映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

私にふさわしいホテル

2025年01月01日 | 映画(わ行)

作家の聖地

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中島佳加代子(のん)は、とある出版社の新人賞を受賞したものの、
大物作家・東十条(滝藤賢一)から酷評を受けてしまいます。
そのために、デビュー作も出せず、小説を発表する場すら得られなくなってしまいました。

そんなある日、加代子は憧れの「山の上ホテル」に宿泊し、
一人前の作家気分を味わうことに。
その時、あの憎き東十条が上階に宿泊していることを知ります。

東十条は明日が締め切りの小説を仕上げるために宿泊しているのです。
加代子は、策を巡らして東十条の執筆を邪魔し、
文芸誌の原稿を落とさせることに成功しますが・・・。

文壇への返り咲きを狙う加代子と、
彼女に原稿を落とされたことを恨む東十条の、因縁の対決が始まります。

えーと、まずこの「山の上ホテル」のこと。
東京都千代田区神田駿河台に実在します(現在は休業中)。
本館は1937年ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計により、
佐藤振興生活館として建てられ、1954年にホテルが開業。
神田という出版社の多い地域に近いため、
作家の滞在やカンヅメによく使われたとのこと。
川端康成、三島由紀夫、池波正太郎・・・等々。
つまり、作家にとっては聖地なんですね。

それはともかく、文壇の権威である大物作家の一言で、
将来を踏みにじられたと感じている加代子の復讐劇。
・・・と言うと何やらドロドロしていますが、
本作はユーモアたっぷり、コミカルに進行していくのでご安心を。
そこはやはり、茫洋としながらも芯の強い感じ、のんさんにぴったりの役です。

加代子担当の編集者は、加代子の大学時代の先輩でもある遠藤(田中圭)。
東十条担当でもあるので、冷静中立のようでいて、
ちょっぴり加代子に加担しているのがステキ。

とぼけているようで、さすが業界の権威で百戦錬磨、
したたかでもある大物作家・東十条も滝藤賢一さんも、はまり役。

また、橋本愛さんが書店員役で、のんさんとのツーショットは、やはり感慨深い。

楽しめて余韻が残る、ステキな作品です。

<シネマフロンティアにて>

「私にふさわしいホテル」

2024年/日本/98分

監督:堤幸彦

原作:柚木麻子

脚本:川尻恵太

出演:のん、田中圭、滝藤賢一、田中みな実、橋本愛

 

文壇の闇度★★★☆☆

バイタリティー度★★★★★

満足度★★★★☆

 


わたくしどもは。

2024年06月12日 | 映画(わ行)

静かで波風のないこの場所は・・・?

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佐渡島の金山跡地で目を覚ました女(小松菜奈)は、過去の記憶がありません。

清掃員のキイ(大竹しのぶ)に助けられ、キイの家に連れて行かれます。
そこではキイが、アカとクロという女の子と一緒に暮らしています。
そして自分の名前も分らない女はミドリと名付けられ、
キイと一緒に清掃員として働き始めます。

またミドリは、警備員の男・アオ(松田龍平)と出会います。
彼も過去の記憶がありません。
2人は次第に惹かれ合っていきますが・・・

佐渡島の静かで美しい場所に、時が止まったような日々が流れます。

人々は皆ほとんど無表情で感情の起伏が乏しい。

冒頭で、小松菜奈、松田龍平演じる男女が
「この世では私たちは二度と交わることはない」とつぶやき、
飛び降りるシーンがありまして、
この2人が記憶を失って目覚めた場所は、すなわち「この世」ではないことが分ります。
それなので、まあネタばらしになってしまうけれど、
つまりここに暮らす人々は皆、さまよえる魂であるらしい。

けれど、意外とそうした寂寥感のようなものはなくて、
ひたすら静かで平和なのです。

過ぎた過去の苦しい思いはもうなく、淡々と流れていく時間を過ごすだけ。
しかもただ無為に時間が過ぎるのではなく、清掃という役割もある。
そして孤独ではない。

死後の世界がこんなにも穏やかなものならば悪くない気がします。
・・・というか、そうであってほしいという願望なのかな?

正直、ちょっと眠くなってしまったのですが、雰囲気のある作品。
夢見心地で見るのにピッタリ。

<シアターキノにて>

「わたくしどもは。」

監督・脚本:富名哲也

出演:小松菜奈、松田龍平、石橋静河、田中泯、大竹しのぶ、内田也哉子

 

世俗離れ度★★★★☆

満足度★★★☆☆


笑いのカイブツ

2024年01月08日 | 映画(わ行)

立ち上がる負のオーラ

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「伝説のハガキ職人」として知られるツチヤタカユキの同名私小説を原作としています。

