広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

竿燈2018

2018-08-05 00:54:47 | 秋田の季節・風景
梅雨明け後は夏らしい天候が続いていた秋田市。7月29日は35.3度、30日は36.2度と久々に猛暑日【5日補足・2016年8月の竿燈の後の37.6度、36.1度以来のはず】。8月に入ってからは、そこまで厳しくはない、いつもの暑さ。

3日から始まった竿燈まつり。初日は快晴で絶好の日和。
4日は曇りがちで、午後から夕方にかけて数度ざっと雨が降ったものの、夜の開催中は、わずかにぽつぽつする程度で、蒸し暑くもなく、これはこれでいい天気。

竿燈をごくごく簡単に紹介。※昨2017年
今年は279本の竿燈が出竿。昨年よりわずかに減ったそうだけど、会場のキャパシティからして限界でしょう。
立ち上がった瞬間(持ち上げる前)
土曜日だからか、観客は比較的多く感じた。
例年なら、会場南側・中央のちょっと西(志田屋~山王十字路バス停辺り)では、やっているみなさんに申し訳ないくらい、観客がスカスカなスポットがあるものだが、4日はそこもそれなりに人がいた。
でも、場所によって人出に偏りが生じるのは恒例で、北側中央は混雑気味(おそらく秋田駅寄りも)。場内放送で山王十字路寄りが空いている旨を伝えていたが、その効果は低そう。
これも例年通りだけど、歩道を通路部分と観覧部分に分け、通路部分は右側通行・立ち止まり禁止としているのだが、それが徹底されていない。区切るコーンが部分的にしかなく、その置き方がおかしかったり、警察官・警備員の人によって徹底度合いが違ったりと、統一されていないのは問題。看板を設置するとか工夫すれば、よりスムーズに通行でき、より快適に見られ、より安全になると思うのだけど。
それに、昨年は、竿燈に接続して高くする、長さ1.2メートルの「継ぎ竹」7本をつないだものが折れ、観覧席の人がケガをする事故があった。それを受け、過度な継ぎ竹の禁止、監視やコーンやワイヤーの増設による観客の安全確保が強化されたそうだが、見た限りでは、これまでとあまり違いなさそうで、おもしろみが低下したというわけではないようだ。

見慣れぬ紋の提灯
左の竿燈の提灯は、青い目玉みたいなマーク。
鉄鋼メーカー「JFE」のロゴで、その代理店が出した竿燈のようだ。「馬口労町」の竿燈会といっしょのようなので、(その企業の人たちが参加しているのではない)スポンサー竿燈だろうか。
「馬口労町」は躍動感のある馬の紋
「西馬口労町」は羽がついたペガサス、「向馬口労町」は将棋の駒に「馬」の柄だったかな。

2人とも肩に載せる技が決まった!
上の竿燈は、提灯ひとつひとつにビニール袋がかけられている。
1個3000円だかする大切な提灯、雨が降りそうな天気だったからね。かけるのも外すのも大変そうだし、ロウソクの燃焼に影響がないのはおもしろい。

5日は昼が雨、夜はなんとか上がりそう。6日も雨。大雨ではなさそうで、夜は押し切って中止にはしなさそうだけど、今年は気がかりなお天気が続く。
【追記】5日は県内の一部では大雨。秋田市でも朝はかなり降って川の水位が上昇するも、昼までには収まった。
その影響で5日昼の妙技会は市立体育館に会場変更。5日昼の予報では、5日夜、6日の昼・夜は問題なさそうな雰囲気。
翌2019年の竿燈
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久保田町スクランブル化

2018-08-03 00:46:27 | 秋田のいろいろ
昨日に続き、秋田駅周辺の最近のちょっとした変化。
まず小ネタ2つ。
・2円引き廃止
イトーヨーカドー秋田店撤退後のフォンテAKITAの地階に入っている、食品スーパーマーケット「ザ・ガーデン自由が丘西武 秋田店」。
レジ袋を辞退すると、2円値引きしてくれていた。

8月1日からそれが廃止された。レジ袋が有料化されたわけではなく、従来どおりタダでもらえる。
2円がうれしいケチな客としては、ちょっと残念。

全国的には、県単位でレジ袋を有料にしている地域が多くなった。秋田のようにタダでもらえて、断ると値引きしてくれる店が多い土地も、今や少ないだろうから、時代の流れ。
そのような土地柄で、辞退してもメリットなし&袋はタダになったわけだから、袋の配布量が増えてしまって、時代に逆行する結果になりそう。


