火の用心横断幕の続き。前回触れたように、火災予防運動の周知方法は、秋田市内でも地域によって違う。
まずは、前回紹介した2か所の近くで、それぞれ同じ内容の横断幕が掲出されていたもの。刈穂橋東交差点と同じものが、
築山(ちくざん)小学校グラウンドのフェンスにも
五丁目橋と同じものは、山王十字路下りバス停前の壁や、寺町のお寺駐車場のフェンスにあった。旭北(きょくほく)コミセンのフェンスにもあったが、
色あせている
まったく見られない地域もあるが、あるところでは何枚もある。
2つを比べると、下に記された設置者名義が違う。それが地域差が生じる原因だろう。片方は「築山地区火災予防組合 秋田中央分団築山班」、もう一方は「旭北地区火災予防組合連合会」。
てっきり、地域ごとの消防団名義だと思っていたが、初めて聞く火災予防組合というのが出ている。なお、築山のほうの「秋田中央分団築山班」は消防団のことのようだ。
消防団も地域ごとに分かれているわけだが、秋田市での区分けは独特。単純な地域名や学区とは、エリアも名称も一致しないことが多い。(秋田市役所サイトページ番号「1010223」参照)
例えば、中通、南通、楢山の大部分は秋田中央分団(その中に築山班があるのだろう)、泉地区大部分は保戸野分団、山王地区は川尻分団、八橋や高陽などは寺内分団、大町、旭北、旭南はまとめて旭分団なる組織がある。
秋田市で単に「旭」という地域分けは、ここで初めて聞いた。しかし、上記のように火災予防組合では「旭北地区」が存在するらしい(旭分団旭北班が存在し、それと一致しているのかも)。
上の2地域の幕は、名義以外は同じかと思いきや、まだ相違点が。
築山
旭北
まず幕のサイズが違いそう。
そして書体が違う。築山は「火」は炎っぽいデザインで、「の用心」や名義は隷書体。フォントを当たってみたが、不明。
旭北は「火の用心」全体がデザインされたような、たぶん手書き文字、名義は楷書。
築山は「の用」の左右に1本ずつ、布に縦に切れこみが入っている。幕が風で膨らんで取れたりしないよう、風が通り抜ける工夫だろう。
旭北・五丁目橋のは裏面を見ると、
「秋田山王 工藤染工場」
製造者名らしい。山王にそんな工場あったっけと思ったら、今は濁川にある。
旭北は確認できたすべてが同じデザインだったが、築山では違うものも発見。
聖霊高校グラウンドのフェンス
風抜き穴があるのは築山仕様ということなのか、これにもあるが、書体が違って普通の楷書体。
パソコンで使うダイナコムウェア「DFP 超極太楷書体」にかなり似ているが、微妙に違うような。
隷書のも楷書のも、どちらもまだ新しそうだけど、発注時期が違うのだろう。
さらに他の地域でも。
楢山大元町地下道の横
色あせている。横方向が長いのか、左右に余白(余赤)が多い。
これは火災予防組合名はなさそうで、たわんで判読できないが「秋田東分団 楢山班」のようだ。
秋田中央分団でない側の楢山は、秋田東分団エリア。
なお、「城東分団」も存在し、秋田東中学校と城東中学校を連想してしまいそうだが、中学校の学区とエリアはまったく異なる(むしろ逆に近く、東中学区の手形は城東分団。【14日補足】東分団と東小学区はある程度重なる)。
ここも楷書体だが、手書きか書体かも不明。「心」の右上の点の位置が独特で、どこかで見た気もする。
最後は中通。
中通小学校は3方を道路に面しているが、そのすべてに1枚ずつ火の用心幕が出ていた。中通地区の他の場所では未確認。作業とか所有者の許可とかの都合もあるのでしょう。
グラウンド側
東北森林管理局との間の狭い道も、これと同じもの。
若干コンパクトなようで、風抜き穴あり。紐を通す部分が白くて目立つ。※旭北の五丁目橋のは、裏に紐通し部を縫いつけ、表面から見えないようになっていた。
名義は「秋田市消防団中央分団 中通班防災組合」。築山や旭北と似ているが、これでは消防団の下部組織として防災組合があるかのように受け取れる。そういうこと?
