映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

双葉荘の友人

2023年08月08日 | 映画(は行)

過去と現在が同居する家

* * * * * * * * * * * *

第8回WOWOWシナリオ大賞受賞作。

 

高台のテラスハウス・双葉荘に越してきた
川村夫妻、川村正治(市原隼人)と、美江(臼田あさ美)。
正治は舞台監督の仕事を辞め、在宅でライター業を始めます。

そしてそんな頃から、正治に、26年前に同じ部屋に住んでいた
倉田誠司(中村倫也)という画家の幻影が見えるようになります。
正治と誠司は、同じ部屋を共有しながら
共にふれあったり語り合ったりはできないのですが、
紙に書いた文字で互いの意思疎通はできるのです。
どちらも現在妻の収入に頼る形で暮らしている、と言うことからか、
なんとなく気があって互いに親しみを持つように。

しかしある日、正治は過去に起こったとんでもない事件を目撃することに・・・。

 

 

言ってみればこの家には過去と現在が同居している。
それぞれの人物たちの不思議な交流の物語なのかと思えば、なんと思わぬサスペンス!!
これはつらい・・・。

 

謎めいた彼らの隣人・一人暮らしの人妻の正体は、
なんとなく見当はついたのですが、それにしてもリアルすぎるので、
騙された感が強いですね。
一緒に食事をとるなど、あとから思い返しても謎すぎる・・・。
もう少し曖昧な交流の仕方でもよかったのかも。

ともあれ、すべての謎が明かされたときの、ほわ~っとした感動、
これがなかなか心地よい。

 

過去は今とは地続きで、必ず現在に繋がってくるわけですね。

シナリオ大賞というのも納得です。

 

<Amazon prime videoにて>

「双葉荘の友人」

2016年/日本/116分

監督:平松恵美子

脚本:川崎クニハル

出演:臼田あさ美、市原隼人、中村倫也、陽月華、中嶋朋子、中原丈雄、吉行和子

 

伏線度★★★★☆

満足度★★★★☆