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ふぞろいの案内標識たち

2021-11-15 23:16:23 | 秋田の地理
「方面及び方向」の案内標識(108系)について、1986年以前の旧仕様と、ピクトグラムについて取り上げてきた。今回は、文字での案内。
まずは前回の記事で、港のピクトグラム紹介に使った、土崎の秋田市道のものを再掲。
(再掲)

旧仕様の卸町の秋田市道も。
(再掲)

表示された箇所の地理を知る人は、違和感がないでしょうか。一部の地名の順番に。土崎の右折側「能代 飯島」、卸町の右折側「湯沢(改行)大曲」。
反対に地理を知らない人がこれを見たら、それぞれの地名の位置関係をどう感じるか。能代、湯沢のほうが、それぞれの設置地点から近いように受け取るかもしれない。

実際の表示地点からの距離(近さ)は、飯島→能代、大曲→湯沢の順。これは、「遠い地名のほうが左/上」に表示するという決まりがあるとのこと。


次に、市外の自治体名(他の市町村)ではない、市内の地域名の表示について。前々回から触れているように、選択基準が謎だし、一貫性もない。
現実としては、カーナビや地図などもあり、案内標識だけを頼りに移動する人はとても少ないはずだが、そうする人がいたとすれば、この標識たちでは頼りにならない。例えば、県道233号・泉踏切方面から西へ進み、秋田市八橋地区を目指すとしたら…
(再掲)生鮮市場の交差点(前々回のC地点)
2つの交差点をまとめたイレギュラーな表示だが、八橋へは2ルートあることが分かる。

左折したとしたら、
(再掲)附属中角のY字路(前々回のA地点)
ここで右折、秋田市道「保戸野学園通り」に入る。

学園通り最初の十字路。保戸野みその通り~泉いちょう通りとの交差点には、案内標識がある。現行仕様でやや大型のものなのだが、その柱の、通常は「秋田市」など管理者名が表示された部分が変わっている。
「秋田市」の下に
標識の諸元というべきか、情報が記載されている。管理上便利そうだけど、どうしてここだけ?
それによれば「型式 F-2型」。Fというのは見たままの柱の形を意味するようだ。標識板は2400×2500、設置年月は平成17年3月=2005年。

表示内容は、
2400×2500の通り、正方形に近い不思議な比率
八橋が消えた! 標識のみを頼りにすれば、ここでゲームオーバー。
これまでなかった地名や道路ばかりが記載されている。大町、土崎、泉、県道56号(新国道)は、いずれも妥当。前々回の繰り返しだが、県道233号の標識になかったのがおかしい。
あと、やはり山王や県庁市役所はあってもいいと思う。土崎へは、ここを直進して新国道ではなく、右折して泉地区を市道で抜けて新国道へ出るように誘導している。
だけど、直進の「高陽」。これは意表を突かれた。

高陽は、秋田市の大字レベルの地名の中では、マイナーかつ狭いエリア。それでも、高陽幸町、高陽青柳町と言われれば認識できる秋田市民は多いはずだが、「高陽」だけ抜き書きされるとピンとこないかも。
ここの次、400メートル先の新国道に出る所が「高陽幸町」交差点で、越えれば高陽地区ではある。こんな近くになってから書かれても、今さらなのでは。

その高陽幸町交差点にも案内標識。
こちらは横長サイズ
ここにも「高陽」。ここでも土崎を案内し、左折方向にはやっと山王、そして茨島。いずれにしても八橋はなし。


生鮮市場の交差点に戻って、今度は直進したとする。次が前回の絵入り標識の交差点。
【12月14日画像追加。この標識は作り直されていたが、表示地名は以前と変わらず。】
写真がないが、大町、川尻/山王、土崎の記載なので、早くもゲームオーバー。

大町と書いてあるほうへ左折すると、泉いちょう通りで、上記の学園通りの交差点だが、こちら側には案内標識がなく、その先を直進し続けても、標識なしに竿燈大通りへ出てしまう。

川尻/山王へ直進すると、次が新国道へ出る「新川向」交差点。ここは標識あり。
小さめだけど文字が多い
ここは地名が充実している。「八橋」も復活!
直進は、川尻、山王、寺内、八橋の4つ。高陽幸町交差点では左折方向にあった山王が、ここでは直進。この点は後述。
左折は茨島に秋田駅も。県庁市役所はない。高陽は、この交差点の左前という位置関係で微妙なためか、なし。