人間関係が不得意なツチヤタカユキは、
テレビの大喜利番組にネタを投稿することを生きがいにしています。
毎日気が狂うほどネタを考え続けて6年。
ようやく実力が認められてお笑い劇場の作家見習いになりますが、
あまりにもネタ作りに集中して非常識な行動をとるので、
周囲に理解されず、次第に居場所がなくなってしまいます。

それからしばらくして今度は、ある芸人のラジオ番組にネタを投稿する
「ハガキ職人」として注目を集めるようになり、
その芸人から声をかけられて、上京しますが・・・。

 

「笑い」を追求するツチヤではありますが、当人はクスリとも笑わず、
いつも一人隅っこにいて暗い顔をしてネタを絞り出しているのです。
お笑いへの情熱や努力は人一倍。
しかし、どうにも人間関係が不得意。
せめて人並みの処世術を身につけてさえいれば・・・とは思うものの、
これがツチヤなのだからしようがない。
わかってはいても、本人はそれがまた苦しい・・・。

岡山天音さんは、いうまでもない名バイプレイヤーではありますが、
ここへ来ての主役、終始まとう負のオーラについ引きずり込まれそうになります。
なんて生きづらいのだろう・・・
ただただ、そう思います。

 

息子のことには全く興味がなさそうでいて、
ほんのりとした愛情が垣間見えるお母さん(片岡礼子)、

ただ一人単純にツチヤの頑張りを認めるミカコ(松本穂香)、
自身もダメなヤツながら変なヤツを変なヤツのまま受け入れるピンク(菅田将暉)、

そしてツチヤの才能を認め、なんとか社会に溶け込ませたいと思う西寺(仲野太賀)、

素晴らしい共演陣に囲まれて見応えのある作品となっています。

 

<シネマフロンティアにて>

「笑いのカイブツ」

2023年/日本/116分

監督:滝本憲吾

原作:ツチヤタカユキ

出演:岡山天音、片岡礼子、松本穂香、前田旺志郎、菅田将暉、仲野太賀

 

負のオーラ度★★★★★

満足度★★★★☆

 


私がケーキを焼く理由

2023年11月29日 | 映画(わ行)

ケーキ作りの理由

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実話を元にしています。

L.A.で暮らす20代、コリンとジェーンは、親友同士でルームシェアをしています。
コリンは社交的で、内気なジェーンにいろいろな人と出会い、
自信を持って生きてほしいと思っています。

そこで考えついたのが、ジェーンの特技、ケーキ作りをいかして、
バーに手作りケーキを持ち込むというもの。
ケーキを周囲の人に配りつつ、話のきっかけとして、
いろいろな人と親しくなろうというのです。
毎週一回、一年で50個を目標として
ケーキ作りとケーキの持ち込み計画を始めました。

ところがそんな時、コリンが病を抱えていることが分かります・・・。

バーに手作りケーキを持ち込んで、切り分けて配る・・・?
始めは意味不明にも思えたのですが、
しかしなるほど、お酒を飲む場ではありますが、
男性たちも本当は甘いものが嫌いじゃないということが多い。
怪訝な顔をされながらも、次第にウケるようになっていきます。
そもそもバーにケーキを持ち込むなんて、OKなのか?とも思うけれど、
この場合、バーの場所はその都度異なるので、それぞれ一回限り。
「ま、いいか」と思ってくれる範囲内ではあります。

確かに、オシャレに美しくできたケーキはSNS映えもしそうですし、
実のところ私も食べてみたいです・・・。

さて、それはともかく、コリンの病は脳腫瘍・・・。
抗がん剤治療や放射線治療が始まり、体調も崩れていく・・・。
そんな中でジェーンは、もうケーキ持ち込み企画はやめよう、というのですが、
コリンはあくまで続けようというのです。
せっかく始めたことだし、楽しいことをできるだけ楽しみ続けたいと思ったのでしょう。
ケーキ作りの目的が変化してきています。

病で少しずつ衰えていくコリンが切ない・・・。

 

自動車修理工のコリンのお父さんが、家具やら家の作り付けやらを、
いつでもどこでも修理したり調整したりしているのがナイスでした。

そしてまたお母さんも、取り乱さず、しっかりと構えていて、
でも愛情たっぷりなことも伝わり、ステキなお母さん。
娘の自立を尊重しながら、温かく見守る。
なかなかこういう親にはなれないと思いますが、理想です。

 

<Amazonプライムビデオにて(オリジナル)>

「私がケーキを焼く理由」

2023年/アメリカ/120分

監督:トリッシュ・シー

原作:オードリー・シュルマン

出演:ヤラ・シャヒディ、オデッサ・アジオン、ナビド・ネガーバン、
   マーサ・ケリー、アディナ・ポーター、ロン・リビングストン

病気のオンナノコ度★★★★★

友情度★★★★☆

満足度★★★☆☆


私がやりました

2023年11月22日 | 映画(わ行)

嘘の自白で人気を勝ち取る

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フランスらしい皮肉なユーモアに満ちた作品。
真犯人当てのミステリではなくて、ちゃっかり図太く生きる女たちの物語。