この文字も太い楷書体。これは見覚えがある。
モリサワ「楷書MCBK1」。写真植字機(写植)用として1970年代後半に作られた書体のようで、デジタル化され、今は購入すれば誰でもパソコンで使うことができる。
ひらがななど必ずしも形がいいとは言えない(「心」もアンバランスでは?)フォントだと思うが、肉太で目立つためか、(モリサワなのでプロユーザーも多く)紙媒体の広告やテレビのテロップ(TBSがよく使う)なんかで、今もよく見る。
そして、中通小の正門横・東側の火の用心は…
白地に赤文字!(同時期の交通安全運動ののぼり旗も立つ)
赤白が逆転している。文字は手書きか。風抜き穴は「の用」の間に1つ。
「平成6年度自治宝くじ助成備品 秋田市消防団秋田中央分団」。1994年度だから26年前。白いから汚れが目立ちそうだけど、大事に保管されているようだ。
宝くじから来たとは、珍しい横断幕なんだろうか。着色が少ないと、安いのかな?
ほかには、前回触れたような、大量生産のぺらぺらの合成繊維ののぼり旗(中通の交通安全運動のような)を設置する地域も多かった。
あとは、横断幕と同じような、厚みのある布製で、赤地白抜きで「火の用心」の小旗を出す地域を2つ見つけた。
築山地域では、一部の民家の軒先のようなところに、縦書きの旗。かき氷屋の「氷」みたいな掲出方法。土崎駅前の土崎神明社周辺では、消火栓に横書きの旗が出ていた。
運動期間中、秋田市消防本部・秋田消防署の庁舎前には、一切告知がなかった。市役所本庁舎にもなし。
火災予防運動は、各地域の消防団・火災予防組合任せということなんだろうか。
※2021年春の火の用心
まずは、前回紹介した2か所の近くで、それぞれ同じ内容の横断幕が掲出されていたもの。刈穂橋東交差点と同じものが、
築山(ちくざん)小学校グラウンドのフェンスにも
五丁目橋と同じものは、山王十字路下りバス停前の壁や、寺町のお寺駐車場のフェンスにあった。旭北(きょくほく)コミセンのフェンスにもあったが、
色あせている
まったく見られない地域もあるが、あるところでは何枚もある。
2つを比べると、下に記された設置者名義が違う。それが地域差が生じる原因だろう。片方は「築山地区火災予防組合 秋田中央分団築山班」、もう一方は「旭北地区火災予防組合連合会」。
てっきり、地域ごとの消防団名義だと思っていたが、初めて聞く火災予防組合というのが出ている。なお、築山のほうの「秋田中央分団築山班」は消防団のことのようだ。
消防団も地域ごとに分かれているわけだが、秋田市での区分けは独特。単純な地域名や学区とは、エリアも名称も一致しないことが多い。(秋田市役所サイトページ番号「1010223」参照)
例えば、中通、南通、楢山の大部分は秋田中央分団(その中に築山班があるのだろう)、泉地区大部分は保戸野分団、山王地区は川尻分団、八橋や高陽などは寺内分団、大町、旭北、旭南はまとめて旭分団なる組織がある。
秋田市で単に「旭」という地域分けは、ここで初めて聞いた。しかし、上記のように火災予防組合では「旭北地区」が存在するらしい(旭分団旭北班が存在し、それと一致しているのかも)。
上の2地域の幕は、名義以外は同じかと思いきや、まだ相違点が。
築山
旭北
まず幕のサイズが違いそう。
そして書体が違う。築山は「火」は炎っぽいデザインで、「の用心」や名義は隷書体。フォントを当たってみたが、不明。
旭北は「火の用心」全体がデザインされたような、たぶん手書き文字、名義は楷書。
築山は「の用」の左右に1本ずつ、布に縦に切れこみが入っている。幕が風で膨らんで取れたりしないよう、風が通り抜ける工夫だろう。