・くらた跡→アトリオン
2014年末に永年営業していた通町を離れて、2015年1月から仲小路・エリアなかいち近くの、菓子店「くらた秋田店」(2014年2月閉店。秋田市内に他店舗あり)跡で営業していた、スポーツ用品店「竹半(たけはん)スポーツ」。

それが、今年5月13日で閉店していた。
店内は空っぽになって「貸物件」になり、竹半の店舗の移転先は、差し当たっては未定とされていた。
3年ちょっとでまた空き店舗に。「くらた」の表示はそのまま
そして、8月1日、仲小路を秋田駅方向へ200メートルほど進んだ、「アトリオン」の地階に、竹半の新たな店舗がオープンした。
だいぶ斬新な場所に移転したと感じたし、わずか3年で移転したのは賃借料の問題だったのかなどと考えてしまった。


ここから本題。
秋田駅から西への一方通行の広小路。駅前の次の交差点が、手形陸橋方向の道と交わる「久保田町」(地名は千秋久保田町)。
かつては「H」形の横断歩道橋(広小路横断側が1本)が設置されていたのを、おぼろげに記憶している。
1969年に設置され、1988年に撤去されたそうだ。当初は全方向歩道橋に上がらないと横断できなかったが、商店街の要望などにより、1979年頃に一部方向は地上でも横断できるようになったらしい。
ちなみに、広小路の市電運行は1965年(書類上の廃止は翌年)まで、一方通行化は1974年。

歩道橋撤去後は、一般的な十字路交差点になり、4本の横断歩道と歩行者用信号機が設置された。さらに2000年代には歩車分離式化された。

以前取り上げたように、歩車分離式信号は、横断歩行者の事故を防止するため、警察庁が主導して全国的に導入が進められた。久保田町もその一環だったのだろう。
歩車分離式信号とは、車両用信号機の青と歩行者用信号機の青のタイミングを分けた交差点。スクランブル信号(交差点)というのもあるが、微妙に違う。
スクランブルは斜め横断ができるもの。歩車分離には広義ではスクランブルも含まれるが、斜め横断できない歩車分離もある。全方向の歩行者用が同時に青にはならない(矢印信号等により一部方向には車両が進むことができる)タイプや、柵や縁石など道路構造物があって物理的に斜め横断できないものなど。
秋田県の場合、スクランブルでない歩車分離交差点であっても、実質的には斜め横断できてしまうところも少なくないけれど、上記のような状況で危険な場合もあるので、おすすめはできない。


歩車分離化された久保田町の青信号の順番は、[広小路(西行き)の車両]→[南北の車両(南進側の青が長い時差式)+広小路東側の歩行者用]→[全方向歩行者用]のサイクル。
広小路が一方通行であるため、南北方向から右左折して駅方向へ東進する車はないので、そこを有効活用するべく、広小路東側を横断する歩行者用信号だけは、1段階早く青信号になって、青の時間が長いという、やや変則的なもの。【4日補足】音響式信号付きだが、東側だけが先行して青になっている間は、鳴らなかったはず。

それにしても、歩行者用の青信号の時間が短かった。斜め横断せずに2方向を渡るには、青信号に変わった瞬間から、わりと早足で渡らないと、1度の青では渡り切れなかった。建前上はできない斜め横断する人も多かった。
10年ほど前だと思うが、斜め横断できるようにできないものかと、「知事への手紙」に要望したことがあった。歩道と車道の間に道路構造物があるため斜め横断させることはできないという、回答だった。
向かいの北西角以外は、縁石や柱類がある
時が経って2010年代後半。
高齢者などが歩きやすいようにと、秋田県警では一部の歩行者用信号の青の時間を長くする動きが出てきた。
さらに、斜め横断できない歩車分離式交差点のスクランブル化も行われた。今年は6市11か所で実施されるそうで、大館市や鹿角市には、初のスクランブル交差点が誕生したそうだ。

そして、秋田市の久保田町交差点。少し以前には、
向かい側の縁石の一部が撤去され、コーンが置かれている
交差点角の縁石が削られた後、おそらく今週から、
スクランブル化された
広小路東側が先に青になるのは廃止され、全方向が同時に(=一斉かつ同じ時間)青になる。その他のサイクルは従来と同じ(青の時間の長さは未確認)。