パリの豪邸で有名プロデューサーが殺害され、
新人女優マドレーヌが容疑者として連行されます。

マドレーヌは、プロデューサーに襲われて自身の身を守るために彼を撃ったと供述。
親友である弁護士・ポーリーヌとともに法廷に立ちます。
正当防衛を訴える二人の鮮やかな弁論と感動的なスピーチは、
陪審員や大衆の心をつかみ、無罪を勝ち取るばかりでなく、
悲劇のヒロインとしてスターの座を手に入れます。

そんなところに、かつての大女優オデットが現れ、
プロデューサー殺しの犯人は自分だと主張しますが・・・。

そもそもマドレーヌはプロデューサーを突き飛ばして逃げただけで、
もちろん銃など持ってもいないし、撃ってもいません。
けれど、これを逆にチャンスと捉えた二人の作戦勝ちというわけですね。
でもそうであれば真犯人は別にいるわけで・・・。
オデットは、ニセの犯人が大人気となっていることに腹を立てて、
二人の元にやって来て二人を脅すわけです。

女たちが、自らの夢や欲望のために這い上がろうとする、
でもどろどろではなくて、あっけらかんとユーモアに満ちているのがいいなあ。

大好きです。

プロデューサーが、女優にエサを散らせつきながらセクハラ・・・。
やはりありがちな話なんですねえ・・・。

<シアターキノにて>

「私がやりました」

2023年/フランス/103分

監督・脚本:フランソワ・オゾン

出演:ナディア・テレスキウイッツ、レベッカ・マルデール、イザベル・ユペール、

   ファブリス・ルキーニ、ダニー・ブーン

 

皮肉度★★★★☆

ユーモア度★★★★☆

満足度★★★★☆

 


わたしの叔父さん

2023年11月10日 | 映画(わ行)

夢をかなえることだけが正しいのか

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デンマークの農村。

幼い頃に両親を亡くし、体の不自由な叔父と二人で暮らす27歳クリス。
家業の酪農の仕事を手伝いながら、日々を穏やかに淡々と過ごしています。

彼女には獣医になりたいという夢があったのですが、
今はそれもあきらめきっています。
そんな時に村の獣医師から助手を頼まれ、かつての夢が蘇ってきます。
またそんな頃、クリスは教会で出会った青年・マイクからデートに誘われます。
クリスにとっては、人生の転機の時なのですが・・・。

クリスは叔父さんが病で倒れたため、獣医の夢をあきらめていたのですね。
叔父さんとクリスは特別に言葉を交わさずとも日々の日課はしっかり染み込んでいて、
実に淡々と牛の世話や農作業、日々の食事などの時間が流れていきます。

叔父さんは、クリスがこの家で自分の世話と酪農の仕事に縛られてしまっていることに
若干後ろめたい思いもあるようで・・・。
だから、獣医師の手伝いを始めたり、村の青年と付き合い始めても止めたりはしません。
初めてのデートに行くというクリスにヘアアイロンを買ってあげたりと、応援の体制。
ところが、クリスは叔父さんを1人で家に残しておくのが心配でならない。

だから、初デートの食事も、映画も、叔父さんと一緒の3人で、
というのがなんともユーモラスな光景で、笑ってしまいます。

こんな感じで、本作は一人の女性が、新たな世界へ羽ばたいていく物語なのかと思いきや・・・!
意外な結末に、戸惑わされてしまいました・・・。

 

しばらくしてから、私は思う。

確かにクリスには獣医になりたいという夢はあったけれど、
でも実はここの農場で牛たちの世話をしながら暮らす生活も
身に馴染んで好きになっていたのでは・・・?
夢をあきらめるというよりもむしろ、自分の本当にやりたいことはこの足下にあった、
という気づきなのかも知れない、と。

デンマークの片隅、テレビで北朝鮮のミサイル発射がニュースで流れていたり、
クリスが都会に行って初めての「回転寿司」を体験するなど、
北欧の地にも東洋や日本の事情が意外と身近にあるのが興味深かった・・・。

 

<Amazon prime videoにて>

「わたしの叔父さん」

2019年/デンマーク/110分

監督・脚本:フラレ・ピーダセン

出演:イェデ・スナゴー、ペータ・ハンセン・テューセン、オーレ・キャスパセン、トゥーエ・フリスク・ピーダセン

農村の生活度★★★★★

女性の人生度★★★★☆

満足度★★★.5


わたしの幸せな結婚

2023年03月19日 | 映画(わ行)

わたしの幸せな2時間

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まってました!
「わたしの幸せな結婚」 
初日のアサイチで見に行きました。
平日早朝というのに、ほぼ満席。

 

