「翁飴(おきなあめ)」をご存知だろうか。
秋田県能代市、新潟県長岡市や上越市、山口県柳井市と、全国にちらほらと、ほぼ同じ形態のお菓子が存在する。長野の「みすず飴」も、翁飴から着想を得たとのこと。
水飴に寒天を加えて固めて、その水分を飛ばすような製法だそうで、ゼリー風ではあるが、ゼリーとはまた違う食感が独特。
※詳しくはWikipedia「粟飴(あわあめ)」などを参照。
どうして「翁」なのか。
新潟のは「能の翁が由来」とするサイト(詳細不明)もあったが、能代の翁飴本舗 桔梗屋では「高齢者にも食べ易く、長寿を願う意味からも「翁飴」と命名された」としている。
僕は子どもの頃から翁飴を知っていたが、能代の翁飴を知ったのは21世紀に入ってから。
子どもの頃の翁飴は、秋田市内の小さなお菓子屋さんが作っていたものだった。
うちのばあさんの好物で、時々買って、仏壇に供えつつ食べ、そのおこぼれをもらっていた。でも、ねちゃっとした食感(「さなづら」に似ていたかも)がどうも苦手だった。
大人になってから能代の翁飴を食べて、似ているけれど、味や食感はだいぶ違い、翁飴のイメージが変わった。
さて、最近、秋田市内のまた別の菓子店で、翁飴を作っているのを知った。
商品名は「おきな飴」。右下の長方形は店のロゴ
作っているのは、大工町(広義には通町に含む)の「川口屋」。最近は、いぶりがっこの洋風饅頭とか、バター餅がJR東日本のお土産コンテストに入賞するなど、いろいろやっている。
このおきな飴も、いろんな点で斬新。
まず、透明なビニール袋に入っていて、表面は商品名のみ記され、中身が一目瞭然。
翁飴を知らずに「飴」と言われると、キャンディを連想する人も多いだろうから、このほうがいいかもしれない。
そして、翁飴にしては「薄い」。
能代のも、ばあさんが買っていたのも、県外のも、いずれも、サイコロ状もしくは厚さ1センチ弱程度の板状。【4日補足・ばあさんが買っていたのと、長岡のものは、紅白に着色されていた。それ以外はいわゆる飴色を薄くしたような色合いが多い。】
川口屋のおきな飴は、さなづらを連想させるような、厚さ5ミリに満たないカードタイプ。この点も目新しい。
食べてみると、上品な甘さと口当たり。薄さも功を奏しているのか、なめらかにすっと溶ける感じ。原材料が同一ではないことからも、能代のとは違うかと思うが、悪くない。
原材料名は、砂糖、水飴、寒天、澱粉等。100g当たり317kcal。
目新しいというか、少々驚いたのが、商品名の表示方法。
袋自体、もしくは袋の中にシートを入れて、そこに印刷しているのかと思ったが、だいぶ不鮮明な印字。開けてみると、
※暑い中、保管方法が良くなくて、表面が若干溶けています。
おきな飴の表面に直接印刷している!
