ウォッチ(https://chizai-watch.com/t)」というサイトの、ツイッターのボットを見つけた。商標など知的財産の公報を、分かりやすく検索しやすく公開しているサイトのようだ。
ボットと言えば、くだらないことを繰り返し自動投稿するものばかりと思っていたが、この時、初めて役に立った!
8月24日に、秋田中央交通株式会社が商標を2件出願していた(9月7日公開)。もしや!
どうもカードの券面デザイン(名前込み)、来年秋に遅れて導入される高齢者用カードの名前っぽい。
秋田市でなく中央交通が出願者なのが意外。
感想としては、名前もデザインも悪くないと思う。予想の範囲内とも言える。
知的財産にはまったくうといのだけど、商標は出願しただけで公報で公開される。その後、数週間かけて審査され、通れば「成立」する流れだそうで、今はまだ審査途中になる。
公表されている情報ではあるものの、成立前であり(落とされる可能性もあるってことでしょ)、ICカードの名称としては未発表という現段階では、先走って記すのは控えておきたい。秋田市や中央交通の顔を立てるためにも。【後日動きがあれば、追記するかもしれません↓末尾に追記】
知りたいかたは、手間でしょうが各自調べてみてください。
余談だけど、中央交通と1日違いで、秋田市と秋田県が、まったく別件の出願もしていた。
あの文化施設のロゴだ。【11日追記】秋田市サイトの市政記者クラブ配布資料一覧に「あきた芸術劇場ミルハスのロゴマーク県民・市民投票について」があった(中身は不明、その他サイトにも情報なし)。3つほどのロゴが出願されていたので、それから選ぶことになるのか。【13日追記】13日に県のサイトに画像も含めて掲載。コンテンツ番号 58094。
名前とデザインが決まったのなら、あとは制度や使いかたの詳細。
Suicaの後ろ盾、他地域の先例もあるにせよ、チャージ場所、ポイントや割引等々、詰める点は多々あるはずだし、それらを分かりやすく教えてほしい。栃木や岩手では説明がやや物足りない感じもしている。【13日補足・例えば、totraでは「バスでオートチャージができた」旨の利用者のツイートがあるのだが、公式はじめそれ以外にはオートチャージに関する言及は一切見つけられない。】
また、不具合・トラブル時に困らないよう、中央交通以外も含めた乗務員や窓口社員の研修もしっかりお願いしたい。要は、客も社員も初めて使うのだから、どちらも困らずスムーズに使えるようにしてほしい。
【11月26日追記】
2か月以上経った11月26にやっと、秋田中央交通、秋田市連名で「秋田地域における「地域連携ICカード」の名称・デザインの決定について」が発表。
名称は商標出願から予想できた通り、
・一般用カード「AkiCA(アキカ)」
・高齢者コインバス事業専用カード「シニアアキカ」※2022年秋頃開始予定。登録した秋田市民の高齢者が、1回100円均一で乗車できる制度。現行は紙の証明書+現金支払い。
→一般と高齢者で、アルファベット/カタカナが異なるようだ。ただし、カードにはどちらも同じロゴで「AkiCA」。シニアには右下にカタカナで「シニアアキカ」。
カードデザインは、
・一般用は黄緑色。秋田市の色である若草色や、中央交通一般路線バスの車体の薄いほうの色に近い。
・シニアはオレンジ色。JR東海っぽい色【30日補足・TIOCAカードの色ではなく、コーポレートカラーのこと】。
・一般用は商標出願時のデザインの右側に、竿燈とそれを挙げる人が描かれている。「秋田らしさを表現している」とのこと。提灯部分にはオレンジ色も使用。
・シニアは中央部分は一般用の色違い。右側には、上記「シニアアキカ」の文字と、その上に「エイジフレンドリーシティあきた」のロゴマーク。
【30日補足】全国各地のご当地ICカード収集を趣味とする人がいる。秋田市でデザインが違う2種のカードが出るとなれば、どちらもほしくなるだろうけれど、シニアアキカは入手難易度が極めて高いカードになるだろう。
その他新たに分かった点。
・一日乗り放題乗車券(正式には「一日乗りほうだい乗車券」表記)は、紙からICカードへ移行。→ICカードを売るのではなく、利用者の手持ちICカードに、情報を書きこむ方式のはず。
・(紙の)各種回数券は販売を終了。代わりになるICカードを使用したサービスを開始するが、詳細は後日。
→紙回数券廃止は他地域でも行われている。「交通ポイント」としてICカード支払い額に応じたポイントが付与され、自動適用(割引)される仕組みになると考えられる。ポイント付与率がどうなるか(下記3も参照)。
気になる点がいくつか。
1.秋田市外は?