という具合に、道路管理者の違い、設置時期の違いはあるにせよ、記載する地名が統一されていない。道案内をするのならば、突然、地名が消えるような一貫性のない標識では意味がない。
新川向交差点の向こう側は、市道「八橋大通り」。そちら側にも案内標識がある。
文字やや少なめ
右折もしくは直進にあってもいい「秋田駅」はなし。
向こう側では、ここから見て背後方向に案内されていた「山王」が右折側に。高陽幸町交差点と同じ方向。どちらも間違いではない。山王十字路とか山王地区東側へは右折だが、市役所など山王の中央~西なら背後方向とも言える。
そんなことを考えれば、「能代」など市外の自治体名、秋田市中央地区での「土崎」など同じ市内の遠方のエリア名は問題ないが、近いエリア名を表示する時は難しい場合がある。地名に対応するエリアが広範囲な場合は、ドライバーの認識する地点と一致しないこともあろう。
それを思えば、あまり近すぎる地名は表示せず、施設名などピンポイントなものにするべきかもしれない。ここらでは、山王、八橋よりも「県庁市役所」「八橋運動公園」などと。

もう1つ、上の標識の右折の順番が「茨島 山王」なのは、冒頭で示したルールにより、遠いほうから表示しているのだろう。では、直進の「保戸野 泉」は。
交差点向かい側が、もうそれらの境界。左(北)が泉南一丁目、右が保戸野千代田町。したがって、泉と保戸野の距離は同一。保戸野のほうが主要な地名との判断かもしれないが、市民の認識と一致するだろうか。ここは地理に合わせて「泉 保戸野」が適切かもしれないが、上記の通り、こんな近くを記載する必要があるのか。
旧国道の八橋一里塚付近では「通町」と、公式には現存しなくなった地名(現行では保戸野通町として存在)を表示してしまっているが、それとか、大町、手形、天徳寺などがいいのかも。やはりその先の標識との連携が必要ですが。

以前、通学路など生活道路において、住民以外の車の通行を禁ずる補助標識の言い回しが統一されていないことを取り上げた。案内標識でも似たようなことになっていて、統一される日は当分来ない予感がする。


ここまで紹介した、現行仕様の案内標識の文字は、写研「ナール」。秋田県や秋田市では、正式に規定されてナールなのか、国にならえのデファクトスタンダードでナールなのかは分からない。
その一方、非統一なのが標識板のサイズ。その場所にそのサイズ・形の必要があるのか。
さらにナールの文字サイズもまちまち(文字の太さ=ウエイトは同じと思われる)。前回の初期のものはデカかったが、近年のは板や余白を踏まえてももう少し大きいほうが見やすい気がするが…
1990年代中頃設置だろうか、秋田市立体育館の裏側、八橋パブリ付近の市道では、
文字が横長。ワープロ専用機の横倍角みたいな
↑右が「八橋」とされているが、直進も八橋(八橋大通り)だし、ここらがすでに(左手前を除いて)全部八橋だ。左側はすでに「寺内」だし。

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2 コメント

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市民向けの道 (FMEN)
2021-11-16 00:45:07
多分このあたりは市外の人はあまり利用しない道なのでこんな扱いなのかも。
56号なんて言われてもわからないですし。
ちなみに新国道では野村交差点の上り側の県庁が川尻線でなく、新国道側に誘導。
このあたりはよくよく考えたらミステリーな線形で、7 号や県庁に出るのはなんと右折が速いというものですが。

前に牛島橋から二ツ屋は旧28号と記しましたが、実は新国道が56号はまだ25年程度です。
7号から降格してからは、新屋土崎線という別な道。
ルートは新屋駅から川尻十字路まで船場町経由新屋西線をトレース。
川尻十字路から旭南交差点まで進み、旭南交差点を左折して土崎臨海まで行くもの。(茨島〜旭南は市道)
国道101号が天王まで伸びる時に、飯島〜船川の秋田男鹿線が廃止になり、天王〜飯島の道と新屋土崎線を足して指定しなおしたのが56号です。
のちに南バイパスが貫通して、旭南〜浜田までも56号になり、新屋西ルートは市道になりました。
つまり、25年ぐらい前まではあのあたりは別の標識がついていたことに。
(ヘキサ張替え対応などした旧標識が一枚もないため)
その時は何が表記されていたのか気になります。

もし101が秋田市内を避けるようなルートでなくそのまま土崎やさらに南まで下がってきたりした場合もどうだったのか。
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新国道 (taic02)
2021-11-16 23:58:39
幹線道路クラスである新国道の手前だから、いちおう設置したというところがあるかもしれません。秋田駅や国道7・13号程度は表示があっていいとも思います。
ルートが複数あり得る場合、どちらへ誘導するのかも、各道路管理者の裁量で、ケースバイケースなんでしょうかね。

川尻・旭南周辺の変遷も知らなかったです。
国道ならともかく、県道の指定の変更は、ネットがある今でさえ、変更時の発表は大々的ではなく、結局市道か県道かうろ覚えで済ませてしまっているんですよね。
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