リゾートしらかみで東能代へ着いて、五能線にちょっとだけ乗車。岩館で折り返す列車に往復とも乗る行程。
五能線の普通列車は、今春、キハ40系(厳密にはキハ40形とキハ48形)気動車からGV-E400系電気式気動車(※ハイブリッドや蓄電池電車ではありません)に置き換わった。※昨年の試運転風景。
GV-E400系は先に投入されている新潟で乗車したし、1日2往復ある東能代~秋田間の奥羽本線での営業運行にも実は何度か乗っている。
東能代3番線。留置されたキハ40系は青が五能線用、緑が男鹿線用
岩館行きは1両(単行)のワンマン運転。GV-E400系では、1両単位で運用する両運転台のGV-E400形にも編成番号を付与しており、この「GV-E400-11」は「T111」編成だった。
行きは13時で、2時間ぶりの列車。東能代と次の市街地の能代から、計10人弱くらいの乗車。以降の各駅でぽつぽつ降りていく感じ。
帰りは(リゾしらを除いて)4時間ぶりの上り列車。能代以前はわずかで、能代からたくさん乗ってきた。
青森県内には行かないし乗り継げないため、旅行客よりも地元の人中心で、子どもから高齢者まで幅広い客層。
五能線でGV-E400系に乗った感想は、性能を発揮できているのだろう「五能線にしては速い」。エンジン音はわりとするので、知らない人は新しいだけの普通のディーゼルカーだと思ってしまいそう。
奥羽本線で乗ると、電車と比べると加速は劣る。上りでは、土崎駅を出て草生津川手前付近で95km/h、泉外旭川駅を出て泉踏切付近で70km/hに達する程度。
のんびりした車内で、今までチャンスがなかった、ボックス席に座ることができた。
4人掛けボックスシート
基本的には、最近のJR東日本の普通列車の標準かな。窓際の小さなテーブルはなし。
長らくキハ40系に乗せられた者としては、間隔がだいぶ広く感じる。壁際の暖房の出っ張りも、脚もないので、足元も広々。
座り心地に関しては、感想は分かれそうだけど、悪くはないと思う。キハ40系よりは柔らかいが、若干スカスカする(この点はロングシートも同)。
気になったのが、窓際では、窓枠の下辺(窓かまち)が485系電車のように飛び出して迫っていて腕や肩に触れてしまって、少々きゅうくつ。
窓は少し小さい印象もあるが、景色が見づらいとか車内が暗いとかは感じず。
窓は上下で分割されていて、上だけが車内側に倒れて開くという、鉄道車両にしては珍しいタイプ。棒状のものを90度回転させるストッパーが2つ付いている。
導入直後、秋田駅にて
↑導入直後には、秋田の車内整備の人たちが、やけに苦労して窓を開けていた。
天井と2人掛けボックス
4人掛けの反対側は2人掛け。キハ110系でおなじみの配置だが、上記の通り、体格によっては狭く感じそう。
天井中央部、防犯カメラやスピーカーがある部分には、一直線に色が塗られている。新潟では朱鷺色と思われるピンク色。五能線もピンクに見えるが、いわゆる肌色で細かい木目模様が入っていて、秋田杉がモチーフか。
2両1組の編成では分からないが、この編成では海側が2人掛け。
窓は着色されていて、機種にもよるがスマホのカメラでは、
青黒く写ってしまった
リゾートしらかみも色ガラスだけど、色合いは違うようだ。気安く窓を開けられ、閉めていてもそのまんまの色で景色を楽しめたのは、キハ40系で終わってしまった。
運転席周り。
後部側
キハ110系、701系など以前のJR東日本の車両では、運賃箱を仕切りに兼用し、壁がなくアクリル板があるような、簡素な構造だった。
E721系など最近の車両では、壁とドアで客席としっかり区切られるようになっていたが、GV-E400系もその流れ。
ワンマン運転時の後部でも、扉が閉められて写真右の助士側にも立ち入れないし、運賃箱は左の運転士側背後に格納されている。
従来は消灯していた、後部の運賃表示機は、駅名案内として機能するようになった(前側は運賃も表示)。他形式やバスで採用されているレシップ製だと思われるが、一般的な角ゴシック体ではないフォントに変わった。上の写真ではユニバーサルデザインっぽい角ゴシック体、運賃表示画面では丸ゴシック体?【10月23日訂正・運賃表示も同じUDっぽいフォント。ダイナフォント製か?】
写り込みがありますが運転席
ちなみに、
男鹿線用だったキハ40 575。ワンマン機器が後付けされたこともありゴチャゴチャ
キハ40系とは隔世の感だが、今の車両としてはごく普通の機器か。
GV-E400系拡大
加減速とも左手のレバーで行うワンハンドル。
右手側には、従来タイプのブレーキレバーかと見まがう、棒状のもの。これ自体は、ただの握り棒のようだ。右手が手持ち無沙汰というか収まりが悪いから?
