サンショウでぼけ知らず???
* * * * * * * * * *
本作のシャーロック・ホームズ役は、
ロード・オブ・ザ・リングのガンダルフでお馴染みのイアン・マッケラン。
私たちのよく知っているシャーロック・ホームズの老後を想定した物語となっています。
その年令というのがなんと、93歳。
その彼が日本への旅行から英国・サセックスの自宅に帰ってくるところから物語は始まります。
時代は日本の敗戦直後。
ホームズは日本に「山椒」を探しに行くのです。
そこでホームズを案内するのが真田広之演じる「ウメザキ」。
最近は真田広之さんも渡辺謙さんに並んで、
海外でも活躍する日本人の一人ですね。
さて、93歳のホームズは自らの記憶の退行に悩んでいるのです。
人の名前を覚えられないし、最近のこともうっかり忘れることが多い。
当然、以前のこともぼんやりと霞んできている。
そういう記憶力の衰えに「山椒」がいいという話を聞いたらしいのですね。
…そうなのか!?
私もせっせと山椒を食べることにしよう、などと思ったりして。
ホームズは現在探偵業は引退し、田舎で養蜂を趣味として暮らしているのですが、
探偵を引退した原因となったのが30年前のある事件。
未解決のままのその事件の詳細を、すでに彼は忘れかけてしまっているのですが、
山椒の効果なのや否や、徐々に思い出してゆく。
記憶の断片をつなげた結果こそが本作のストーリーです。
30年前、ホームズはある男性から
不可解な行動を取る妻の素行調査を依頼されました。
いつものように、彼は結局正しい推理を導き出すのですが、
その結果彼は心に大きなダメージを追うことになってしまうのです。
明晰な論理は大事だけれども、人の心に寄り添わなければだめなのだ・・・と、
もしかしたら最近のミステリへの警鐘なのかもしれません。
本作、93歳のホームズと身の回りの世話をしている女中、
そしてその息子ロジャーのことが描かれているところが良いですね。
ロジャーのように利発な少年は大好きです。
しかし、実のところ記憶力の減退に悩むヨボヨボのシャーロック・ホームズなんて、
あまり見たくはなかった・・・。
これをホームズの晩年とすることにさして意味があるとも思えません。
終戦直後の日本の光景というのも、
いかにも外国人が描く日本で、違和感満載。
原爆で壊滅状態の広島でホームズは山椒を発見して持ち帰るのですが、
それってすごく危険ではあるまいか・・・。
まあ、放射能で汚染されたものを食べても93歳なら問題ないか・・・。
日本が登場するのは嬉しいのですが、
だからこそ、かえってヘンテコに感じてしまったのが残念でした。
「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」
2015年/イギリス・アメリカ/104分
監督:ビル・コンドン
出演:イアン・マッケラン、ローラ・リニー、マイロ・パーカー、真田広之、ハティ・モラハン
奇天烈な日本度★★★★☆
満足度★★★☆☆
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本作のシャーロック・ホームズ役は、
ロード・オブ・ザ・リングのガンダルフでお馴染みのイアン・マッケラン。
私たちのよく知っているシャーロック・ホームズの老後を想定した物語となっています。
その年令というのがなんと、93歳。
その彼が日本への旅行から英国・サセックスの自宅に帰ってくるところから物語は始まります。
時代は日本の敗戦直後。
ホームズは日本に「山椒」を探しに行くのです。
そこでホームズを案内するのが真田広之演じる「ウメザキ」。
最近は真田広之さんも渡辺謙さんに並んで、
海外でも活躍する日本人の一人ですね。
さて、93歳のホームズは自らの記憶の退行に悩んでいるのです。
人の名前を覚えられないし、最近のこともうっかり忘れることが多い。
当然、以前のこともぼんやりと霞んできている。
そういう記憶力の衰えに「山椒」がいいという話を聞いたらしいのですね。
…そうなのか!?
私もせっせと山椒を食べることにしよう、などと思ったりして。
ホームズは現在探偵業は引退し、田舎で養蜂を趣味として暮らしているのですが、
探偵を引退した原因となったのが30年前のある事件。
未解決のままのその事件の詳細を、すでに彼は忘れかけてしまっているのですが、
山椒の効果なのや否や、徐々に思い出してゆく。
記憶の断片をつなげた結果こそが本作のストーリーです。
30年前、ホームズはある男性から
不可解な行動を取る妻の素行調査を依頼されました。
いつものように、彼は結局正しい推理を導き出すのですが、
その結果彼は心に大きなダメージを追うことになってしまうのです。
明晰な論理は大事だけれども、人の心に寄り添わなければだめなのだ・・・と、
もしかしたら最近のミステリへの警鐘なのかもしれません。
本作、93歳のホームズと身の回りの世話をしている女中、
そしてその息子ロジャーのことが描かれているところが良いですね。
ロジャーのように利発な少年は大好きです。
しかし、実のところ記憶力の減退に悩むヨボヨボのシャーロック・ホームズなんて、
あまり見たくはなかった・・・。
これをホームズの晩年とすることにさして意味があるとも思えません。
終戦直後の日本の光景というのも、
いかにも外国人が描く日本で、違和感満載。
原爆で壊滅状態の広島でホームズは山椒を発見して持ち帰るのですが、
それってすごく危険ではあるまいか・・・。
まあ、放射能で汚染されたものを食べても93歳なら問題ないか・・・。
日本が登場するのは嬉しいのですが、
だからこそ、かえってヘンテコに感じてしまったのが残念でした。
「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」
2015年/イギリス・アメリカ/104分
監督:ビル・コンドン
出演:イアン・マッケラン、ローラ・リニー、マイロ・パーカー、真田広之、ハティ・モラハン
奇天烈な日本度★★★★☆
満足度★★★☆☆