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今回のターミナル駅舎で念頭においていた事柄としてTMSの76年9月号のヘルマンザイレ氏による「駅前広場」の記事がありました。
ここでは西独逸の地方都市の駅前広場とその周辺部をモデル化したものでしたが、限られたスペースを効率的に使い実にリアルな駅前風景を再現している所に非常に大きなインパクトを感じたものです。
その記事の中で作者が語っていた「駅前広場の規模はその都市の規模に比例するものであり、限られたスペースで都市のスケール感を再現する場合はほかの建物の面積を削っても駅前広場のスペースを削ってはならないというのが私の考えである」といった意味の一節。
この一言は私にとって都市型レイアウトを志向させる中で大切な一語でした。
それまで各誌で目にしていたレイアウトではローカル風景中心と言う事もあるのですが一般に駅前広場が貧相な物が多く、レイアウトの視覚的なスケール感までも失っているケースが非常に多かっただけに一言一言が身に染みいる思いでした。
これは同時に駅と鉄道施設偏重になりがちな日本のレイアウトに対してレイアウトでは本来「線路のある風景」の創生に不可欠な一般の建造物や地形の占めるウェイトが大きい事をも示していたといえます。
これは決して作者の言葉だけではなく実際に製作されたレイアウトそのものもそのポリシーに基づいてきちんと風景を再現していた点でも素晴らしいものでした。
この「駅前広場」のシーナリィは今でも私の理想のレイアウト像のひとつとなって焼き付けられています。
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今回のターミナルについては駅舎と駅前広場を一体の物と捉え、少しでもこの理論を実践してみたいという動機もありました。
ですから駅前広場はスペースの許す範囲でできる限り広めに取りました。もし将来レイアウトに組み込む事でもあるなら最低この二倍くらいはとりたいと思います。
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広場のメインは橋上駅の当たる付近ですがここは文字どおりの広場として植栽スペースも広めに取り駅舎の大きさに負けないスケールを与えたいと思いました。
この中心の広場を境に全体を左右に分け、左側をバス・自動車のゾーンに、右側を路面電車駅のゾーンとしました。
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ここまでは仮配置の段階なので完成までにはまた変化もあると思います。
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私もモジュールはそろそろ卒業して、自宅に分割式で少し大き目の都会風味レイアウトを作る気になってきたので、光山市さんの架空都市建設を楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
励みになります。
今回は特定のプロトタイプのない駅なので広場の配置は悩みどころのひとつでした。
大き目の都会風味レイアウト。何やら魅惑のキーワードが(笑)
製作の折はぜひブログに上げてください。
楽しみにしています!