食品用インクジェットプリンターを使っているのだろう。商品名と製造元をそのまま食べるというのが斬新で、一瞬戸惑った(焼印とかチョコの型でも同じことだけど)。一生懸命、はがそうとする人がいるかも。
なお、「おきな飴」のフォントはリコー「HG教科書体」か。HG創英角ポップ体じゃなくて良かった。
裏側
インクジェット印刷のお菓子といえば、以前、かおる堂のものを取り上げた。同社では、もろこしやサブレという、表面が白くないお菓子に印刷していた。そのため、白色を地色で表現するインクジェットプリンターの性能上、色合いが不自然だった。総理大臣サブレも、顔色が悪かった。
一方、このおきな飴は、かなり白に近いから、写真や絵を印刷しても、不自然さは少ないと思う。形状も四角くて平らだから、印刷にふさわしい。
例えば、国鉄特急のトレインマークを描いてもリアルだろう。裏から光を当てられるし。名刺にもなりそうだけど、食べたら忘れられちゃうか。
秋田県能代市、新潟県長岡市や上越市、山口県柳井市と、全国にちらほらと、ほぼ同じ形態のお菓子が存在する。長野の「みすず飴」も、翁飴から着想を得たとのこと。
水飴に寒天を加えて固めて、その水分を飛ばすような製法だそうで、ゼリー風ではあるが、ゼリーとはまた違う食感が独特。
※詳しくはWikipedia「粟飴(あわあめ)」などを参照。
どうして「翁」なのか。
新潟のは「能の翁が由来」とするサイト(詳細不明)もあったが、能代の翁飴本舗 桔梗屋では「高齢者にも食べ易く、長寿を願う意味からも「翁飴」と命名された」としている。
僕は子どもの頃から翁飴を知っていたが、能代の翁飴を知ったのは21世紀に入ってから。
子どもの頃の翁飴は、秋田市内の小さなお菓子屋さんが作っていたものだった。
うちのばあさんの好物で、時々買って、仏壇に供えつつ食べ、そのおこぼれをもらっていた。でも、ねちゃっとした食感(「さなづら」に似ていたかも)がどうも苦手だった。
大人になってから能代の翁飴を食べて、似ているけれど、味や食感はだいぶ違い、翁飴のイメージが変わった。
さて、最近、秋田市内のまた別の菓子店で、翁飴を作っているのを知った。
商品名は「おきな飴」。右下の長方形は店のロゴ
作っているのは、大工町(広義には通町に含む)の「川口屋」。最近は、いぶりがっこの洋風饅頭とか、バター餅がJR東日本のお土産コンテストに入賞するなど、いろいろやっている。
このおきな飴も、いろんな点で斬新。
まず、透明なビニール袋に入っていて、表面は商品名のみ記され、中身が一目瞭然。
翁飴を知らずに「飴」と言われると、キャンディを連想する人も多いだろうから、このほうがいいかもしれない。
そして、翁飴にしては「薄い」。
能代のも、ばあさんが買っていたのも、県外のも、いずれも、サイコロ状もしくは厚さ1センチ弱程度の板状。【4日補足・ばあさんが買っていたのと、長岡のものは、紅白に着色されていた。それ以外はいわゆる飴色を薄くしたような色合いが多い。】
川口屋のおきな飴は、さなづらを連想させるような、厚さ5ミリに満たないカードタイプ。この点も目新しい。
食べてみると、上品な甘さと口当たり。薄さも功を奏しているのか、なめらかにすっと溶ける感じ。原材料が同一ではないことからも、能代のとは違うかと思うが、悪くない。
原材料名は、砂糖、水飴、寒天、澱粉等。100g当たり317kcal。
目新しいというか、少々驚いたのが、商品名の表示方法。
袋自体、もしくは袋の中にシートを入れて、そこに印刷しているのかと思ったが、だいぶ不鮮明な印字。開けてみると、
※暑い中、保管方法が良くなくて、表面が若干溶けています。
おきな飴の表面に直接印刷している!
食品用インクジェットプリンターを使っているのだろう。商品名と製造元をそのまま食べるというのが斬新で、一瞬戸惑った(焼印とかチョコの型でも同じことだけど)。一生懸命、はがそうとする人がいるかも。
なお、「おきな飴」のフォントはリコー「HG教科書体」か。HG創英角ポップ体じゃなくて良かった。
裏側
インクジェット印刷のお菓子といえば、以前、かおる堂のものを取り上げた。同社では、もろこしやサブレという、表面が白くないお菓子に印刷していた。そのため、白色を地色で表現するインクジェットプリンターの性能上、色合いが不自然だった。総理大臣サブレも、顔色が悪かった。
一方、このおきな飴は、かなり白に近いから、写真や絵を印刷しても、不自然さは少ないと思う。形状も四角くて平らだから、印刷にふさわしい。
例えば、国鉄特急のトレインマークを描いてもリアルだろう。裏から光を当てられるし。名刺にもなりそうだけど、食べたら忘れられちゃうか。
さなづらもそうですけどやっぱり秋田県民は寒天が好きなのかな。
言われてみれば、これらも寒天。甘さが強い点でも、秋田県民の嗜好に合うのかもしれませんね。