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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「グイン・サーガ121/サイロンの光と影」 栗本薫

2008年06月10日 | グイン・サーガ

「グイン・サーガ121/サイロンの光と影」 栗本薫 ハヤカワ文庫

さあ、ようやくグインがケイロニアに戻ってきました。
結局彼の中では、ケイロニアを出てパロについてからのさまざまなことがすっかり抜け落ちて、気がつけば、すべてが終わっていて、もうケイロニアにかえるところだったわけですから・・・。
なんだかむだというか、むなしいというか・・・。
あまりにも、無常な記憶の喪失ですよねえ。
しかし、やはり一番、くつろげてほっとできる・・・。
はず、だったのですね。
そう、そのはずでした。
しかし、何も怖いものなしのグインの唯一つの弱点は、彼の妻、シルヴィア。
この、わがまま、無自覚の淫乱娘をどう扱っていいかわからない。
長旅からやっと帰り着いた夫に会おうともぜず、引きこもってるシルヴィア。その、重大な秘密は・・・!?
思いだすのは、初めてあったころの、グインとシルヴィアのダンスのシーン。
そんなこともありましたっけ・・・。
それなりに、いいシーンでしたよ。
シルヴィアが最も輝いていた時ですよね。
キタイへの拉致事件がなければもう少し、ましな奥さんになれたかもしれないのですが・・・。
どうも、彼女はそこで、男ががいないと生きていけない体にされてしまった・・・。
気の毒としかいいようがないけれど、身から出たサビ、のような気もしてしまう。
そこへ夫の長期不在だから。
起こるべくして起こってしまった?
いやはや、作者はどこまでもシルヴィアに意地悪。
この先の展開も気になりますね・・・。この先、どうする、どうなる???


さて、今回の表紙の絵は、いったいだれ?
今号の内容から察するに、これはハゾスなんでしょう。
うそ~。この金髪の憂いを帯びた美青年が・・・?こんなステキだなんて、今までイメージしてなかったよ~。
そうだよね、もっとおっさんポイかと思っていた・・・。
いきなり、ファンになっちゃたりして。
憂いを帯びた顔にもなりますよね。今回のこの展開では・・・。

ここのところ栗本氏の病気とシンクロするかのように元気のないグインでしたが、
今号、ホームに帰ってすらも、悩み多きグイン。
早く彼の本領発揮、自信たっぷりのグインが見たいです・・・。

満足度★★★


「グイン・サーガ120/旅立つマリニア」 栗本薫

2008年04月14日 | グイン・サーガ

「グイン・サーガ120/旅立つマリニア」 栗本薫 ハヤカワ文庫

さて、前巻からのこの二ヶ月はこちらが忙しかったせいか、早かったように思います。
そうですね~。それにしても、気になっていた栗本氏も、まずは手術成功し、回復を待っているところということで。
ほっとしましたね。彼女のご健康は、全国のファンの悲願であります。
それで今号なんですけれど。
グインは結局、パロから宇宙へ飛び立ってノスフェラスへ戻り、モンゴールにとらわれ、フロリー母子と出会いタイスへいって、重傷を負い、ようやくまたパロへ戻ってきたというその一連の記憶をすっぽり失ってしまった・・・。
いやあ、むなしいですよね。本で言ったら25冊分くらいのところなんですよ。
以前にに記憶を失ってしまったのもあんまりだとは思ったけれど、これはまた、追い討ちをかけるようにひどい。
こんな目にあわねばならないグインって、一体何者なのでしょうか。
結局、全編を通じた、これが最大の謎なわけです。
それでね、急に後ろ盾をなくしてしまったフロリーとスーティーは、パロを出なければならなくなってしまう。
この巻は、フロリーへの別れの挨拶にかこつけて、それぞれに長々と勝手なことをつぶやく人たちの話。ヴァレリウス、リンダ、マリウス・・・・。
しかし、マリウスって、一体・・・。
そうだねえ、ちょっとステキと思った時期もありましたが、結局、しょーもない奴ですよねえ。
ケーハク、無責任。プレイボーイ。
まあまあ・・・、それでも今回最後で思いとどまったじゃないの。
そうでもなきゃ、全国ファンから愛想つかされるよ。
これで、フロリーはしばらくはストーリー上には出てこないのかなあ。
あんまり存在感ない人だけれど、確かにちょっと寂しくはありますね。
スーティーはどうなる!?!

