廃墟の街で人はまた25年後に向けて歩み始める

* * * * * * * * * *
牛やトラックが風に巻き上げられて空を飛ぶ・・・
そんなシーンを未だに覚えているのですが、
それは「ツイスター」という、本作と同じく竜巻をテーマとした作品。
しかしそれがもう20年ほども前の作品だというので、
驚いてしまいました。
しかし、本作はその時の竜巻にもましてパワーアップ。
作中でも誰かが言っていたのですが、
以前は一生に一度という巨大な竜巻が、
最近は月に一度起こる、と。
一度大雨が降ればたちまち洪水や土砂崩れに見舞われる、昨今の日本。
異常気象はもはや地球全体に襲いかかっているようです・・・。
そんな意味で、まことに今日的スケールの竜巻を描く作品・・・。

「ツイスター」でもそうでしたが、
観測のために荒れ狂う竜巻にあえて接近しようとする
「ストームチェイサー」たちが登場します。
アメリカ中南部、シルバートン。
そこの高校の教頭と息子たちが竜巻に遭遇。
竜巻のドキュメンタリー制作を目指すピート・ムーアの一行と共に、
竜巻に立ち向かいます。


しかし、幾つもの竜巻が合体し、直径3200メートルの超巨大竜巻となる・・・!?
いくらなんでもありえないでしょ・・・と思いつつ、
まあ、それを否定したら映画になりません。
いや、今や想定外の災難がむしろ当たり前に起こったりするわけですから・・・。
私は、なんだかずっと体を固く緊張させて見ていたような気がします。
飛ばされないように・・・。
本作はこんな風に超弩級の竜巻の描写がすごかったのですが、
竜巻の観測チームだけでなく、高校生ドニーら、
地元の人たちの描写があったのがよかった。
特に冒頭、ドニーは身の回りの人々に
25年後に向けたビデオタイムカプセルを撮影しているのです。
それぞれに自分の25年後を語る・・・。
多かれ少なかれそれは将来への希望であり夢なのです。
ところがそのほんの数時間後に、彼らは生死をかけた体験を積むことになる。
25年後どころではない。
夢も希望も一瞬で飲み込んでしまう
巨大で理不尽なもの・・・。

でも、竜巻の通り過ぎた廃墟の街で、
人々は家や街が破壊された悲しみよりも、
生き残れたことの喜びを噛み締めます。
そんなところでなんだかやっぱり人間っていいなと思わせられるのでした。
ノーテンキな動画投稿オタクたちは、
やっぱりそのノーテンキさ故に一命をとりとめたりするのも面白い。
竜巻の目では、ラピュタを思い出したりして・・・。
父と息子の相克あり。
恋もあり。
意外に楽しめた一作です。
「イントゥ・ザ・ストーム」
2014年/アメリカ/89分
監督:スティーブン・クォーレ
出演:リチャード・アーミテージ、サラ・ウェイン・キャリーズ、マット・ウォルシュ、アリシア・デブナム・ケアリー、ネイサン・クレス、マックス・ディーコン
迫力★★★★☆
満足度★★★★☆

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牛やトラックが風に巻き上げられて空を飛ぶ・・・
そんなシーンを未だに覚えているのですが、
それは「ツイスター」という、本作と同じく竜巻をテーマとした作品。
しかしそれがもう20年ほども前の作品だというので、
驚いてしまいました。
しかし、本作はその時の竜巻にもましてパワーアップ。
作中でも誰かが言っていたのですが、
以前は一生に一度という巨大な竜巻が、
最近は月に一度起こる、と。
一度大雨が降ればたちまち洪水や土砂崩れに見舞われる、昨今の日本。
異常気象はもはや地球全体に襲いかかっているようです・・・。
そんな意味で、まことに今日的スケールの竜巻を描く作品・・・。

「ツイスター」でもそうでしたが、
観測のために荒れ狂う竜巻にあえて接近しようとする
「ストームチェイサー」たちが登場します。
アメリカ中南部、シルバートン。
そこの高校の教頭と息子たちが竜巻に遭遇。
竜巻のドキュメンタリー制作を目指すピート・ムーアの一行と共に、
竜巻に立ち向かいます。


しかし、幾つもの竜巻が合体し、直径3200メートルの超巨大竜巻となる・・・!?
いくらなんでもありえないでしょ・・・と思いつつ、
まあ、それを否定したら映画になりません。
いや、今や想定外の災難がむしろ当たり前に起こったりするわけですから・・・。
私は、なんだかずっと体を固く緊張させて見ていたような気がします。
飛ばされないように・・・。
本作はこんな風に超弩級の竜巻の描写がすごかったのですが、
竜巻の観測チームだけでなく、高校生ドニーら、
地元の人たちの描写があったのがよかった。
特に冒頭、ドニーは身の回りの人々に
25年後に向けたビデオタイムカプセルを撮影しているのです。
それぞれに自分の25年後を語る・・・。
多かれ少なかれそれは将来への希望であり夢なのです。
ところがそのほんの数時間後に、彼らは生死をかけた体験を積むことになる。
25年後どころではない。
夢も希望も一瞬で飲み込んでしまう
巨大で理不尽なもの・・・。

でも、竜巻の通り過ぎた廃墟の街で、
人々は家や街が破壊された悲しみよりも、
生き残れたことの喜びを噛み締めます。
そんなところでなんだかやっぱり人間っていいなと思わせられるのでした。
ノーテンキな動画投稿オタクたちは、
やっぱりそのノーテンキさ故に一命をとりとめたりするのも面白い。
竜巻の目では、ラピュタを思い出したりして・・・。
父と息子の相克あり。
恋もあり。
意外に楽しめた一作です。
「イントゥ・ザ・ストーム」
2014年/アメリカ/89分
監督:スティーブン・クォーレ
出演:リチャード・アーミテージ、サラ・ウェイン・キャリーズ、マット・ウォルシュ、アリシア・デブナム・ケアリー、ネイサン・クレス、マックス・ディーコン
迫力★★★★☆
満足度★★★★☆