「幸福論」 須藤元気 ランダムハウス講談社
著者は格闘家として活躍していましたが、2006年12月に突如引退を表明したという。
当方、格闘技など、まったく興味もない「おばさん」ゆえ、この方の名前すら知らなかったというのが実のところです。
店頭で、表紙のお遍路さん姿の彼の写真をみて興味を持ちました。
まだ、お若いのにお遍路さん、そして「幸福論」とは。
以前から、四国のお遍路さんには興味があって、そこを行く若い男性、しかも、お遍路さんとは縁がなさそうな格闘家???
とにかく読んでみなくては・・・です。
そこには気取りがなく自然体の彼がいました。
彼が敬愛するのは空海であり、坂本竜馬だったりするのですが、
それを述べるにもまったく構えず、
コミックやアニメの人物が、たとえでポコポコ出てきたりする。
実は難しく、深いことも、このように自分の言葉で語る彼に、好感を覚えました。
私はそもそも、お遍路さんは全行程「歩く」ものだと思っていました。
でも、これは88箇所のお札を集めることに意義があるのであって、別に手段は問わないようです。
車だろうがチャリだろうが、山はロープーウェイでも。
そうだったのか・・・。
(須藤さんは、無論ほとんどを歩いています。自転車も有り。念のため。)
とにかくひたすら歩く。
そうしていると、まったく何も考えない[無」の時があるという。
そんな風に心を真っ白にして、田舎道を歩いてみたいと思います。
いつか私もたどってみたい道です。
時間制限無しでね。・・・
退職後の話だなあ・・・。
彼は「ありがとう、ありがとう・・・」と唱えながら歩いたといいます。
”ことば”はいつか、形になる。
「幸福だから楽しいのではなく、楽しんでいるから幸福なのだ。」
そう、まずなにごとも、ポジティブに楽しみましょう。
満足度★★★★