それにしても、やはり今回も精彩に欠けるグイン。
なんだかね、いつも悠然と構えているからこそのグインであって、こんな風に、オーラも薄れてしまっているグインって、グインらしくないよね。
というか、こんなグインってほとんど見たことがない。
以前記憶をなくしたときでさえ、こんな風ではなかった気がする・・・。
微妙に栗本氏の状態とリンクしてる気がしてしまう。
考えすぎだってば・・・。
とりあえずはケイロニアには安心して戻れるわけだし。
ひとまずは帰国して、養生して、早く元のグインに戻ってほしい。
皆の切なる願いであります!

満足度★★★


「グイン・サーガ119/ランドックの刻印」 栗本 薫

2008年02月16日 | グイン・サーガ

「グイン・サーガ119/ランドックの刻印」 栗本 薫  ハヤカワ文庫

さて、今回は2ヶ月ぶりでした。
あれ?と思ったのですが・・・。
うん、帯とか背表紙の解説が中身と合っていないような気が・・・。
私の、気のせい?

この本では、グインが気の進まなかったケイロニアの人たちとの対面が、とうとう実現してしまった!
でも、案ずるより生むが安し、というやつですね。
ケイロニアの人々は、グインに絶対的な信頼を持っており、グインの記憶が無いなんてことにはびくともしない。
実に実直な人々であります。
こういう国だから、グインは王として居られたんですよね。
ところがです。
もしかすると、古代機械がグインの記憶喪失の打開になるかもしれない、ということで、
パロのヤヌスの塔に封印されていた古代機械に近づくグイン、ヴァレリウス、ヨナ。
古代機械の周囲には銀色の卵のような障壁がとりまき、近づくこともできなかったにもかかわらず、グインがそこに触れると吸い込まれるように、中へ入ることができた。
古代機械・・・。このストーリーが単にヒロイックファンタジーでなく、SFでもあることを思い出させる部分ですよね。
3000年の昔からパロにあるというこの謎の機械。
果てしない宇宙のかなた”ランドック”の文明のもの。
グインはこの機械にスキャンされ、修復されて、肩のキズも、喪失した記憶さえも元に戻ってしまった!!  
こんな手があるんだったら、怖いものなしだね。
しかし、そこには何かの作為が働いたようでもあり、なんとノスフェラスに現れ、このパロにたどり着くまでのことを、今度はすっかり忘れている。
え~。ちょっとまってよ。それって、あの長ったらしいタイスの出来事をみんな忘れてしまったということ???
そうなりますね。
そんな、むなしい・・・! そ、それに、ということは、スーティーのことも覚えてない?
ご正解。
そんなあ。無責任だよー。スーティーをどうする気なのさ。
確かに。グインがついていればぜんぜん安心と思っていたのに、それはないよね。
いったいどうなる、スーティーとフロリー。!?

さてと、ところで心配なのは作者栗本氏のおかげんですね。
現在闘病中とのことです。
とにかく、早く元気になっていただきたいです。
頼むから、グインを未完にしないで・・・。
こらこら、そういう言い方はないでしょう・・・。
でも、全国のファンはそう思っていますよ、きっと。
かげながら、お祈りさせていただきます。
乞う、早期全快。・・・いえ、当面は半年とか一年に一冊でもいいので・・・。
なんだか、今号のグインは元気なかったです・・・。ああ、119巻、非常事態・・・。

満足度★★★


グイン・サーガ118「クリスタルの再会」 栗本 薫

2007年12月16日 | グイン・サーガ

グイン・サーガ118「クリスタルの再会」 栗本 薫 ハヤカワ文庫

さあ、トントントンと月刊できたグイン・サーガ、118巻。
今度は寄り道無し!無事、パロに到着しました~。
待ちに待った、グインとリンダとの再会。

さて、どうですか?
そうですねー、今までずっとアクティブでしたから。ここでは、平穏が強調されます。突っ込みどころがなくて、ちょっと寂しかったりもしますが・・・。
なんだか、それぞれが深く静かにものを想う・・そんな一冊ですよね。