そのバーの左面に、緑色のボタンが付いている。順手で握った時に親指で右側へ押す形。
これは「勾配起動ボタン」だそう。加減速レバーが一体化したので、いわゆる坂道発進ができなくなったための坂道発進補助装置。押すことでブレーキが保持され、その間に左手で加速する。
握り棒の右には、緑色の小さな四角い押しボタンに「EB」と書いてある(その前方のパネルにも緑のEBランプがあるが、押せるかは不明)。
「EB(Emergency Brake)装置」=緊急列車停止装置のリセットボタン。
運転士の体調変化等で運転できなくなった時に、自動で列車を止める装置。加減速や警笛が1分間操作されないと「プー(ペー?)」とブザーが鳴る。リセットボタンを押せば解除され、押されないと非常ブレーキがかかる。※ブザーが鳴ること自体は異常ではなく、平坦な線路を安定走行している時など耳にできる。
キハ40系(ワンマン改造時の後付け?)や701系など、JRの多くの車両では、胸~おへその位置に「タオル掛け」のような細い棒があって、それを押しこんでリセットしていた。
GV-E400系では、普通のボタンに変わっていたのが意外だった。と思ったら、E721系やリゾしらのHB-E300系でも、すでに同じようなボタンになっていた。タオル掛けだと、体が倒れただけで反応してしまいそうだから、より確実に確認するためか?
おへその位置にある赤い丸いボタンは「停止」。上に「システム停止」と表示がある。
キハ110系のような従来型の気動車にはないボタンで、電車では同じ位置に「下」と書かれた、パンタグラフを降ろすボタンがあったはず。
パンタ下げボタンがこの位置にあるのは、事故などでどうしようもなくなった時に直ちに押して、パンタグラフを下げて通電を止めて、被害を避ける(軽減する)ためのものだと思う。電化製品がおかしくなってコンセントを引っこ抜くような。
GV-E400系も、“電気式”気動車であるだけに、同じ趣旨の緊急ボタンがあるか。
世代交代
地域の足として、多くはないが着実に利用されている五能線も、やっと現代的な車両になったと感じることができた。
※GV-E400系の運転台の続きはこの記事後半。
五能線の普通列車は、今春、キハ40系(厳密にはキハ40形とキハ48形)気動車からGV-E400系電気式気動車(※ハイブリッドや蓄電池電車ではありません)に置き換わった。※昨年の試運転風景。
GV-E400系は先に投入されている新潟で乗車したし、1日2往復ある東能代~秋田間の奥羽本線での営業運行にも実は何度か乗っている。
東能代3番線。留置されたキハ40系は青が五能線用、緑が男鹿線用
岩館行きは1両(単行)のワンマン運転。GV-E400系では、1両単位で運用する両運転台のGV-E400形にも編成番号を付与しており、この「GV-E400-11」は「T111」編成だった。
行きは13時で、2時間ぶりの列車。東能代と次の市街地の能代から、計10人弱くらいの乗車。以降の各駅でぽつぽつ降りていく感じ。
帰りは(リゾしらを除いて)4時間ぶりの上り列車。能代以前はわずかで、能代からたくさん乗ってきた。
青森県内には行かないし乗り継げないため、旅行客よりも地元の人中心で、子どもから高齢者まで幅広い客層。
五能線でGV-E400系に乗った感想は、性能を発揮できているのだろう「五能線にしては速い」。エンジン音はわりとするので、知らない人は新しいだけの普通のディーゼルカーだと思ってしまいそう。
奥羽本線で乗ると、電車と比べると加速は劣る。上りでは、土崎駅を出て草生津川手前付近で95km/h、泉外旭川駅を出て泉踏切付近で70km/hに達する程度。
のんびりした車内で、今までチャンスがなかった、ボックス席に座ることができた。
4人掛けボックスシート
基本的には、最近のJR東日本の普通列車の標準かな。窓際の小さなテーブルはなし。
長らくキハ40系に乗せられた者としては、間隔がだいぶ広く感じる。壁際の暖房の出っ張りも、脚もないので、足元も広々。
座り心地に関しては、感想は分かれそうだけど、悪くはないと思う。キハ40系よりは柔らかいが、若干スカスカする(この点はロングシートも同)。
気になったのが、窓際では、窓枠の下辺(窓かまち)が485系電車のように飛び出して迫っていて腕や肩に触れてしまって、少々きゅうくつ。
窓は少し小さい印象もあるが、景色が見づらいとか車内が暗いとかは感じず。