旭北・五丁目橋のは裏面を見ると、
「秋田山王 工藤染工場」
製造者名らしい。山王にそんな工場あったっけと思ったら、今は濁川にある。
旭北は確認できたすべてが同じデザインだったが、築山では違うものも発見。
聖霊高校グラウンドのフェンス
風抜き穴があるのは築山仕様ということなのか、これにもあるが、書体が違って普通の楷書体。
パソコンで使うダイナコムウェア「DFP 超極太楷書体」にかなり似ているが、微妙に違うような。
隷書のも楷書のも、どちらもまだ新しそうだけど、発注時期が違うのだろう。
さらに他の地域でも。
楢山大元町地下道の横
色あせている。横方向が長いのか、左右に余白(余赤)が多い。
これは火災予防組合名はなさそうで、たわんで判読できないが「秋田東分団 楢山班」のようだ。
秋田中央分団でない側の楢山は、秋田東分団エリア。
なお、「城東分団」も存在し、秋田東中学校と城東中学校を連想してしまいそうだが、中学校の学区とエリアはまったく異なる(むしろ逆に近く、東中学区の手形は城東分団。【14日補足】東分団と東小学区はある程度重なる)。
ここも楷書体だが、手書きか書体かも不明。「心」の右上の点の位置が独特で、どこかで見た気もする。
最後は中通。
中通小学校は3方を道路に面しているが、そのすべてに1枚ずつ火の用心幕が出ていた。中通地区の他の場所では未確認。作業とか所有者の許可とかの都合もあるのでしょう。
グラウンド側
東北森林管理局との間の狭い道も、これと同じもの。
若干コンパクトなようで、風抜き穴あり。紐を通す部分が白くて目立つ。※旭北の五丁目橋のは、裏に紐通し部を縫いつけ、表面から見えないようになっていた。
名義は「秋田市消防団中央分団 中通班防災組合」。築山や旭北と似ているが、これでは消防団の下部組織として防災組合があるかのように受け取れる。そういうこと?
この文字も太い楷書体。これは見覚えがある。
モリサワ「楷書MCBK1」。写真植字機(写植)用として1970年代後半に作られた書体のようで、デジタル化され、今は購入すれば誰でもパソコンで使うことができる。
ひらがななど必ずしも形がいいとは言えない(「心」もアンバランスでは?)フォントだと思うが、肉太で目立つためか、(モリサワなのでプロユーザーも多く)紙媒体の広告やテレビのテロップ(TBSがよく使う)なんかで、今もよく見る。
そして、中通小の正門横・東側の火の用心は…
白地に赤文字!(同時期の交通安全運動ののぼり旗も立つ)
赤白が逆転している。文字は手書きか。風抜き穴は「の用」の間に1つ。
「平成6年度自治宝くじ助成備品 秋田市消防団秋田中央分団」。1994年度だから26年前。白いから汚れが目立ちそうだけど、大事に保管されているようだ。
宝くじから来たとは、珍しい横断幕なんだろうか。着色が少ないと、安いのかな?
ほかには、前回触れたような、大量生産のぺらぺらの合成繊維ののぼり旗(中通の交通安全運動のような)を設置する地域も多かった。
あとは、横断幕と同じような、厚みのある布製で、赤地白抜きで「火の用心」の小旗を出す地域を2つ見つけた。
築山地域では、一部の民家の軒先のようなところに、縦書きの旗。かき氷屋の「氷」みたいな掲出方法。土崎駅前の土崎神明社周辺では、消火栓に横書きの旗が出ていた。
運動期間中、秋田市消防本部・秋田消防署の庁舎前には、一切告知がなかった。市役所本庁舎にもなし。
火災予防運動は、各地域の消防団・火災予防組合任せということなんだろうか。
※2021年春の火の用心
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