まずはマリウス。
彼は前巻から、静かでしたよねえ。
今度、パロに帰ったら、もう抜け出せなくなってしまう。
そんな強迫観念にとらわれて、沈み込みっぱなしの、珍しく無口のマリウス。
そうですよー、えらそうに、物々しく国を治めるマリウスなんて、ぜんぜん想像できないじゃないですか。
彼は吟遊詩人にしかなりえないですよね・・・。
本人がどこでのたれ死んでもいいといってるんだから、ほっときゃいいのに・・・。
そうもいかない、国の事情というヤツですよ。
昔の話だから・・じゃないですよ。
この現在、日本でだって、皇室とかいうおかしなしきたりで、人権も無視されてる方がいたりするんだから・・・。

それから、ブラン。
彼も、思い切り悩んじゃいましたね。
もう、スーティーを連れ去る気力もないし、だからといって空手で帰ることもできない。カメロンを裏切ることもできないし、グインも大好きだ・・・。
パロまでのこのこついていっても、どうにもならないし・・・。
でも、彼もとうとう最後の決断を下して、カメロンの元へ単身で戻ることになるわけですね。
ただ、これまでのことはすべてかメロンに報告すると明言して。
どうなんでしょうかねえ。グインは、それでよしとしてしまったけれど・・・。
うーん、希望的観測だけど、カメロンはその話をにぎりつぶしちゃうんじゃないかなあ。
どう考えても、それをイシュトに伝えない方が、みんなの幸せだもんね。
この先の注目!だね。

グインは結局記憶が戻らないんですね。
今回すごくしんみりと来ちゃう、名セリフがありました。
「『この俺は何者で、なぜにかくあるのか。俺はどこから来て、どこにゆくのか』
・・・これほど答えをみいだせぬ問いそのものを抱えて生きてゆかねばならぬということ、
そしてそれはおそらく、豹頭であるとないとに係らず
すべての人間が多かれ少なかれそうなのだろうということに思い当たったとき、
俺は、俺の抱いているその疑問というものは、
決して豹頭なるがゆえの特殊なものではないのではないか、と思ったのだ。」
そうなんですよねえ・・・。グインの苦しみはすべての人の苦しみ・・・。
うん、名シーンですねえ・・・。

リンダはまた、14のとき、初めてグインにあったときのこと、そしてまたイシュトバーンとの初恋を覚えたその頃を思い出してしまう。
そして、グインを父や兄のように頼もしく思っていただけのはずなのに、ほんの一瞬、こみ上げる自分の感情に、愕然とし、うろたえる、というシーン。
意味深なシーンだよね。この先を暗示しているのかなあ???
記憶をなくしたグインが、まず、目指そうと思ったのが、パロであり、リンダなんだもんねえ・・・。

・・・ということで、派手な事件もアクションも無しですが、私はこの巻、結構お気に入りです。

満足度★★★★

 


「グイン・サーガ116 闘鬼」 栗本薫

2007年10月08日 | グイン・サーガ

「グイン・サーガ116 闘鬼」 栗本薫 ハヤカワ文庫

久しぶりの対談形式ですね~。
あんまり、おちゃらけるような作品を見てなかったんだよね。
テンプレートもいつのまにか変わってるし。
これ、時々出てくるドーナツの数が変わるんですよ・・・。
自分でも驚いてたりして。
ふた皿出てくるのは参っちゃうね。太っちゃうじゃない。
時々、ドーナツ1個のこともあるから、いいんじゃない?


