「おひとりさまの老後」 上野千鶴子 法研
「結婚していようがいまいが、誰でも最後はひとり」
この言葉にひかれて読んでみました。
まあ、私は既婚者ではありますが、女性の幸せは結婚ばかりではない、と常々思っている一人であります。
私が言うまでもなく、現代女性はあえて結婚しない方も多いですが、
「それで、老後はどうするの?」などと人に言われて、落ち込むことも多いのではないでしょうか。
けれど、この本では、女性の方が寿命は長いのだし、
夫婦は男性が年上のことが多いので、
ほとんどの場合、結局女性がおひとりさまの老後を迎えるのだ、といっています。
だから、このことで無理に結婚する必要はない。
では、老後の面倒を見てくれる家族は?というと、
そもそも、子供などあてになんかならない。
お互いに傷つくことが多いから、子供はあてにすべきではない、と、きっぱり著者は言い切っています。
ではどうするのか。
まず、孤独ということを問題にするなら、日頃から気兼ねなく付き合える友人を持ちなさい、という。
友人とのコミュニケーションは大事であると。
いざ、介護ということを問題にするなら、そのためのヘルパーや施設を利用すべきである、と。
もっとも、そのサービスにはピンからキリまで、いろいろあるので、きちんと調べることが必要。
何も、高いのがいいとは限らない。
しかし、どこかの施設に入るにしても、個室は絶対条件。
私たちはもう、四畳半の雑魚寝には戻れないのだ・・・と。
ごもっともです。
このように、覚悟を決めたら本当に、おひとりさまの老後も悪くないなあ、という気がしてきました。
友人と話したことがあります。
老後は共同で一つの家に住むのもいいねえ、なんて。
この話は、とにかく夫が先立つことを前提にしているのですけどね・・・。
これも、何でも一緒にべったりという関係ではなくて、
出かける人、TVを見る人、本を読む人、個人の好みはあまり干渉しないようにして、でも、夕食は一緒に、なんていうのがいいですね。
さて、この本は、女性限定本です。
著者は女性学、ジェンダー研究をされている方で、かなりキップのいいオバサマ。
男性が読むと、ムッと来ること間違いなしなので、読まないほうがいいですよ。
最後にこんな言葉があります。
なに、男はどうすればいいか、ですって?
そんなこと、知ったこっちゃない。
せいぜい女に愛されるよう、かわいげのある男になることね。
満足度★★★★