題名のイメージとはちょっと違って、
戦記物をからめた怪しくも美しいラブファンタジーです。

明治・大正期を思わせる架空の時代。
ある宿命を持つ家系に生まれた斎森美世(今田美桜)は、
実母を早くに亡くし、継母と義妹に虐げられ、
女中のような扱いを受けて暮らしていました。
そんなある日、名家の当主である久堂清霞(目黒蓮)の元へ嫁入りを命じられます。

久堂清霞は、冷酷で無慈悲な性格としてウワサされており、
これまでにも多くの婚約者候補が逃げ出したという・・・。
美世も初対面では清霞にずいぶんと辛辣な対応をされてしまいますが・・・。
でも彼女の一途さ、一生懸命さが彼に伝わり、
次第に心を通わすようになっていきます。

そしてその頃、帝都では不穏な災いが人々を襲い始めます。
異形の者から国を守る陸軍・対異特殊部隊長である清霞が乗り出しますが・・・。

 

とにかく、清霞のツンデレぶりがキュンキュン来ますねえ。

「ここでは私の言うことに絶対従え。
出て行けと言ったら出ていけ。死ねと言ったら死ね」

などと言う言葉、いかにもキビシイ!
(予告編を何度も見たので飽きてしまっていたけれど)

でも、実のところ彼がそんな辛辣に見えたのは、
ここのところと翌日の朝食のシーンぐらいでした。
実はこの上なく優しい人で、部下達にも
ものすごーく信頼され親しみを持たれているのです。

「冷酷で無慈悲」などと言うウワサは、
追い出された婚約者候補たちがくやし紛れに言いふらしたのに違いありません。
でもそのおかげで、美世は厄介払いのようにこの家に送りこまれたワケなので、
結果オーライですね。

清霞は、政略結婚のために送り込まれてくるチャラチャラした名家の
「お嬢様」たちに嫌気がさしていて、あのような言葉をはいたのでしょう。

美世はなにしろ、いじらしくかわいらしくて、その一生懸命さにはつい涙が誘われます。
そんな彼女を見る清霞の目がどんどん柔らかくなっていきます。
そしてついに見せる笑顔。
も~♡♡。

ここは目黒蓮さんだけでなく、今田美桜さんの演技も光っているからこその出来ですよね。
いつまでも眺めていたい二人でした。

 

美世は異能の力を持つ家系に生まれながら異能を持たないということで、
家中では阻害され虐げられていたのですが、実はそのことにも事情がありました。

そしてまた、強力な異能を持つ清霞ですが、
この度はある事情で大変な苦戦となります。

こうした物語の妙も、十分に見応えのあるもので、
とにかくまんじりともせずに引き込まれて見てしまったという感じです。

“わたしの幸せな2時間”。



それにしても、本作の宣伝のため、公開前2週間ほどの
目黒蓮さんのテレビの出現度がハンパなかったですね。
35の雑誌表紙に、テレビ出演は33番組だったとか・・・。
さぞかし超多忙で、夜空を見上げるヒマもなかったことでありましょう。
ファンとしてはうれしいけれど、体をこわしはしまいかと、心配もしてしまいます。
私はもはや、活躍する息子を見守る母のような心境。

 

ところで、本作は丸一年前の3月に撮影クランクアップしていたそうです。
先日その時の挨拶の模様がYouTubeにアップされていました。
それを見ると、目黒蓮さんの表情が少し硬い。
去年の3月といえば「目黒蓮」さんは、まだあまり知られていなかったワケです。
かくいう私も、ぜんぜん知りませんでした。

この後に、「舞い上がれ」があって、「silent」があるんですね。
そして現在のこの状況。
撮影時と公開時にこんなにも世間の認知度が違う例ってあんまりないのでは?

最近テレビで見る目黒蓮さんはすっかり場慣れした様子で、
余裕とか貫禄すらも感じらます。
立場が人を作るんですねえ・・・。
この数ヶ月の目黒蓮さんのスターとしての成長度がすごいです。

 

スミマセン、余談ばっかり。

で、本作のラスト(エンドロール後)でまた、驚いた。
これって、続編アリのヤツなんでしょうか?

確かに、ストーリーとしてはほんの序盤という感じでした。
だから本作がシリーズ化して、目黒蓮さんの代表作になるのは歓迎なのですが、
私としては、彼にはもっと様々な役にチャレンジしてほしいのです。
どうしようもないダメ男とか殺人犯とかゲイの役でも。
カッコいい役だけをこなすのではなく、真の実力派俳優を目指して!