ICカード導入対象外=秋田市外の、中央交通または子会社が運行(受託運行含む)する路線バスでも、秋田市内と同じ紙の回数券を使用している。それはどうなるのか。
つまり、男鹿市、潟上市、南秋田郡3町村のコミュニティーバスでの紙回数券の扱い。
2.定期券は?
他地域では行われている、定期券を紙からIC化するかの言及なし。
3.どうなる? 買物回数券
地域連携カードが導入された(される)各地域では、従来よりも割引率(ポイント付与率)が低くなってしまうケースが多い。ただし、青森市や八戸市では、学生向けには紙回数券並みのポイントを付けることにしている。
秋田では、1300円分を1000円分で購入できる通学回数券と、平日10~16時降車・土日祝日(終日)限定で1400円分を1000円で購入できる買物回数券がある。上記他地域の例もあり、通学券相当は継続される可能性が高いと考えるが、買物は…
4.シニアアキカ全面カード化?
シニアアキカは導入が1年近く先であり未定なのだろうが、今回のリリースに、高齢者コインバスは「2022年秋を目途に地域連携ICカードでの決済に切り替える予定」とあった。これは、現行の紙証明書+現金払いができなくなるようにも読める。
日常的にバスを利用する高齢者には、ICカード化でとても便利になる。一方で、いちおう証明書は取得したが、ごくたまにしかバスに乗らない高齢者もいる。そういう人たちの分はどうするのだろう。シニアアキカ発行費用と手間と資源、チャージ額が塩漬けされるといった問題がある。あるいは、現金や回数券など支払う行為や金額が実体として見えることにどうしてもこだわる人、プリペイドであっても「カード」にどうしても抵抗感を持つ人が少なくない世代だとも思われるので、反発や混乱があるかもしれない。※もちろん、この世代でも電子マネーを買い物に使いこなしている人たちも当然います。
なお、秋田市・中央交通がモタモタしている間に、山形県のカードが「cherica」になることが発表。
さらに、青森県の十和田観光電鉄(名称未発表)と、高速バスのみだが秋北バス(「Shuhoku Orange Pass」)でも、地域連携カードを2022年春に導入することが発表された。岩手県交通と3社で構成する国際東北グループ(旧・国際興業グループ)で、基本システムを共通化するらしい。名前も似ていて、また「~パス」。秋北バスにオレンジのイメージはないようにも思う。十和田観光電鉄は「Toutetsu Blue Pass」にでもなるのか??
【2022年5月1日追記】十和田観光電鉄は2022年4月29日から運用を開始し、名前は(開始と同時発表?)「Towada SkyBlue Pass」(十和田スカイブルーパス)となった。
ほかに、岩手県交通のIwate Green Passが、12月1日からは同社の高速バス、盛岡~仙台・アーバン号、盛岡~弘前・ヨーデル号でも使用できるようになる。共同運行の他社便では当面非対応、ポイント付与あり、往復割引等なし。
山形県は県内大手2社で統一感のあるカードになりそう(ポイントは別々らしい)でいいけれど、その他各県では、来年春には同一県内にカードが乱立する事態になってしまう。もうちょっと整然とできなかったか。
それに弘南バスとしては、エリアである青森市で導入、ヨーデル号の共同運行相手が導入と、外堀が埋められているのでは。
※AkiCAに関する続きはこちら。
本題の前に、今年も10月に秋田中央交通のダイヤ改正が実施され、ホームページに詳細が掲載された。
それによれば、臨海営業所担当路線を中心に、かなりの減便、多数の時刻移動(減便分の調整)が実施される。新国道、新屋・割山方面といった主要路線もそうで、土日だけでなく平日も減らされる路線もある。
これまで秋田営業所担当路線では、土日を中心に大減便が実施されたことがあった。今回はその臨海版ということなのか、新型コロナウイルスで利用が減った分の対応なのか。
差し当たって詳細は公式をご覧いただくとして、後日当ブログでもまとめる予定です。