斜め横断用の歩行者信号機の増設はせず、既存の信号機の角度をちょっと内向きに変更して対応。車両用の表示板は「歩車分離式」のまま。
【直後に再度変更された。記事末尾の追記参照】
秋田市内では、ここ数年で新たにスクランブル化された交差点がいくつかあるが、それらと同様の対応。

中央の白線がゴチャゴチャ
以前からあった「右折の方法」を示した道路標示(白線)が、新たに引かれた横断歩道と重なってしまったけれど、ずっとこのままなんだろうか。

秋田市では、今回のスクランブル化はここだけかもしれない。【3日訂正・コメント欄の通り、秋田駅東口の歩車分離式もスクランブル化された。さらにその他にも数か所】
それにしても、歩行者が橋の上へ追いやられ、その後地上へ戻ったけれど、事故防止という名目で結果的に青の時間が短くされ、縁石を削ってまで斜め横断はさせられないと言われたのに、それが実現してと、歩行者は50年間で翻弄させられたものだ。


ところで、中央通りの西端、北都銀行本店前の横断歩道橋は、今年度後半辺りに撤去されるようだ(二丁目橋の土手長町歩道橋ではなく、その南側の歩道橋)。
茨島のハローワーク前バス停付近の歩道橋も、撤去の検討がされるらしく、先行して近くの交差点の自転車横断帯が歩行者も渡れるようになる。
歩行者が横断しやすくなるのはいいけれど、車との事故が起こらないような対策・配慮もお願いしたい。

【追記】この後、8月24日頃には、久保田町交差点に斜め横断用信号機が増設された上、以前のように一方通行出口側である東側の横断歩道が1段階先に青になる運用に再び変更された。信号機のサイクルとしては以前と同じに戻ったことになり、そこを変えたからといって致命的な問題はないものの、交通安全に関わるものを短期間でちょこちょこ変えられるのは、混乱を招く。工程を調整するなどして、もっと上手にスクランブル化できなかったのだろうか。苦言を呈しておく。詳細は別記事にて

翌2019年にも、交差点がスクランブル化された
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秋田駅ロッカー値上げ/壁画完成

2018-08-02 00:20:51 | 秋田のいろいろ
8月。電気料金などが値上げされるそうだけど、秋田駅では、
「コインロッカー料金改定のお知らせ」
コインロッカー(Suicaロッカーも含めて)の利用料金が値上げされた。

秋田駅には、自由通路に面したロッカー室以外にも、階段下の交番前やアルス改札口側のトピコの階段踊り場にもコインロッカーがあるが、いずれも一律値上げされる。
告知の内容が違うので、設置管理者は複数あるようだけど、いずれもJR東日本系列なのだろう。
「7月吉日」付だけど、利用者としては吉じゃないよ…

各サイズとも100円値上げされ、数が多い小型ロッカーは300円から400円に。
8月1日の改定作業前に預け入れた荷物を、作業後に取り出す際には、差額を請求されるそうだ。

僕が旅先でコインロッカーを使うようになって10年以上。記憶の限りでは、地方都市の駅では、ずっと300円が相場だった。
2016年の長野駅と松本駅では400円で、高いなと思った。その値上げが、秋田にも波及した。
ちなみに、先週末、宮城県の鳴子温泉駅のコインロッカーは300円だった。

個人的には、重い荷物を持ち歩くか、300円払って数時間の間、楽するかでさえ、悩むところ。ロッカーを使う時はそれなりの覚悟が必要だった。覚悟を決めても、100円玉3枚の持ち合わせがない時もあった(Suica決済対応も増えてはいるけれど)。
それが100円値上がりしては、もっと覚悟が要るし、当然100円玉も多く要る。

土地によっては、駅周辺にJR系以外のコインロッカー(バスターミナルや商業施設)もあって、安い料金設定になっている場合もあるけれど、秋田駅にはないはず。(フォンテには、イトーヨーカドー時代からのロッカーがあるけれど、あれは預けて館外へ出てはいけなさそう。たぶん【3日訂正・持ち出しできるとのこと】)
2010年の仙台駅では、1日300円と同じサイズの箱で、6時間200円というのもあって、割安感があって良かった。秋田駅クラスの地方駅では、仙台ほどロッカーの数や需要が少ないのかもしれないけれど、そういうのがあってもいいのではないかな。