 

<シネマフロンティアにて>

「わたしの幸せな結婚」

2023年/日本/115分

監督:塚原あゆ子

原作:顎木(あぎとぎ)あくみ

脚本:菅野友恵

出演:目黒蓮、今田美桜、渡邊圭祐、大西琉星、前田旺志郎、津田健次郎

 

ツンデレ度★★★★★

目黒蓮の魅力度★★★★★

満足度★★★★★


わたし達はおとな

2023年01月15日 | 映画(わ行)

リアルなヒリヒリ感

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私の推し、藤原季節さん出演作品。

大学でデザインを学ぶ優実(木竜麻生)は、知人の演劇サークルのチラシ作成をきっかけに
直哉(藤原季節)と出会い、恋人関係になります。
ある日、自分が妊娠していることを知った優実。
でも、子どもの父親が直哉であるという確信がありません。
優実は悩みながらも、正直に直哉に打ち明けますが・・・。

優実の妊娠のもう1人の原因というのは、単に行きずりの男。
けれど、そうなってしまったのには直哉にも原因があるのです。
というのも、同棲を始めた直後に直哉はモトカノの元に戻ってしまい、
優実が捨てられてしまったから・・・。
そこで若干優実は自暴自棄になってしまっていたのですね。
しかしその後にまた、直哉が戻ってきたのです。

いやしかし、いずれにしても男の側に「避妊」の必要性を意識していないという
全く身勝手な振る舞いがあったことは確か。
そんな行為が結局は女の身も心もボロボロにしていくわけで・・・。

さて、直哉は自分の子どもではない可能性があると言われながらも、
優実に生むように言い、自分は演劇関係の道をあきらめて就職する、と言います。
ここまでは、なんとも優しい、頼りがいのある男。

だがしかし、自分でそう言っておきながら、
その後も彼の気持ちはぐらぐらと揺れ動くのです。
そもそも、彼がそんなことを言ったのは、以前に似た失敗経験があったから。

けれど、自分の子でなかったとしたら、
そもそも自分の夢をあきらめる必要があるのだろうか・・・とか、
いろいろ考えてしまうのはムリもないことかもしれません。
優実に胎児のDNA鑑定を受けようなどと言い出します。

ラスト近くの2人の言い争いのシーンが、なんともリアルなヒリヒリ感。
直哉の言葉は一見冷静で相手を思いやっているかのようでもあるのですが、
いや、やはりそれはどうにも利己的。
この勢いで語られたら、恐いです。
実の夫婦げんかをのぞき見ているような感覚です。

なんとも、息詰まる作品。

 

少し前に劇団「た組」加藤拓也さん作・演出で、藤原季節さんが出演する
「ドードーが落下する」という演劇を見ました。
珍しく、札幌でも公演があったのです。
加藤拓也&藤原季節さんのコラボ、今後も楽しみにしています。

 

<Amazon prime videoにて>

「わたし達はおとな」

2022年/日本/108分

監督・脚本:加藤拓也

出演:木竜麻生、藤原季節、菅野莉央、清水くるみ

 

ヒリヒリ度★★★★☆

対立度★★★★☆

満足度★★★★☆


「若き日の映画本 シアターキノ30周年記念出版」

2022年08月18日 | 映画(わ行)

シアターキノ様、お世話になります!

 

 

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ホウ・シャオシェン、是枝裕和、岩井俊二、文月悠光、宇野常寛、谷川俊太郎…
札幌のミニシアター「シアターキノ」30周年を記念して
映画監督や俳優、詩人、評論家たち41名が綴る「若き日の映画」エッセイ集。
10代・20代に見てほしい「わたしの映画」がこの一冊に。

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我が愛すべき札幌のミニシアター「シアターキノ」30周年を記念して出された本です。

ホウ・シャオシェンさん、是枝裕和さんなどの映画監督や、
俳優、詩人など41人が、10代・20代の若い人たちに向けて、
見て欲しい映画についての文章を寄せています。
全然若くはない、私にとっても大変参考になります。
何しろ私がせっせと劇場に通って映画を見始めたのがこのブログを始めた頃、
せいぜいが2005年前後くらいからなので、
それ以前のものはほとんど見ていないわけでして。

 

それにしてもこの本、内容もさることながら、本の作り自体がとてもユニークなのです。
使われている紙がカラフル。
時には紙の質も違う。
活字は縦に組まれたり横に組まれたり、
字の色も紙の色によって変わります。
そして何よりこのカバー。
外して広げてみると大きな一枚の紙。
これが「天空の城ラピュタ」を思わせるようなアートワークとなっているのです。

これがまた、私もずいぶんお世話になった「くすみ書房」の
故・久住邦晴氏のご長女クスミエリカさんの作品ということで。
個人的にも愛すべき本なのでした。

 

今や、シネコンなどではチケットは自動券売機が当たり前。
けれどいまだに対面販売のミニシアターのそのぬくもりが近頃身にしみるのです・・・。
キノは2室だけの小規模なシアターとはいえ、いつ行ってもそこそこ人がいます。

ところが、ほど近い某映画館は、こちらが心配になるくらいにガラガラのことが多いです・・・。
ミニシアター向け的な、いい作品も多いのですが・・・。
ここは、チケットは自動券売機で購入し
入場時はチケットのQRコードを機械にかざすという徹底した省人員体制。
とりあえず私は大丈夫ですが・・・。
でも平日の観客は高齢者層も多いことですし、
いっそ高齢者に優しく、すべて人の手を通すように変えた方がいいのではないかと思う次第。
ここはバリアフリーどころか激しくバリアだらけの劇場なのですが、
せめてもう少しぬくもりが欲しい・・・。
あ、ものすごーく余計な話になってしまった。

 

だからシアターキノの今のシステムはぜひ変えずに続けて欲しいのです。
これからもお世話になります!!

