昨年、現代のマイクロバスにボンネットを作った、レトロ風バス/クラシックバスが秋田にあることを取り上げた。その経歴は、
2009年に庄内交通が「庄内藩レトロバス」用に購入した車を、2018年頃に秋田中央交通の子会社・秋田中央トランスポートが譲受。
2018年から五城目町のコミュニティーバス「きゃどっこ号」で運用開始するも、利用低迷で翌年に運行終了。
2020年には、新型コロナウイルス感染症の密対策として、県立特別支援学校のスクールバスの増車に充てられていた。
2021年には、秋田市のワクチン集団接種会場へのシャトルバスのほか、秋田市内のスイミングスクールの送迎バス(おそらく本務車の代走)でも見かけた。たぶん10月頃に見たのが最後。
(再掲)
医学部会場のワクチンの3回目も始まるので、また現れて活躍するだろうと思っていたところ、16日の秋田放送(ABS)と秋田テレビ(AKT)のローカルニュース(AABは未確認【21日に放送。末尾の追記参照】、NHKは報道せず)に登場。さらに新たな役目を果たすことが伝えられた。
それは「キッチンバス」!
最近は軽トラなど改造して車内で調理できるようにして、イベント会場などに出向いて食べ物を売るキッチンカーが流行っているし、大型バスを改造したラーメン屋なんかもある(秋田にはいすゞLVキュービックのがあるかな)。
今回は、車内調理する点は同じだけど、提供方法などは違う。
ABSによれば、
「伝統的な街並みや絶景スポットなどで食事を楽しむ「アウトドアダイニング」が地方創生の取り組みの一つとして注目されています。」
トランスポートと、にかほ市の「ホテルエクセルキクスイは、観光庁の事業採択を受けて冬でも楽しめるアウトドアダイニングの準備を進めてきました。」
16日にホテルの前で、「冬も楽しめるアウトドアダイニングの実証実験が行われました。」
「来年度以降、キッチンバスとガーデンイグルー10基を活用し、全県各地に出向いて野外レストランを開く計画」
ホテルのコックが車内でフレンチのフルコースを調理し、庭に並べられたドイツ製の透明なドーム「ガーデンイグルー」の中で食べる。
ウィラーエクスプレスは「レストランバス」として、2階建てバスの1階で調理し、2階で食べるのをやっている。マイクロバスでは車内で食べるのは無理。
観光庁の事業というのは、アウトドアダイニング限定だったのだろうか、それとも地方創生目的なら何でもよかったのか、不明。
ABSサイトより
ABSサイトより
ガーデンイグルーの「イグルー」とは、イヌイットの圧雪ブロックを組み上げた、ドーム状のシェルターが由来だろう。ガーデンイグルーは、細いパイプを組んで薄いビニールで覆ったようなもので、1つ20万円ほどのようだが、冬の秋田県沿岸なんかで使ったら、飛ばされそう…
それに、ガーデンイグルーはどうやって持ち運ぶのだろう。折りたたんでもかさばりそうなのを最大10個、バス車内は台所だから地面に置くものを混載するのは適切ではなさそうだし。
ABSサイトより
客は乗せなくなったため、ナンバープレートが緑ナンバーから、白ナンバー6925に登録し直されている。
以前は何も表示されていなかった、ナンバープレート上の板(スクールバス時代に使用?)には、OCGだかCCGだか謎のアルファベット3文字のマーク。
ドア側の側面には折りたたみのひさしが付けられた。料理の上げ下げはここからか。
そして、車体の塗装は変わっていない。
すなわちきゃどっこ号、さらに庄内藩レトロバス時代と比べても、文字以外は不変。せっかくなら、塗装も変えたらと思ってしまうが、フランス料理が出てくるのなら、形状も塗装もミスマッチでもないか。
後部のトランク風オブジェは、テレビで映らなかったので不明。ドア横の日本バス協会会員章(NBAシール)はしぶとく残っている。
まさに激動の運命をたどるレトロバスだ。アウトドアダイニングがどうなるか次第だけど、これが最後の務めだろうか。
【17日追記】コメント欄でも話題になったように、ホテルエクセルキクスイはにかほ市で、中央交通グループの縄張りではない。キッチンバスは、おそらく秋田市のトランスポートの車庫に入れておくことになると思うから、運用効率は良くなさそう。実施場所によっては、キッチンバスと料理人(そして食材、あとガーデンイグルーも)を別々に移動して現地集合ということはできるかもしれないが。
食べる客を現地まで運ぶ必要もあるだろうし、なかなか手間になりそう。
【21日追記】週明け21日になってAABが報道。新たにわかったことは、
・2021年11月まで使われていた観光バスを改造しました。→「観光」バスだろうか…
・秋田中央トランスポートは2022年秋にはキッチンバスを活用したツアーの商品化を目指しています。→春~夏はどうするの?