さて、いよいよ闘技大会のクライマックスですね。
しかし、前巻から、ずっとお祭りですよね~。
テンション上がりすぎ・・・。
いささか、げんなりなんですが。
グインとガンダルの戦いの前にですね、
グインは3人と戦わなくちゃならないのだけれど、
そんなの、勝つに決まってるんだし、
逐一全戦書かなくてもいいじゃないの、と私は思ってしまった。
まあまあ・・・。それでムードを盛り上げようということなんだから。
あのね、だけど、こんな国でも、
やっぱりそれなりの戦闘家は、やっぱり気持ちよくきちんとした人たちだ・・・
ということもよく分かったじゃない。
そうだねえ・・・。変だったのは、あのイノシシ女のホンファくらいか・・・。
リギアって、あんなに強かったんだねえ。
美人で、スタイルがよくて、超強いって、できすぎじゃん。
ひがまない、ひがまない。グインの周りはそんな人ばっかりなんだよ。だからこその、「サーガ」なんだから。
しかし、さすがに、この大観衆すごいね。雑多な人ごみとその高まる緊張感。
だからさ、ここまでしつこく「祭り」を書き続けた成果なんだってば。
札幌ドームの日ハム優勝をかけた試合、って、雰囲気だね。
ドーム満員が4万人だから、おんなじくらいだよ。
そこまで、大きなスタジアムとも思えないし
、多分、ものすごい密集度だよね。
危険だ。・・・近寄りたくない。でも、テレビ中継はないしなあ・・・。
何言ってんだか・・・。

それで、待ちに待ったグイン対ガンダルの試合。
あの怪物めいたガンダルの正体は、意外にも・・・。
意外にも・・・、でしたね。
まあ、満足いくものでしたね。グインにとってもね。
私は今回栗本氏の良識を見ました。
なになに?
グインとガンダルの戦闘真っ只中、さあ、どうなる!?、
というところで、「つづく」にならないで、
一応ちゃんと決着がついて終わったところが、ですよ。
それは言えるかも、ですね。
時々そういうことありますもんねえ。

ただし、今回でもまだタイス脱出ならず、いよいよ、この次ですね。
かなりの痛手を負ってしまったグインです。
いったいどうやって、脱出を図るのか。
栗本氏のお手並み拝見。
次巻が二ヵ月後でなく、一ヵ月後に出るようなので、それも嬉しい!。

満足度 ★★★★

 


「グイン・サーガ115/水神の祭り」 栗本 薫

2007年08月10日 | グイン・サーガ

「グイン・サーガ115/水神の祭り」 栗本 薫 ハヤカワ文庫

えーと、ここのところ、怒涛の毎日更新なんじゃないですか?
えへへ。ちょっと、ストックがだぶついてきたもんで・・・。まあ、夏のスペシャルということで。心配しなくても、そのうち止まります。

さてと、グイン・サーガ、まず今回の表紙は・・・リギアですよね。
な、なんて大胆な!
引き締まっていて、そしてあるべきものはちゃんとある・・・と。
これ、実際の戦闘ではゆれちゃって邪魔そうだけどねえ・・・。
さすが快楽の都ですよねえ・・・。
まあ、それはさておき、今回は、特別驚くような展開はなかったみたいだね。
いよいよ、水神祭りがはじまって、町中が沸き立っている。
そんな中で、ひそかに脱出のための策を練るグインたち。と、そんな感じだね。
いやー、あのニギニギしいお祭りの人ごみと、喧騒とで、なんか、つかれちゃった。
そんな、まるで行ってきたようなことを・・・。
栗本氏の表現は時に「くどい」ですからね・・・。わたしゃ人ごみはきらいなのよ・・・。
いみじくも、ご本人が後書きで言っていますが、
『調子こいて(タイス編を)どんどん続けていると「いい加減にしろ、タイスはもう沢山だ」っていわれてしまいかねませんが』、と。
私はもうだいぶ前からもう沢山だと思っていましたけどねえ・・・。
さっさとこんな国から脱出して、パロにたどり着いてほしいものです・・・。

この、最終章が「地下牢の惨劇」という題だったので、もしやフロリーの身に何か・・・と思いましたが、結局、一番お荷物になっている、フロリーとスーティの安全が確保されたと見ていいのでしょうかね。
そうでしょうね。やっと少し脱出の糸口が見えてきた感じじゃないですか。
やっぱり、最期はグインとガンダルが戦わずには終わらないのでしょうね。
うむ、なんにしても次あたりにはぜひ、タイス編が終わってほしいものです。
そうね、タイス伯と、その娘ともども、水牢に落っことされてガヴィーに食われちゃえっ!
また、過激な・・・・。