 

「若き日の映画本 シアターキノ30周年記念出版」

満足度★★★★☆

 


わたしは最悪。

2022年07月13日 | 映画(わ行)

最高で最悪のシーン

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ユリア(レナーテ・レインスベ)は、30歳。
医師になろうとしていましたが、気が変わって心理学を学び、
そしてまた次には写真家になろうと思っていて、
未だに人生の方向性が定まりません。
そんな彼女は今、年上の恋人・アクセル(アンデルシュ・ダニエルセン・リー)と一緒に暮らしています。
アクセルは最近しきりと身を固めたがっている様子。

ある夜、招待されていないパーティに紛れ込んだユリヤは、
若く魅力的なアイヴィン(ハーバート・ノードラム)に出会います。
ほどなくユリヤはアクセルと別れ、新しいアイヴィンとの恋愛に身を委ねますが・・・。

新しい恋にのめり込んで行くユリヤの映像がユニーク。
アクセルの家で、パチンと電気のスイッチを入れると、回りの何もかもが停止。
時間が止まった街をユリヤは軽やかに走り抜けて、アイヴィンの元へ・・・。
自分の欲望にまことに正直に、無邪気に笑みを浮かべて
「最高」の気分で、新しい恋人の元へ向かうユリヤ。
この高揚感が、とても印象的なシーンで表わされているわけです。

けれど実は、その行為は身勝手で、愚かで、「最悪」。
そうした反面的なメッセージを含んだシーンだったのかなあ・・・と思います。

オバサン的視点で見れば、アクセルはパートナーとして最高に思えるのですけどねえ・・・。
ユリヤは本当のことが見えていない。
彼女が大人になるためには、大きな試練が必要だったということか。
なんて言うと、まるでアクセルが踏み台になったみたい。
どうにも、この方が気の毒です・・・。

<シアターキノにて>

「わたしは最悪。」

2021年/ノルウェー・フランス・スウェーデン・デンマーク/128分

監督:ヨアキム・トリアー

出演:レナーテ・レインスベ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー、ハーバート・ノードラム

 

最悪の行為度★★★★★

満足度★★★.5

 


私は確信する

2021年12月22日 | 映画(わ行)

思い込みの危うさ

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2000年、フランスで実際に起こった未解決事件
「ヴィギエ事件」を題材とした裁判サスペンスです。

スザンヌ・ヴィギエが3人の子どもたちを残して姿を消しました。
数々の証言や疑惑から、大学教授の夫・ジャックが妻殺害の容疑者となります。
ジャックの無罪を確信するシングルマザーのノラは、
敏腕弁護士のデュポン=モレッティに弁護を依頼。
自らもアシスタントとなって調査を進めます。
そんな中、別の人物の疑惑が浮かび上がり、
ノラはその人物が真犯人と思うようになりますが・・・。

ヴィギエ夫妻の仲は冷え切っており、
スザンヌにはほとんど公認の恋人・デュランテがいました。
またジャックはヒッチコックの映画が好きで、
学生たちへの講義で「完全犯罪は可能だ」と言っていたこともあったのです。
そんなことから、ジャックに“真犯人フラグ”が立ってしまったわけです。
マスコミや世間からすっかり妻殺害の犯人扱いされてしまったジャック。

でも一番大事なことは、そもそも妻の遺体が発見されたわけでもない。
ジャックの犯行を裏付ける証拠も何一つない。
そんななかで、殺人罪を疑われるということがあり得るなんて・・・。
全く馬鹿げた話です。

まさに、いまやっているTVドラマによく似ていますね。
でもさすがにドラマ中では、世間のウワサだけで夫を逮捕したりはしない。
そこが救いです。

さて一方ノラは、デュランテの通話記録のテープ起こしを続けていたのですが、
デュランテが関係者たちに、ジャックの犯行を疑わせるような証言をするよう
誘導していることに気がつくのです。
そのためデュランテこそが真犯人と確信し、
息子のことも仕事も放りだして、狂ったように調査をし続ける・・・。
これこそが「正義」という思いで彼女は突き進んでいるわけですが、
デュランテが犯人ということの証拠も、もちろんないのです。

どちらにしても、思い込みだけで行動することの危うさ、
それを表わしているところがいいですね。
実話に基づきながらも、このノラというキャラクターは創作だそうです。
映画の作り手の思いが浮かび上がるよい設定でした。

 

結局、回りの思惑に振り回されず、ただ事実だけを見つめた弁護士の言葉が、
陪審員たちの心を落ち着けたように思います。

とても力のある作品です。

 

<WOWOW視聴にて>

「私は確信する」

2018年/フランス・ベルギー/110分

監督:アントワーヌ・ランボー

出演:マリナ・フィオス、オリビエ・グルメ、ローラン・リュカ、フィリップ・ウシャン

 

思い込みの危うさ★★★★★

満足度★★★★☆


私はいったい、何と闘っているのか

2021年12月21日 | 映画(わ行)

どうしても闘わなければいけませんか?