【2日追記】ネットで大都市のJR駅の、小さいロッカーの値段をざっと調べた。東京駅は400円、名古屋駅も400円、大阪駅は300円。そして札幌駅はなんと500円らしい! ただし、例によってJR北海道管轄外(地下街や市営地下鉄駅?)では、300円のものがあるとのこと。
コインロッカーの維持経費がどのくらいなのか知らないけれど、駅構内という場所柄、競争原理は働かないし、身軽になりたい旅行客の“足元を見た”価格設定ということなんだろうかね…
【2日さらに追記】ほかにも、この夏に300円から400円に値上げされた駅が、JR東日本エリアの地方部に複数あった。
7月10日から新潟駅、7月15日から鶴岡駅、8月1日から浪岡駅(青森県、奥羽本線。失礼ながら浪岡にコインロッカーがあることに驚いた)。
他の駅は不明だが、鶴岡駅では、より大きいサイズのロッカーは、すでに500円と600円になっていて、今回は据え置き。



先月途中の状態を紹介した、秋田ビューホテルと西武秋田店が入る、秋田中央ビルディング壁面に描かれた絵。

その後、中途半端に絵の一部が欠けた状態で、工事がストップしていた。欠けた部分に広告を入れるとか、何かひと工夫あるのかと思っていたら…
普通に絵が完成

さらに、向かって左・南側の大屋根寄りには、
少し幅が狭い別の絵


南側は、竿燈の遠景と女性のお囃子を描く。※実際の竿燈の囃子方は、男女ともいる。
左側に後ろ姿で笛を吹く女性が大きく描かれるが、最初見た時、盆踊りかなにかを踊っている絵と勘違いした。竿燈のお囃子とは違う印象を受けたから。笛が長すぎるし、衣装は実際は差し手と同じ半纏なのに、浴衣のようながほっとした素材に見えてしまうのが原因。

7月28日付の新聞で報道された。秋田魁新報 秋田市地域面によれば、
・駅前の活性化につなげようと、同ビルディングが企画した
・作業は9日にスタートし、25日に完成
朝日新聞秋田版によれば、
・縦11メートル、横72メートル→魁でもほぼ同じ書き方だけど、横は2枚合わせてってことでしょう。
・市内在住の女性イラストレーターが描いた水墨画の原画を拡大し、幅1メートル、高さ3メートルのカッティングシート150枚に分割して貼った。
・竿燈まつりが終わっても、そのまま飾られる。

秋田駅から歩いてきた視点では、
広小路側

ぽぽろーどの上から。大屋根下には、まつり期間中に設置される置き竿燈
いよいよ竿燈まつりも始まる。

【3日追記】秋田市内全世帯に配布される「あきた市議会だより」8月3日付No.171を見て驚いた。
6月定例市議会で可決された予算案の1つに「商店街振興事業」があり、「地域の特色を生かした魅力ある商店街づくりを支援します。」として、「西武秋田店東側(アゴラ広場側)壁面への竿燈まつり装飾 233万1千円」が掲載されていた。
秋田市から株式会社秋田中央ビルディング(バス会社とは無関係の企業です)へ補助金が出ていたのだ。

魁と朝日の新聞記事にはそんなことはひとこともなく、(新聞を読む前から)中央ビルディングが、街のために自腹でやったのだとばかり思っていた。
補助金で全額をまかなったのか、一部は身銭を切ったのかは分からないが、少額とは言えない200万円ももらって描いた絵だと思うと、見る目も変わってしまう。そうまでして絵をかく意味があるのか少々疑問だし、報道する側も意図的に書かなかったのではないかと勘ぐってしまいたくもなる。
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3支社のワンマン説明を比較

2018-08-01 00:38:33 | 旅行記
青春18きっぷで秋田から宮城まで。今回は、行きは北上線、帰りは田沢湖線で奥羽本線と東北本線をつないだ。接続が良い行程だったので、同じルートをたどるお仲間もけっこういらしたものの、地元の乗客を合わせても車内が混雑することはほとんどなく、快適だった。

