家臣に疑いの目を向ければ、結局自分に帰ってくる
信長協奏曲 17 (17) (ゲッサン少年サンデーコミックス) | |
石井 あゆみ | |
小学館 |
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毛利方への内通を疑われた
秀吉の奮迅たる活躍で、進む中国方面攻め!!
また一歩一歩と天下統一へと近づくサブローに、
怪しい刺客が………!?
更に、サブローが尾張の海へ馬駆けへと
出掛けている最中に、安土城に残った
ミッチーは不意に帰蝶と出会い…!?
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信長協奏曲、新刊です。
本巻の表紙はミッチーこと明智光秀。
表紙初登場というのが意外ですが、
こうしてみるとサブローとうり二つとはいえ、はっきり雰囲気が違いますね。
本巻の目玉は、この光秀とサブロー信長の妻・帰蝶が二人きりで会うシーン。
信長に会いに来た光秀ですが、信長が留守で、
たまたま帰蝶と対面してしまったのです。
何しろ、帰蝶は本来この光秀の妻であったわけで・・・。
サブローと仲睦まじくイキイキ暮らしてしている帰蝶には
光秀も思うところがあるはず。
そして帰蝶も夫とそっくりな光秀の正体に実は気づいている。
「わたくしが嫁いだ織田信長様は、そなたなのか?」
と直截な質問に光秀は答えます。
「それがしは何も存じませぬ。あなたさまのことを、なにも存じませぬ。
そしてあなたさまも、それがしのことを何もーーーご存知ではありませぬ・・・」
互いに夫婦であった期間はあったけれど、
心を通わしたこともなく互いになにも知らない名前だけの夫婦だった。
と、暗に事実を認め合いながらもそれについては伏せたまま、現在の気持ちを語り合う。
大人の対応ですなあ・・・。
やはり光秀にはサブローに対する嫉妬とか対抗心はないように思えます。
とすれば本能寺はやはり秀吉の画策なのか・・・?
気が揉めることでございます。
信長は秀吉について、こんなふうに言う。
「秀吉くんに限らず、俺が家臣たちに疑いの目を向ければ、
多分そのまま俺にはね返ってくるんだよ。
・・・上にいる人間は、どんな状況になったとしても、
堂々と構えてるしかないんだと思うんだよね、結局。」
サブローは、かる~いヤツのように見えて、芯がどっしりしているというか、
まあ、だからこそここまで生き抜いてこられたわけなのですが。
それから本巻で初登場なのが石川五右衛門。
石川五右衛門って、この時代の人だったんですね!!
私達の知っているゴエモンとはイメージが違うけれど、そこがまた面白い。
そして、弥助さんが帰ってきた!!
よかった~。
信長のもとにいるうちは良いけれど、
外の世界ではさぞ生きにくかろうと思ったのですよね・・・。
ひと安心。
ただし結局このことが命取り・・・だったりはしないですよね・・・?!
「信長協奏曲 17」石井あゆみ ゲッサン少年サンデーコミックス
満足度★★★★☆