本題は、2022年春に導入される、ICカード乗車券のこと。
※以前の記事。
※秋田市周辺のJR東日本の鉄道で利用できるのは、2023年春。
バス会社が自主的に導入するのではなく、秋田市が主導し、市内を走る秋田中央交通の路線バス(空港リムジンバスと中心市街地循環バス・ぐるる含む)のほか、中央交通系列以外も運行している郊外部のマイ・タウンバスにも導入される。
独自規格のカードではなく、JR東日本が関わる「地域連携ICカード」。「2in1カード」と言って、Suicaの中に、独自規格を共存させるような仕組みらしい。地元以外の交通機関に乗車する時は、Suicaが使える地域であれば、Suicaそのものとして使用できる。反対にSuicaと互換性のあるカードなら、すべて秋田でも使える。
地域連携ICカードは、2021年春に宇都宮市と盛岡の岩手県交通(一部)でそれぞれ導入済み。2022年春には、秋田のほか、青森市、八戸市、山形県、群馬県でも導入予定。
導入まで約半年となり、中央交通の車両には、運賃箱交換または改造、カードリーダー取り付けといった対応工事が、ほぼ終わっているようだ。
そんな中、最近気になっていたことがある。カードの名前である。
全国各地にご当地ICカードが増えた今、それぞれにおおむねアルファベットやカタカナの名前が付けられ、よそ者は把握できない。
秋田などは地域連携ICカードなので、名前はそのまま「Suica」あるいは「なんとかSuica」になるのかなと、思ったが、今春導入済みの地域を見るとそうではなかった。
宇都宮は「totra(トトラ)」、岩手県交通は「Iwate Green Pass(イワテグリーンパス)」で、共通性もない。
岩手県交通さんには申し訳ないが、Iwate Green Passは、最悪のネーミングだと思った。なぜなら、
・老若男女が使うのに英語表記。ローマ字でなく英語そのもので親しみにくい。
・日本人の感覚で「Pass(パス)」は、「無料券」もしくは「乗り放題券」と認識するはず。都度運賃を差し引かれるものにはそぐわない。
・JRグループに、グリーン車が乗り放題の「フルムーン夫婦グリーンパス」というきっぷがある。JR東日本といちおうつながりがあるものに、同じ名前はどうなのか。
今年度に入って、2022年春導入の地域でも、愛称とカードデザインがすでに発表されつつある。
岩手県では、岩手県交通と別に岩手県北自動車でも導入され、「IGUCA」。方言由来の、県交通よりずっと良い(?)ネーミングではあるが、2社で共通にできなかったのか。
青森県八戸市では、公募(240件応募)で「ハチカ」。
青森市では、3案からの投票で「AOPASS(アオパス)」。県内在住者を対象に総数5825票。他の2案はWanoca(ワノカ)、Abeca(アベカ)。落選案は方言(わ、あべ)が含まれているのに対し、アオパスはそうでないのが興味深い。
顔パスみたいで覚えやすいが、やはり「パス」。でも、「aomori payment smooth system」の略としている。
群馬県では「nolbé(ノルベ)」。公募ではなさそうで、上州弁の「乗るべえ」が由来。
来春導入で、現時点で名前が明らかになっていないのは、山形と秋田だけ。
どうなる?
秋田ではアルヴェなど、方言ベースの愛称が好まれた時期もあったが、今さら感もある(青森市の投票結果でも、方言は不人気だったように)。しかも岩手県北自動車と群馬に先に使われているし、仙台のicsca(イクスカ)もある。
じゃあ「秋田」か「竿燈」か、はたまた…
ネットを眺めていたら「商標ウォッチ(https://chizai-watch.com/t)」というサイトの、ツイッターのボットを見つけた。商標など知的財産の公報を、分かりやすく検索しやすく公開しているサイトのようだ。
ボットと言えば、くだらないことを繰り返し自動投稿するものばかりと思っていたが、この時、初めて役に立った!
8月24日に、秋田中央交通株式会社が商標を2件出願していた(9月7日公開)。もしや!