さて、地方の鉄道ではおなじみのワンマン運転。その車内に掲出される利用方法の説明に注目。
以前、JR東日本秋田支社のものを紹介した。
(再掲)秋田支社「ワンマンカー 乗り方&降り方」色あせ版
秋田支社では、701系導入時に実写(写真)版が作られ、後にそれをイラスト化したものに差し替えられた。最近は、色あせたものが同じ内容の新しいものに替えられたり、男鹿線の新車にはややサイズが小さい同じ内容のものが出ているので、秋田支社では今も現役ということになろう。
同じ記事では、かつて仙台支社で使われていた編成の掲示も取り上げた。仙台時代の掲示が秋田転属後も残っていて、1990年代チックな女子高校生が登場する漫画もある「駅員のいない駅での ワンマンカー 乗り降りのごあんない」であった。

では、今回の旅行で見た、現在の仙台支社と盛岡支社の説明書きを見て、秋田支社と合わせて東北地方3支社を比較してみよう。
両支社とも、秋田と同様にドアの上に、それぞれオリジナルの説明を掲出していた。
なお、秋田を含めて3支社とも乗降の方法は同じ(※)だから、説明の内容としては同一。それを各支社がどう表現しているかを比べようということになる。
※無人駅(有人駅で駅員がいない時間帯も含む)では、前寄り車両後ろドアから乗車、車内精算して前ドアから降車。有人駅ではすべてのドアが開いて、改札口で精算。
それから、関係ないけれど、仙台も盛岡も、車内に路線図が掲出されていないのは、ちょっと不親切。秋田支社では、天井までかかる巨大な路線図を日本語と英語で掲示しているのに。
仙台の701系。これは後期製造の1500番台
秋田地区では、正面の行き先表示がLED化されても、「ワンマン」の表示は、折りたたみ式の表示灯(昔のバスにあったのと同じヤツ)を使っている。
一方、仙台も盛岡も、表示灯を使わず「ワンマン」もLED内に緑色で表示していた。表示器の幅は秋田と同じで、文字数が多い行き先だとどうなるのか心配だけど「一ノ関」「小牛田」の3文字は収まっていた。秋田の表示器は、緑色にはできるのか、あと「ワンマン羽後本荘」なんかは厳しそう。
現在の仙台版説明
ドア上の掲示枠自体が秋田のものと違っていた。
秋田のものよりも縦方向に大きく(つまり掲示物の面積が広い)、それに全面に透明な板がかかっている秋田と違って、荷棚上の広告と同じように透明な帯で留める方式(秋田ではその広告枠もない)。したがって、説明書きも秋田より大きいが、枠よりは小さくて余白ができている。

ここで701系ではない仙台の車両。陸羽東線のキハ110系気動車にも乗った。そこでは、
キハ110系仕様
まず、紙のサイズがキハ110系のほうが横に長い。内容は細かい相違点がある(後述)。

内容。タイトルは「駅員のいない駅及び、いない時間帯での ワンマンカー乗り降りのご案内」と、極めて正確な言い回し。「駅員」の「駅」の左上に制帽がかかっている。
秋田支社版にはあり、旧仙台漫画版にはなかった「JR東日本仙台支社」のロゴが右下にある。
701系掲出の中央部
以前ほどではないが漫画チックというか、かわいらしいイラストが使われている。
中央部に描かれるのは、山間部にあり、短い簡素な屋根がかかった、いかにも無人駅のホームのシチュエーション。身長が同じ男女5名が、楽しそうにしている。
駅名標は「のりおり」駅。左隣が「じぇいあーる」駅、右隣が「ひがしにほん」駅。

701系用とキハ110系用では、背景や人物は共通だが、描かれる車両は、それぞれに合わせている。
ただし、701系用の車両は、先頭部や窓の形状からすれば719系っぽい。719系は、山形新幹線区間にはワンマン対応編成があるから、そちらに合わせたのか?
それにホームの高さが低いらしく、車輪など車両の床下が少し見えている。あと、右側車両の後ドア(5人並んだ左端)が、開きかけなのか閉まりかけなのか、半開きで車内の床が見えている。
キハ110系のほうは、まだ停車前ということなのか(紙が横に長いからだね)、屋根の外に車両がいる。こちらは床下が見えない。ドアはすべて閉まっている。

説明部分は、内容としてはごく一般的。イラストはホームにいる人物のうち2名が登場し、ここの車体やドアも、電車と気動車で替えている。運賃箱は今は交換された旧型のもの。