満足度 ★★★


「グイン・サーガ外伝21/鏡の国の戦士」 栗本薫

2007年07月13日 | グイン・サーガ

「グイン・サーガ外伝21/鏡の国の戦士」 栗本薫 ハヤカワ文庫

グインの114巻、今回の外伝と次の巻で、月刊グインになっちゃいますね。すごいですね。
実のところ、外伝はいいから、早く本編が読みたい!というのが本当のところなんですけど。
本編で月刊になったら、すごいけどね。
しかし、私は魔道の世界、妖魔との対決、そんな内容はあまり好きではありません。
なんでー?
魔法、魔術、あやかし・・・そのような設定だと、結局なんでもありということなのではないかと、思うのよね。
どんな大変なこともあり得るけど、どんな助かり方も自由自在では、ずるいじゃないですか。
現実という制約の中でどのように戦い、どのように生き延びるのかということにこそ、面白みがあるのではないかと。
では、この本は、つまらなかったと・・・?
いや~。それがですね、やはり、栗本氏の筆力というか、やっぱり読み出したら、やめられないですよ。
よくもまあ、ネタが尽きずに、こんな怪異を次から次へと考え出せるものだと、感心しちゃったりして。
でもね、そうは言っても、この本の興味はやっぱりその、あやかしの世界ではなくてですね、・・・ネタばらしでいいのかな?
ここは言わなきゃ話がすすまない。
うん。グインになんと愛妾がいて、彼の子供を身ごもっていると・・・!!
ひえ~。エーと、この話は今の本編より、未来の話なんですね。
はい、今のいやったらしい、タイスを出て、パロに行って、やっとケイロニアに帰りつく。
その後の話なんですね。
あの、外伝の第一作『7人の魔道師』より、まだ先の話。
言葉のはしはしから想像するに、何らかの事件があって、グインとシルヴィアの結婚は破綻するということらしい。
まあ、もともと破綻していたようなものですからねえ。
はじめ愛妾ヴァルーサ、と名前が出てきたときには、ちょっと驚きましたけどねえ。
いやいや、愛人がでてきたからって憤慨するほど純情ではありませんが、グインのイメージというものがあるでしょうが。
でも、つまり、シルヴィアとの結婚が解消した後の関係というのなら、まあ、納得できるかなと。
えー、結局シルヴィアって、どうなっちゃうんでしょ。
いやな予感がしますけどねえ・・・。
これって本編の続きじゃないと分からないのでは?
それって何年先のことなの~?
ほんと、栗本さんって、意地悪。
それで、今しもグインの子供(たぶん王子)が生まれる!というところで、終わりですもんねえ。

満足度 ★★★★

 