どうもカードの券面デザイン(名前込み)、来年秋に遅れて導入される高齢者用カードの名前っぽい。
秋田市でなく中央交通が出願者なのが意外。
感想としては、名前もデザインも悪くないと思う。予想の範囲内とも言える。
知的財産にはまったくうといのだけど、商標は出願しただけで公報で公開される。その後、数週間かけて審査され、通れば「成立」する流れだそうで、今はまだ審査途中になる。
公表されている情報ではあるものの、成立前であり(落とされる可能性もあるってことでしょ)、ICカードの名称としては未発表という現段階では、先走って記すのは控えておきたい。秋田市や中央交通の顔を立てるためにも。【後日動きがあれば、追記
知りたいかたは、手間でしょうが各自調べてみてください。
余談だけど、中央交通と1日違いで、秋田市と秋田県が、まったく別件の出願もしていた。
あの文化施設のロゴだ。【11日追記】秋田市サイトの市政記者クラブ配布資料一覧に「あきた芸術劇場ミルハスのロゴマーク県民・市民投票について」があった(中身は不明、その他サイトにも情報なし)。3つほどのロゴが出願されていたので、それから選ぶことになるのか。【13日追記】13日に県のサイトに画像も含めて掲載。コンテンツ番号 58094。
名前とデザインが決まったのなら、あとは制度や使いかたの詳細。
Suicaの後ろ盾、他地域の先例もあるにせよ、チャージ場所、ポイントや割引等々、詰める点は多々あるはずだし、それらを分かりやすく教えてほしい。栃木や岩手では説明がやや物足りない感じもしている。【13日補足・例えば、totraでは「バスでオートチャージができた」旨の利用者のツイートがあるのだが、公式はじめそれ以外にはオートチャージに関する言及は一切見つけられない。】
また、不具合・トラブル時に困らないよう、中央交通以外も含めた乗務員や窓口社員の研修もしっかりお願いしたい。要は、客も社員も初めて使うのだから、どちらも困らずスムーズに使えるようにしてほしい。
【11月26日追記】
2か月以上経った11月26にやっと、秋田中央交通、秋田市連名で「秋田地域における「地域連携ICカード」の名称・デザインの決定について」が発表。
名称は商標出願から予想できた通り、
・一般用カード「AkiCA(アキカ)」
・高齢者コインバス事業専用カード「シニアアキカ」※2022年秋頃開始予定。登録した秋田市民の高齢者が、1回100円均一で乗車できる制度。現行は紙の証明書+現金支払い。
→一般と高齢者で、アルファベット/カタカナが異なるようだ。ただし、カードにはどちらも同じロゴで「AkiCA」。シニアには右下にカタカナで「シニアアキカ」。
カードデザインは、
・一般用は黄緑色。秋田市の色である若草色や、中央交通一般路線バスの車体の薄いほうの色に近い。
・シニアはオレンジ色。JR東海っぽい色【30日補足・TIOCAカードの色ではなく、コーポレートカラーのこと】。
・一般用は商標出願時のデザインの右側に、竿燈とそれを挙げる人が描かれている。「秋田らしさを表現している」とのこと。提灯部分にはオレンジ色も使用。
・シニアは中央部分は一般用の色違い。右側には、上記「シニアアキカ」の文字と、その上に「エイジフレンドリーシティあきた」のロゴマーク。
【30日補足】全国各地のご当地ICカード収集を趣味とする人がいる。秋田市でデザインが違う2種のカードが出るとなれば、どちらもほしくなるだろうけれど、シニアアキカは入手難易度が極めて高いカードになるだろう。
その他新たに分かった点。
・一日乗り放題乗車券(正式には「一日乗りほうだい乗車券」表記)は、紙からICカードへ移行。→ICカードを売るのではなく、利用者の手持ちICカードに、情報を書きこむ方式のはず。
・(紙の)各種回数券は販売を終了。代わりになるICカードを使用したサービスを開始するが、詳細は後日。
→紙回数券廃止は他地域でも行われている。「交通ポイント」としてICカード支払い額に応じたポイントが付与され、自動適用(割引)される仕組みになると考えられる。ポイント付与率がどうなるか(下記3も参照)。
気になる点がいくつか。
1.秋田市外は?
ICカード導入対象外=秋田市外の、中央交通または子会社が運行(受託運行含む)する路線バスでも、秋田市内と同じ紙の回数券を使用している。それはどうなるのか。
つまり、男鹿市、潟上市、南秋田郡3町村のコミュニティーバスでの紙回数券の扱い。
2.定期券は?
他地域では行われている、定期券を紙からIC化するかの言及なし。
3.どうなる? 買物回数券
地域連携カードが導入された(される)各地域では、従来よりも割引率(ポイント付与率)が低くなってしまうケースが多い。ただし、青森市や八戸市では、学生向けには紙回数券並みのポイントを付けることにしている。
秋田では、1300円分を1000円分で購入できる通学回数券と、平日10~16時降車・土日祝日(終日)限定で1400円分を1000円で購入できる買物回数券がある。上記他地域の例もあり、通学券相当は継続される可能性が高いと考えるが、買物は…
4.シニアアキカ全面カード化?