若干気になるのは、「進行方向1両目、1番後ろ(または前)のドアから」という言い回し。「進行方向1両目」よりは「前の車両」のほうが分かりやすいと思うし、「1番後ろ」という場合は数字を使うものではない。

盛岡の701系1000番台。ワンマン表示灯も設置されているが使わずにLED内に表示

「駅員がいない時間帯の ワンマン列車の乗り方・降り方」
盛岡支社は、説明に徹した飾り気のないもの。「JR東日本」のロゴはなし。こちらも枠は大型で、紙もぴったり。
イラストは秋田のを少し意識したような雰囲気もあるが、文章も含めて別物。
右側では、気動車1両編成、電車(3ドア)2両編成、気動車2両編成それぞれの開くドアの位置を示しており、電車・気動車共通で掲出されているかもしれない。

気になる点が2つ。
1つは「駅員がいない時間帯の」という表現。
ワンマン列車に不慣れでこの掲示を見ている人にしてみれば、「1日中駅員がいない駅(真の無人駅)ではどうするの?」と思ってしまうかもしれない。反対に、盛岡駅みたいな常に駅員がいる駅でも、「もしかしたら駅員がいない時間帯かも?」と余計な心配をしてしまうかもしれない。
車内放送を聞けば分かることだけど、不特定多数が利用するものだから、極力分かりやすくするべき。でも、それは難しいことでもある。

もう1点は、今回の旅行で受けたカルチャーショック。
冒頭からここまであえて書かなかった、無人駅から乗車する時に乗車口で取る紙のこと。運賃が定額でない後払いの路線バスでも、乗る時に必ず取る、おなじみのアレ。

それって「整理券」でしょ。
いや。それが盛岡支社では、
「乗車の際に乗車駅証明書をお取りください。」
「乗車駅証明書」と称していた!
盛岡支社では、ワンマン列車の自動放送でも、徹底して「整理券」ではなく「乗車駅証明書」と言っていた。ネットで調べたら、どうも2013年9月から言いかたを変えたようだ(昨年乗った時はワンマン列車でなくて気づかなかった)。

701系車内の発券機の表示も盛岡では、
「乗車駅証明書」。紙などでなく、ちゃんとした表示板
新しそうなレシップ製の発券機で、仙台支社キハ110系のと同型のようだ。秋田支社のとは微妙に違う。(詳細は続きの記事にて)
仙台支社のものは「整理券発行器LTM-02」だった。盛岡支社のは型式は確認できなかったが、製品としては「整理券発行器」なのでしょうね。

これまでの認識では、整理券と乗車駅証明書は、その目的や実態(発行機や紙の規格、券面の表示内容)はほぼ同じものながら、区別されるものだと思っていた。
車内の乗車口で取るものが「整理券」、無人駅の駅舎で取るものが「乗車駅証明書」という、設置場所の違い。
※駅員がいる駅で、何らかの事情できっぷを買わず(買えず)に改札内に入る時に手渡しでもらうものも「乗車駅証明書」だけど、ここではとりあえず除外します。
駅で乗車駅証明書を取っていれば、車内で整理券を取らなくても、何の支障も問題もなく、文句も言われないはず。両者に大差はないのは間違いないから、統一したのだろうか。

でも、JR東日本の近隣の他支社では引き続き「整理券」と呼んでいるのだし、全国的にもそうだろう(私鉄などでは違うところもありそう)。バスでも整理券の名は定着している。それに「乗車駅証明書」って言いにくい。
盛岡支社だけ、あえて変える必要があったのだろうか。
【8月1日補足】盛岡、横手、一ノ関周辺などでは、盛岡支社の車両と他支社の車両の両方が走っているため、整理券と乗車駅証明書が混在していることになる。

今年10月から、盛岡支社管轄の八戸線で新たにワンマン運転が始まるそうで、盛岡支社ホームページに掲載された資料にも、これと同じイラストが使われ、整理券でなく乗車駅証明書となっている。


だけど、考えてみれば「整理券」って、日本語としては分かりづらい言葉だ。この券によって何を「整理」するんだ、英語ではどう訳すんだと考えると、難しい。
「乗車駅証明書」のほうが、言葉としてはストレートで分かりやすいのもまた事実。

整理券について、続く
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