【24日追記】24日付秋田魁新報 県央地域面で報道。ガーデンイグルーの名は出さず「ドーム型テント」としている。
・費用の一部に観光庁の補助金900万円を活用した。
・キッチンバスは、同社がかつて五城目町のコミュニティーバスとして走らせていたボンネットバス(21人乗り)を改造。→はしょってはいるが、おおむね正確。
・アウトドアダイニングは4月開始予定。→AABより半年早い。
2009年に庄内交通が「庄内藩レトロバス」用に購入した車を、2018年頃に秋田中央交通の子会社・秋田中央トランスポートが譲受。
2018年から五城目町のコミュニティーバス「きゃどっこ号」で運用開始するも、利用低迷で翌年に運行終了。
2020年には、新型コロナウイルス感染症の密対策として、県立特別支援学校のスクールバスの増車に充てられていた。
2021年には、秋田市のワクチン集団接種会場へのシャトルバスのほか、秋田市内のスイミングスクールの送迎バス(おそらく本務車の代走)でも見かけた。たぶん10月頃に見たのが最後。
(再掲)
医学部会場のワクチンの3回目も始まるので、また現れて活躍するだろうと思っていたところ、16日の秋田放送(ABS)と秋田テレビ(AKT)のローカルニュース(AABは
それは「キッチンバス」!
最近は軽トラなど改造して車内で調理できるようにして、イベント会場などに出向いて食べ物を売るキッチンカーが流行っているし、大型バスを改造したラーメン屋なんかもある(秋田にはいすゞLVキュービックのがあるかな)。
今回は、車内調理する点は同じだけど、提供方法などは違う。
ABSによれば、
「伝統的な街並みや絶景スポットなどで食事を楽しむ「アウトドアダイニング」が地方創生の取り組みの一つとして注目されています。」
トランスポートと、にかほ市の「ホテルエクセルキクスイは、観光庁の事業採択を受けて冬でも楽しめるアウトドアダイニングの準備を進めてきました。」
16日にホテルの前で、「冬も楽しめるアウトドアダイニングの実証実験が行われました。」
「来年度以降、キッチンバスとガーデンイグルー10基を活用し、全県各地に出向いて野外レストランを開く計画」
ホテルのコックが車内でフレンチのフルコースを調理し、庭に並べられたドイツ製の透明なドーム「ガーデンイグルー」の中で食べる。
ウィラーエクスプレスは「レストランバス」として、2階建てバスの1階で調理し、2階で食べるのをやっている。マイクロバスでは車内で食べるのは無理。
観光庁の事業というのは、アウトドアダイニング限定だったのだろうか、それとも地方創生目的なら何でもよかったのか、不明。
ABSサイトより
ABSサイトより
ガーデンイグルーの「イグルー」とは、イヌイットの圧雪ブロックを組み上げた、ドーム状のシェルターが由来だろう。ガーデンイグルーは、細いパイプを組んで薄いビニールで覆ったようなもので、1つ20万円ほどのようだが、冬の秋田県沿岸なんかで使ったら、飛ばされそう…
それに、ガーデンイグルーはどうやって持ち運ぶのだろう。折りたたんでもかさばりそうなのを最大10個、バス車内は台所だから地面に置くものを混載するのは適切ではなさそうだし。
ABSサイトより
客は乗せなくなったため、ナンバープレートが緑ナンバーから、白ナンバー6925に登録し直されている。
以前は何も表示されていなかった、ナンバープレート上の板(スクールバス時代に使用?)には、OCGだかCCGだか謎のアルファベット3文字のマーク。
ドア側の側面には折りたたみのひさしが付けられた。料理の上げ下げはここからか。