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スーパーのウメヤで働く、45歳、伊澤春男(安田顕)。
勤続25年にして万年主任。
信頼する店長の「春男はこの店の司令塔」という言葉にやる気をかき立てられて、
せっせと仕事に励みます。
いつか自分も店長になることを夢見て。
しかし彼のやる気や一生懸命さはいつも空回り。
結局結果は出ずに落ち込むようなことばかり・・・。

そんな彼のもう一つの生きがいは、家族。
妻・律子(小池栄子)と2人の娘と息子。
この4人は、こんなぱっとしない春男のことをよく分かっていて、
でも大好きのように見えます。

愛する家族とのかけがえのない生活。
そして、念願の店長への道。

そういうもののために、春男は闘っている・・・らしい?

目指す頂点がスーパーの店長というささやかなあたりが、
ごく庶民的でいいですよね。

気が利いて人望もありそうな春男は、お人好しでもあり、
それが結局彼の足を引っ張ることになります。
娘が連れてくる彼氏には、せいぜい威厳のあるところをみせたいと思うのですが、
やっぱりそれもうまくはいかない・・・。

さてところが、実はこの家族には私たちには明かされない「事情」があったのです。
そこが最後に明かされるところがミソですな。

結局彼は何と闘っていたのか。
いや、闘わずとも彼は始めからそれを持っていたのかも知れない。
そんな気がします。

いつも冷静に春男を見ていた、
スーパー店員・高井(ファーストサマーウイカ)がこんなことを言います。

「女性活躍とか、世間では言うけれど、私は別にえらくなりたいわけじゃない。
普通に仕事が出来ればいいんです」

私は思わず、「そう、ソレソレ」と深くうなずいてしまいました。
男性は社会の中でトップを目指そうとしますが、
女性はそうではないんじゃないかな・・・と思うことが多いです。
もちろん個人差はありますが、相対的に言って・・・。
女は群れのリーダーでなくても、自分の落ち着くポジションがあって平和にすごせるのなら、
それでOK。

女性の権利を主張する方ならこんなことを言うと、
女性はそう思わされている、というかな? 

でもだからといって、女性でトップの地位にいる人を否定するわけでは全然ないです。
適材適所というものもありますし。
むしろ女性の方が、偉くなりたいから、ではなくて、
私じゃなければこれが出来ないから、
という思いで前に立つ人が多いような気がします。

権力の座を争ってあれこれ画策するようなTVドラマや、
実際に「○○のドン」などと呼ばれる人をみたりすると、
なんでそんなに偉くなりたいのか、私には全然分からない・・・。
そしてその人の妻には絶対なりたくないと思う・・・。

ま、個人の感想です。

 

<サツゲキにて>

「私はいったい、何と闘っているのか」

2021年/日本/114分

原作:ツブヤキシロー

出演:安田顕、小池栄子、岡田結、ファーストサマーウイカ、SWAY、金子大地

 

奮闘度★★★☆☆(本当に、何と闘っていたのだろう)

家族愛度★★★★★

満足度★★★★☆

 


藁にもすがる獣たち

2021年12月12日 | 映画(わ行)

大金を巡って過酷な運命に翻弄される

* * * * * * * * * * * *

曽根圭介さんの同名小説を韓国で映画化したもの。

欲望をむき出しにした人々が、大金を巡り、
過激な運命に翻弄されていく様を描きます。

事業に失敗し、ホテルの清掃のバイトで生計をたてるジュンマン。
あるとき、ホテルのロッカーに、忘れ物のバッグを発見します。
その中には、10億ウォンの大金が・・・!!
ジュンマンはひとまず、ホテルの保管室にバッグを隠しておくことにします。

さて、この大金はどこから来たものなのか。

ジュンマンはこの大金を無事持ちだして使うことが出来るのか。

それとも、他の誰かに奪われてしまうのか。

失踪した恋人が残した多額の借金の取り立てに追われるテヨン。
暗い過去を清算し、新たな人生を始めようとするヨンヒ。
借金のため家庭崩壊したミラン。

 

