まだ正解のない問い
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この世界はわかっていることよりも、わかっていないことの方が多い。
研究者たちは仮説を立て、検証を繰り返して、事実に迫ろうとする。
そこではそれぞれに説得力のあるさまざまな説が入り乱れ、謎は容易に解けない。
本書では、さまざまなジャンルで提唱されている“謎"と、
その解明に迫る“諸説"を紹介する。
事実と認定されたものは教科書や参考書に掲載されるが、
本書で紹介するのは、まだ教科書に載せられるほど定説が定まっていないものや、
いったんは教科書に掲載されたものの異論が唱えられて書き換えられてしまったもの、
あるいは定説が定まっていないために、各論が併記されているものなど。
そうした謎に満ちた世界を、わかりやすく、楽しく味わえる。
「世界史」「日本史」「科学」「動物」「宇宙」の5ジャンルからテーマを集め、
文系でも理系でも気軽に読める内容に構成されている。
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この本には、様々なジャンルで提唱される「謎」と、
その解明に迫る「諸説」が紹介されています。
私などの年代が子どもの頃には十七条憲法や冠位十二階を制定したのは聖徳太子と習ったものですが、
今の教科書では 聖徳太子は厩戸皇子(これについては、「日出る処の天子」ファンの私は大いに納得)、
そしてこれらをすべて1人でこなしたわけではない、ということになっているそう。
すなわち、検証を繰り返すうちにやがて圧倒的な説得力を持った隙のない検証結果が見つかることがあって、
そうなるとその「説」が「事実」として世に受け入れられるようになるわけなのですね。
そこでこの本に紹介されているのは、まだどれも「事実」としては受け入れられていないものたち。
例えば、
★ケネディ暗殺の黒幕は?
諸説としては、
①オズワルド単独犯行説、②ソ連陰謀説、③カストロ陰謀説、
④CIA陰謀説、⑤マフィア陰謀説、⑥ジョンソン陰謀説
なんだか、小説のネタになりそうです・・・。
★明智光秀はなぜ本能寺の変を起こした?
①遺恨・怨念説、②野心説、③朝廷黒幕説、④四国説
「麒麟が来る」ではどの説が中心となるのか・・・、楽しみです。
ぐっと趣は変わって
★「つわり」はなぜ起こる?
①自律神経の乱れ説、②イオンバランスが崩れる説、
③ホルモンバランスの乱れ説、④免疫による反応説
つわりには私も悩まされた口でして、つい気になってしまう。
でもこんな理屈はともかくとして、
「まだ流産の危険性の高い妊娠初期に、
妊娠に気づき、常に自ら意識して過激な運動をしないように、との注意信号」
なのではないかと、私は理解しておりましたが・・・・。
★巨大ブラックホールはどのように生まれた?
・・・四つほど諸説は揚げられていますが、どれについても、よくわかりません・・・
などなど・・・とても興味深くはありますが、結局どれが正解かの答えはありませんので、
なんだかそんなところで少しモヤモヤします。
将来解き明かされることがあるのかもしれませんので、それを期待しましょう・・・。
私の生存中にはムリかも・・・。
図書館蔵書にて
「その話、諸説あります。」ナショナルジオグラフィック編 日経ナショナルジオグラフィック社
満足度★★★☆☆