窓は上下で分割されていて、上だけが車内側に倒れて開くという、鉄道車両にしては珍しいタイプ。棒状のものを90度回転させるストッパーが2つ付いている。
導入直後、秋田駅にて
↑導入直後には、秋田の車内整備の人たちが、やけに苦労して窓を開けていた。
天井と2人掛けボックス
4人掛けの反対側は2人掛け。キハ110系でおなじみの配置だが、上記の通り、体格によっては狭く感じそう。
天井中央部、防犯カメラやスピーカーがある部分には、一直線に色が塗られている。新潟では朱鷺色と思われるピンク色。五能線もピンクに見えるが、いわゆる肌色で細かい木目模様が入っていて、秋田杉がモチーフか。
2両1組の編成では分からないが、この編成では海側が2人掛け。
窓は着色されていて、機種にもよるがスマホのカメラでは、
青黒く写ってしまった
リゾートしらかみも色ガラスだけど、色合いは違うようだ。気安く窓を開けられ、閉めていてもそのまんまの色で景色を楽しめたのは、キハ40系で終わってしまった。
運転席周り。
後部側
キハ110系、701系など以前のJR東日本の車両では、運賃箱を仕切りに兼用し、壁がなくアクリル板があるような、簡素な構造だった。
E721系など最近の車両では、壁とドアで客席としっかり区切られるようになっていたが、GV-E400系もその流れ。
ワンマン運転時の後部でも、扉が閉められて写真右の助士側にも立ち入れないし、運賃箱は左の運転士側背後に格納されている。
従来は消灯していた、後部の運賃表示機は、駅名案内として機能するようになった(前側は運賃も表示)。他形式やバスで採用されているレシップ製だと思われるが、一般的な角ゴシック体ではないフォントに変わった。上の写真ではユニバーサルデザインっぽい角ゴシック体、運賃表示画面では
写り込みがありますが運転席
ちなみに、
男鹿線用だったキハ40 575。ワンマン機器が後付けされたこともありゴチャゴチャ
キハ40系とは隔世の感だが、今の車両としてはごく普通の機器か。
GV-E400系拡大
加減速とも左手のレバーで行うワンハンドル。
右手側には、従来タイプのブレーキレバーかと見まがう、棒状のもの。これ自体は、ただの握り棒のようだ。右手が手持ち無沙汰というか収まりが悪いから?
そのバーの左面に、緑色のボタンが付いている。順手で握った時に親指で右側へ押す形。
これは「勾配起動ボタン」だそう。加減速レバーが一体化したので、いわゆる坂道発進ができなくなったための坂道発進補助装置。押すことでブレーキが保持され、その間に左手で加速する。
握り棒の右には、緑色の小さな四角い押しボタンに「EB」と書いてある(その前方のパネルにも緑のEBランプがあるが、押せるかは不明)。
「EB(Emergency Brake)装置」=緊急列車停止装置のリセットボタン。
運転士の体調変化等で運転できなくなった時に、自動で列車を止める装置。加減速や警笛が1分間操作されないと「プー(ペー?)」とブザーが鳴る。リセットボタンを押せば解除され、押されないと非常ブレーキがかかる。※ブザーが鳴ること自体は異常ではなく、平坦な線路を安定走行している時など耳にできる。
キハ40系(ワンマン改造時の後付け?)や701系など、JRの多くの車両では、胸~おへその位置に「タオル掛け」のような細い棒があって、それを押しこんでリセットしていた。
GV-E400系では、普通のボタンに変わっていたのが意外だった。と思ったら、E721系やリゾしらのHB-E300系でも、すでに同じようなボタンになっていた。タオル掛けだと、体が倒れただけで反応してしまいそうだから、より確実に確認するためか?
おへその位置にある赤い丸いボタンは「停止」。上に「システム停止」と表示がある。
キハ110系のような従来型の気動車にはないボタンで、電車では同じ位置に「下」と書かれた、パンタグラフを降ろすボタンがあったはず。
パンタ下げボタンがこの位置にあるのは、事故などでどうしようもなくなった時に直ちに押して、パンタグラフを下げて通電を止めて、被害を避ける(軽減する)ためのものだと思う。電化製品がおかしくなってコンセントを引っこ抜くような。
GV-E400系も、“電気式”気動車であるだけに、同じ趣旨の緊急ボタンがあるか。
世代交代
地域の足として、多くはないが着実に利用されている五能線も、やっと現代的な車両になったと感じることができた。
※GV-E400系の運転台の続きはこの記事後半。
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