シニアアキカは導入が1年近く先であり未定なのだろうが、今回のリリースに、高齢者コインバスは「2022年秋を目途に地域連携ICカードでの決済に切り替える予定」とあった。これは、現行の紙証明書+現金払いができなくなるようにも読める。
日常的にバスを利用する高齢者には、ICカード化でとても便利になる。一方で、いちおう証明書は取得したが、ごくたまにしかバスに乗らない高齢者もいる。そういう人たちの分はどうするのだろう。シニアアキカ発行費用と手間と資源、チャージ額が塩漬けされるといった問題がある。あるいは、現金や回数券など支払う行為や金額が実体として見えることにどうしてもこだわる人、プリペイドであっても「カード」にどうしても抵抗感を持つ人が少なくない世代だとも思われるので、反発や混乱があるかもしれない。※もちろん、この世代でも電子マネーを買い物に使いこなしている人たちも当然います。
なお、秋田市・中央交通がモタモタしている間に、山形県のカードが「cherica」になることが発表。
さらに、青森県の十和田観光電鉄(名称未発表)と、高速バスのみだが秋北バス(「Shuhoku Orange Pass」)でも、地域連携カードを2022年春に導入することが発表された。岩手県交通と3社で構成する国際東北グループ(旧・国際興業グループ)で、基本システムを共通化するらしい。名前も似ていて、また「~パス」。秋北バスにオレンジのイメージはないようにも思う。十和田観光電鉄は「Toutetsu Blue Pass」にでもなるのか??
【2022年5月1日追記】十和田観光電鉄は2022年4月29日から運用を開始し、名前は(開始と同時発表?)「Towada SkyBlue Pass」(十和田スカイブルーパス)となった。
ほかに、岩手県交通のIwate Green Passが、12月1日からは同社の高速バス、盛岡~仙台・アーバン号、盛岡~弘前・ヨーデル号でも使用できるようになる。共同運行の他社便では当面非対応、ポイント付与あり、往復割引等なし。
山形県は県内大手2社で統一感のあるカードになりそう(ポイントは別々らしい)でいいけれど、その他各県では、来年春には同一県内にカードが乱立する事態になってしまう。もうちょっと整然とできなかったか。
それに弘南バスとしては、エリアである青森市で導入、ヨーデル号の共同運行相手が導入と、外堀が埋められているのでは。
※AkiCAに関する続きはこちら。
パッと見て交通に関わりがありそうだ、と思わせるのは、Suicaのデザインが浸透したおかげでしょうか。
ペンギンに代わるものとして変なキャラクターが生まれないといいのですが…。秋田のゆるキャラは基本的にとてもダサいと思っています。
バス減便は長引くコロナ禍では仕方のないことですね。
中心市街地では、高層マンションの建設(22階建てもあるとか)が数棟あるので中心部の人口が増えて、せめて中心部だけでも本数が増えればいいなと思いますね。
無難とも言えますが、妥当なところでしょう。色も秋田市の若草色、中央交通の車体色、JR東日本の色を連想させ、一体感があると感じました。
よそでは商標登録していない所も多いようなのに、律儀に出願しているのも、意外に堅実です。
今申請されていなければ、キャラクターはいなそうです。方言ネーミングもゆるキャラも、少し古くなったということでしょうかね。
>Unknownさん
まあそんなところで。
>雪こまちさん
方言といっても広域で通用するものも多く、名前でどこのカードなのか推測はできないですね。
コロナに限らず乗客が減ってしまった以上、バス会社に本数を維持しろというのも無理な話。減便がさらに利用減を招く悪循環にもなるわけですが…
ぐるるのルートをもう少し広く見直すとか、中央地域以外でも循環バスを設定するとか、利用増加につながるアイデアはあると思います。
今は体力作りで駅まで歩けますが降雪や高齢化を考えると
車が運転出来ないともうこの街には住めません。
全てを捨てて亡命覚悟で首都圏方面に移住を考えてますが
コロナ過で動きが取れず八方ふさがりです。
上州弁はだんべぇ言葉で東北から意外に東海方面の言葉も入ってますから江戸時代、街道の人の流れで発展してきたことが分かります。
商標ウォッチですが探している途中「えっ!?」と思ったのが川崎フロンターレでオゾン発生器等関係でした。
惜しい!
方言ではないのです。でも近い。
>あんなかさん
現状の利用状況ではやむを得ない感じもします。でも、冬の通勤通学時間帯はどうなるのか、不安もあります。
秋田市街地なら、これまでは車がなくてもなんとか暮らせたと思いますが、この先はどうなるでしょう。移住者呼び込みが盛んですが、マイナス要素になってしまうでしょう。
単語単位の方言って、意外に広域で通用するものが多いようですね。街道や北前船などの影響もあるのでしょう。
商標は多角経営でというのもあれば、ライバルやトラブル対策で、類似したものも含めて取得してしまうこともされるとか。
TOICAですね。
ただ、AkiCAでも新幹線に乗車できるのはメリットがあるかもしれません。
記名式にすれば、JREポイントも付くでしょうし。