すでにどん底の道を歩んでいるそれぞれが、大金を手に入れたいと夢見て、
そしてさらに大きく人生を踏み外して行くことになる・・・
恐ろしい物語です。

悲惨な死を迎える多くの人々を尻目に、
大金のことなど何も知らなかった認知症のジュンマンの母が言います。

「生きてさえいれば、なんとかなるよ」

とはいえ、生きていくのにもにもやっとというような
低賃金での生活が続くのはやっぱりしんどいですよねえ・・・。
一発逆転を狙う人々の気持ちは痛いほど分かります。

大金の行方を追う血みどろのストーリー。

刺身工場のシーンが、恐かった~。

<WOWOW視聴にて>

「藁にもすがる獣たち」

2020年/韓国/109分

原作:曽根圭介

出演:チョン・ドヨン、チョン・ウソン、ペ・ソウウ、ユン・ヨジョン、チョン・マンシク

血みどろ度★★★★☆

欲望度★★★★★

満足度★★★.5

 


私をくいとめて

2021年06月05日 | 映画(わ行)

もう一人の自分と会話する女

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何年も恋人がおらず、一人暮らしを続けている31歳、みつ子(のん)。
自らをお一人様と称し、独身生活を満喫しています。
彼女の脳内にはもう一人の自分である相談役「A」(声:中村倫也)が存在し、
人間関係や身の振り方に迷ったとき、アドバイスをくれるのです。
あるとき、取引先の若手営業マン・多田(林遣都)に、恋心を抱きますが・・・。

みつ子は就職をしてからそれなりに恋愛もしたし、職場の上司からセクハラを受けたりもして、
一応は歴戦のOLという体。
けれども本当はそんな出来事に傷つき、再び傷つくことを恐れていたのです。
そんな彼女を慰めるのは、自分自身である「A」。
「A」は辛辣なことも言うけれど、決して致命的なことは言わない。
そりゃそうです、自分自身なのだから。

そんな彼女に接近してきた多田もまた、みつ子と同様に恋愛に臆病に見える。
自炊ができないという多田に、みつ子が手作りの食事を振る舞うことになるのですが、
彼は決して部屋には上がらず、パック詰めした食事を持ち帰るのみ。
みつ子は物足りなく思うわけですが、
でも実は、このときの彼女にはこれくらいがちょうどいい。

ついにある日彼が部屋に上がったときにも、彼女は思わず思ってしまう。
相手の気持ちを伺って緊張するよりも、自分一人の方がずっと気楽でいい、と。
人と人との距離感の取り方が非常に難しくなっている今日ならではのストーリーに思えます。

イタリアに住んでいる、みつ子の親友がなんと橋本愛さんだったのにはちょっと嬉しくなりました。

中村倫也さんの声はなんともソフトで、こんな声と毎日会話できたら、
確かに一人暮らしも天国のよう、かもしれない・・・。

<Amazonプライムビデオにて>

「私をくいとめて」

2020年/日本/133分

監督・脚本:大九明子

原作:綿矢りさ

出演:のん、林遣都、臼田あさ美、片桐はいり、橋本愛、中村倫也

生きづらさ★★★★☆

満足度★★★★☆

 

 


ヲタクに恋は難しい

2020年12月28日 | 映画(わ行)

乙女心をくすぐる草食系メガネくん

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26歳OL成海(高畑充希)は、コミックやゲーム、コスプレ、BLを愛する腐女子。
そんな彼女が、転職先の会社で、幼なじみの宏嵩(山崎賢人)と出会います。
宏嵩はゲームオタク。
成海は自分が腐女子であることを会社では隠しているのですが、
宏嵩の前でなら本当の自分を晒し出すことができるのです。

そこで宏嵩は、ヲタク同士なら気楽に付き合うことができるのでは?
と提案し、二人は付き合うことになりますが・・・。

ミュージカル仕立てのラブコメ。
なんだか単純に楽しめて、こういうのもたまにはいいかな、と。
高畑充希さんは歌もしっかりしているので安心ですし。
中にはラ・ラ・ランドを意識したと思われる
夜景をバックにしたダンスシーンなんかもあって、しゃれています。

宏嵩の人物造形というのが、いかにも少女漫画に出てくるような胸キュン男子。
通常むっつりしていて、ため口をきく。
けれど本当は優しく主人公が大好き。
愛情表現は極めて不器用。
一見草食系メガネくん。

こんな彼が突然壁ドンなどしようものなら・・・ね、萌えるわ~。
おばさんまで舞い上がって胸キュンしちゃいます・・・。

途中から出てきた成海の上司は斎藤工さん。
これがまた通常の斎藤工さんのイメージを裏切る感じで、楽しめました。

<WOWOW視聴にて>

「ヲタクに恋は難しい」

2020年/日本/114分

監督・脚本:福田雄一

原作:ふじた

出演:高畑充希、山崎賢人、菜々緒、賀来賢人、今田美桜、ムロツヨシ、斎藤工

 

ミュージカル・ダンス度★★★☆☆

コミカル度★★★★☆

満足度★★★.5