そして、車体の塗装は変わっていない。
すなわちきゃどっこ号、さらに庄内藩レトロバス時代と比べても、文字以外は不変。せっかくなら、塗装も変えたらと思ってしまうが、フランス料理が出てくるのなら、形状も塗装もミスマッチでもないか。
後部のトランク風オブジェは、テレビで映らなかったので不明。ドア横の日本バス協会会員章(NBAシール)はしぶとく残っている。
まさに激動の運命をたどるレトロバスだ。アウトドアダイニングがどうなるか次第だけど、これが最後の務めだろうか。
【17日追記】コメント欄でも話題になったように、ホテルエクセルキクスイはにかほ市で、中央交通グループの縄張りではない。キッチンバスは、おそらく秋田市のトランスポートの車庫に入れておくことになると思うから、運用効率は良くなさそう。実施場所によっては、キッチンバスと料理人(そして食材、あとガーデンイグルーも)を別々に移動して現地集合ということはできるかもしれないが。
食べる客を現地まで運ぶ必要もあるだろうし、なかなか手間になりそう。
【21日追記】週明け21日になってAABが報道。新たにわかったことは、
・2021年11月まで使われていた観光バスを改造しました。→「観光」バスだろうか…
・秋田中央トランスポートは2022年秋にはキッチンバスを活用したツアーの商品化を目指しています。→春~夏はどうするの?
【24日追記】24日付秋田魁新報 県央地域面で報道。ガーデンイグルーの名は出さず「ドーム型テント」としている。
・費用の一部に観光庁の補助金900万円を活用した。
・キッチンバスは、同社がかつて五城目町のコミュニティーバスとして走らせていたボンネットバス(21人乗り)を改造。→はしょってはいるが、おおむね正確。
・アウトドアダイニングは4月開始予定。→AABより半年早い。
トランスポート所有のままのようなので、車庫は引き続き秋田市内かもしれません。効率悪いですが。
改造前の車内は、ごく普通のマイクロバスのもので、大したものではなかったと思います。二ツ井のコミュニティーバスで、今も同系列の車に乗れるはずです。
東南アジアでも首都圏のバスや商用車の中古車が、やはり日本語を残して走っているとか。環境問題などで、これからは減っていく予感もします。
川崎市営バスは、これまでは東急バスとの重複区間だったのを変更して、南武線武蔵新城駅へ乗り入れるみたいですね。地域の要望に応えたということのようですが、公営事業者ならではの対応でしょうか。
>FMENさん
たしかに大前提として運用効率が悪いです。
中古のキッチンカーととらえれば、引き取り手はいるかもしれません。
>住民さん
トランスポートさんがどういうプランを打ち出すかに期待したいところです。
秋田の秋~冬では設置場所の除雪や風対策が必須でしょう。イグルーの中に暖房を入れるようですが、夏はどうするのか。いろいろ面倒そうでもあります。
羽後交通エリアとコロナであまり長続きせず、最終的には公民館になりそうな気がします…
にかほ市のホテルでは益々縁遠くなりそう。
それとも秋田市に出張してくるのかな。
こういう数奇な運命を辿るバスってありますよね。
昔コムソモリスク・ナ・アムーレで秋田市営バスを見掛けた話しを聞いたことがあります。
日本語がステータスなのか殆ど塗装が変わらなかったそうです。
バスネタでは川崎市営バスの溝の口~武蔵小杉間の溝05系統が3月27日始発から路線を変更して武蔵新城駅前(北口)経由に。
溝の口発の路線図を見ると大ヶ谷戸停留場から先を強引に北上させてます。ただ現ダイヤでは本数が1時間に1本なので利用率はどうなんでしょう。