バラエティに富み、楽しめる!
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死神を思わせる風貌の警部が、
完璧だったはずの殺人計画を徐々に崩壊へと導いてゆく
―倒叙ミステリ「運命の銀輪」をはじめ、
残虐な場面が上映されているにもかかわらず観客席の闇の中で
微笑を浮かべる女性の謎を追いかける傑作「闇ニ笑フ」、
米大統領選挙の熱狂の最中に発見されたひとつの死体の謎を
ファンタスティックな筆致で描く力作本格推理「幻の銃弾」など七編を収録。
* * * * * * * * * *
先に読んだ同著者による「こめぐら」と同時発売の本作。
読みたいと思いつつ・・・やっとこの度読みました。
これが面白かったですねえ・・・。
私としては「こめぐら」よりこちらのほうが好きかもしれません。
この本の紹介と同じく、私もこの3作がお気に入り。
冒頭「運命の銀輪」には、刑事コロンボのドラマ並に、
そ知らぬ顔をして犯罪を包み隠そうとする犯人を
意地悪く追い詰めていく警部が登場しますが、
その風貌がなんとも陰気でまるで死神・・・。
非常にユニークなキャラです。
「闇に笑う」では、映画館でバイトする主人公が、
戦争のなんとも悲惨な実録シーンを
「笑み」を浮かべながら見ている美しい女性の存在に気づきます。
彼女はなぜ笑うのか???
興味はつきませんが、真相になお一つの驚きがプラス。
何やら怪しげな題名ではありますが、実は感動のストーリーです。
ラスト「幻の銃弾」。
著者には珍しくアメリカはニューヨークが舞台で、
登場人物もすべてあちらの方。
・・・つまりは翻訳物を読んでいるような雰囲気たっぷりの異色作。
米大統領選挙でひしめく群衆の中で起きた一つの事件。
・・・なるほどこれは確かに、日本が舞台では成り立ちにくいストーリーなのです。
こんな風に粋なミステリを描くこともできるんだなあ・・・と、
ちょっと著者の力量に感動しました。
ノンシリーズ作品集。
バラエティに富んでいて、いろいろな可能性もあり、
ユニークな企画で成功していると思いました。
「なぎなた」倉知淳 創元推理文庫
満足度★★★★☆
![]() | なぎなた (創元推理文庫) |
倉知 淳 | |
東京創元社 |
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死神を思わせる風貌の警部が、
完璧だったはずの殺人計画を徐々に崩壊へと導いてゆく
―倒叙ミステリ「運命の銀輪」をはじめ、
残虐な場面が上映されているにもかかわらず観客席の闇の中で
微笑を浮かべる女性の謎を追いかける傑作「闇ニ笑フ」、
米大統領選挙の熱狂の最中に発見されたひとつの死体の謎を
ファンタスティックな筆致で描く力作本格推理「幻の銃弾」など七編を収録。
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先に読んだ同著者による「こめぐら」と同時発売の本作。
読みたいと思いつつ・・・やっとこの度読みました。
これが面白かったですねえ・・・。
私としては「こめぐら」よりこちらのほうが好きかもしれません。
この本の紹介と同じく、私もこの3作がお気に入り。
冒頭「運命の銀輪」には、刑事コロンボのドラマ並に、
そ知らぬ顔をして犯罪を包み隠そうとする犯人を
意地悪く追い詰めていく警部が登場しますが、
その風貌がなんとも陰気でまるで死神・・・。
非常にユニークなキャラです。
「闇に笑う」では、映画館でバイトする主人公が、
戦争のなんとも悲惨な実録シーンを
「笑み」を浮かべながら見ている美しい女性の存在に気づきます。
彼女はなぜ笑うのか???
興味はつきませんが、真相になお一つの驚きがプラス。
何やら怪しげな題名ではありますが、実は感動のストーリーです。
ラスト「幻の銃弾」。
著者には珍しくアメリカはニューヨークが舞台で、
登場人物もすべてあちらの方。
・・・つまりは翻訳物を読んでいるような雰囲気たっぷりの異色作。
米大統領選挙でひしめく群衆の中で起きた一つの事件。
・・・なるほどこれは確かに、日本が舞台では成り立ちにくいストーリーなのです。
こんな風に粋なミステリを描くこともできるんだなあ・・・と、
ちょっと著者の力量に感動しました。
ノンシリーズ作品集。
バラエティに富んでいて、いろいろな可能性もあり、
ユニークな企画で成功していると思いました。
「なぎなた」倉知淳 創元推理文庫
満足度★★★★☆