「グイン・サーガ114/紅鶴城の幽霊」 栗本薫

2007年06月11日 | グイン・サーガ

「グイン・サーガ114/紅鶴城の幽霊」 栗本薫 ハヤカワ文庫

早いものですね~。114巻が出ました。
今回の表紙、誰だかわかりました?
いや~、分からなかったですね。ちょっと読めばすぐ分かりますが。この巻は、フロリーがメインだったんですね。やっと日の目を見たというか・・・。
いつも、ひっそりと咲く、マリニアのような・・・。
いえ、地味さ加減もあそこまで行くと才能なんですよ。というか、逆オーラとでもいいましょうか。ここまで、個性の強烈な面々の中で、逆目立ちして、それが彼女の場合、災いしてるんですねえ。
あまりにも、おとなしすぎて、リギアでなくても、もっとちゃんとしなさいよあんた、って言いたくなっちゃうんですよね。
イシュトにしても、このたびのタリクにしても、まあ、常にステーキばかり食べてるとたまにさっぱりとお茶漬けが食べたくなる、そんな感じでしょうか。
まあねえ・・・。
それにしても、このたびの展開はあんまりじゃありませんか。
タリクが勝手に好きだとか何とかかどわかしたくせに、それをうらんだタイス伯のあまりにも理不尽な仕打ち。このままじゃ彼女は生きて帰れないって、そんなアホな~!!!
はい、あまりにもひどいことがまかり通っている国なんですね・・・。
いっそ、このまま、フロリーがタリクに手篭めにされて、また、子供を生んじゃう、というのはどうでしょうねえ。各国子連れで逃げ回って、それぞれの王やら王子の子供を作っちゃう。
世界平和の早道ですよ。近隣の国中の王族がみな兄弟。
わはははは・・・。
それにしても、このタイスの滅亡がだんだん読めてきましたね。
こんなひどい国をグインがただ見過ごして通り抜けるだけのわけがない!
そうですね~。いつになったらこの国を脱出できるのかと思ってたけど、結局けりをつけないとグインは前へ進めないわけだ・・・。
ガンダルも未だ、謎の人物だしね。
それから、今回はマリウスがなんだか頼もしく感じられた・・・。
さすがですね~。口八丁に手八丁、手練手管、顔色も変えずにしゃあしゃあとうそを言う。この才能にどれだけ助けられたことか・・・。敵にまわすと怖いですよー。
どうでもいいから、早くフロリーをここから助けてやってくれ~。気の毒で、見ていられない・・・・。
グインは、いつになったらケイロニアに帰り着くのでしょうか。
いえ、まずパロに着くのはいったい何巻先なのでしょうね・・・。栗本氏にも分からなさそうだ。200巻まで行くと言っているようなんで・・・。

 


グイン・サーガ113/もう一つの王国

2007年04月09日 | グイン・サーガ

え~また、おじゃまします。

出ましたねー、隔月刊の、新作が。この、表紙のグインが一段とマッチョですねー。

この本が出るたびに、えっ、あれからもう2ヶ月たったの?と驚いてしまいますね。

そうですね。続きが早く見たいと思ってはいても、2ヶ月というのは意外と早い。

さて、どうなの、今回は?

出ましたよー、鉄人28号!

いやそれを言うなら、ガンダムじゃない?何しろ、現に名前はガンダルだし。

そういう問題か?

こいつはいったい何者なんだろうねえ・・・、まともな人間とは思えないねえ。単なるバカでもなさそうだし。

そうだよねえ、この巻の最後に出てくる意外な人物の意外な正体を考え合わせると、実は訳アリの人物なのかねえ。

グインはひたすら戦わずに逃げようというポーズだけど、これは絶対に戦いもせずに別れるなんて事ないよねー。

そうだよねー。実は私は戦闘シーンってあんまり興味なくて、さっさと終わって欲しいんだけどさ、栗本さんは、好きだよねえ・・・。

それから、タイスの地下水路の話が出たときから嫌な予感がしたんだけど・・・。

そうそう、やっぱりそこに入り込むことになったですね。うわー。気色わるいっ!暗くて、じめじめで(じめじめじゃなく、水そのものだって!)得体の知れない虫やら何やらがうじょじょ。非業の最期を遂げた不気味な死体がごろごろ。変な音やらうめき声やら・・・た、耐えられません。

グインはいつもこんなところにはまり込む運命なのよ。

はあ、でもグインなら絶対何とかなる。というか、何とかならないと最終巻になっちゃうもんね。

んで、最後に出てきた意外な人物はどうよ。

イヤー。ホント、意外でしたね。何しろ、当の栗本さんも驚いていてくらいだし。とっくに、過去の人かと思っていた。

こういうサプライズが、このストーリーを長続きさせる秘訣なんだよ。

そしてまた、予感では、グインがタイスをおさらばするだけでは済まない。

というと?

この地の腐りきった体制をそのままでは去らないということですよ。きっと、グインは根こそぎぶっこわす!!

ははあ、なるほど。別の跡継ぎもいたわけだしねえ・・・。

さて、ご正解は、2ヵ月後のおたのしみ~。

「グイン・サーガ114/もう一つの王国」 栗本薫 ハヤカワ文庫