知られざる戦闘
TEAM NACS 第16回公演PARAMUSHIR ~信じ続けた士魂の旗を掲げて Blu-ray豪華版 | |
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2018年
原案・演出:森崎博之
脚本:林民夫
1945年8月15日。
太平洋戦争において日本がポツダム宣言を受諾し無条件降伏した日。
しかし、この物語はそこから始まります。
当時の日本の最北端の孤島「幌筵島」。
「ぱらむしる」と読みます。
なんだか意味不明の題名だと思ったら、この島のことだったんですね。
千島列島のカムチャツカ半島に一番近いところに、
この幌筵等と占守(シムシュ)島があります。
ここに対米の日本軍基地があったのです。
8月15日、天皇陛下の玉音放送。
ここでは電波が悪く、しかも聞き取れたとしてもその真意はわかりにくい。
兵たちは、さらに「死ぬ気で頑張れ」という意味かと思ったりしたのですが、
それでも、終戦となったということが次第に理解されていきます。
そこで武装解除を始めた矢先、突如ソ連軍が攻め入ってきたのです。
兵士たちは戸惑いながらも、再度気持ちを奮い立たせて、立ち上がる・・・。
8月15日を過ぎても続いていた戦争のこと・・・。
確か以前「野のなななのか」という作品でも触れられていましたが、すっかり忘れていました。
北海道民としては、しっかり心に刻んでおくべきことでした。
本作にはTEAM NACSの5人だけではなく、大勢の俳優さんも出演。
特に缶詰工場の女性たちの歌声は涙を誘うところです。
TEAM NACSそれぞれの役柄は・・・
★小宮少尉(森崎博之)
父親や兄弟たちも名だたる軍人。
それで彼も周囲からは期待されているのですが、本人はそういう器ではないと思っている。
本来温厚で軍人には向かないタイプ。
★桜庭上等兵(安田顕)
南方戦線で九死に一生を得て帰還。
しかし、東京の空襲で妻子は亡くなっており、生きる意欲を失っている。
しかしこの度のことで、また「戦う」ことの意義を見出していく。
★田中二等兵(戸次重幸)
孤児で、各地を転々とするも、ようやく小樽で愛する人とめぐりあい結婚。
間もなく子供が生まれるというところで召集された。
なんとしても生きて帰りたいと思う。
★水島軍曹(大泉洋)
典型的な帝国軍人であったが、一度終戦を知ってからは戦うことの意義を見失い、
考えが変わる。
★矢野整備兵(音尾琢真)
以前激戦地で、臆病なために最先端に立たず、
幾人もの戦友の死をただ見ているだけだったことをひどく悔いていおり、
この場を自分の命の捨て場と思いつめている。
これらの立場の違う5人がたまたま寄せ集まってチームを組むことになりますが、
ほんのひととき、互いの身の上を語り合う穏やかな時間を過ごします。
彼らが、今更ながら命をかけても守ろうと思ったものとは・・・。
実に見ごたえのあるドラマ。
私はやはり安田顕さんの熱演にしびれました。
ということで、TEAM NACSのシリーズは一応ここでおしまいです。
次作はぜひ、ナマで見てみたいものです・・・
歴史発掘度★★★★★
満足度★★★★★