歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

慶応の敷地、旧・田安徳川邸跡地(三田)から、「文明開化」の文字が記された皿が出土

2011年12月11日 | Weblog
 明治初期に、「文明開化」の文字を記した小皿が、東京・三田の慶応大学中等部敷地内で出土した、との昨夕のニュースは、読売新聞だけの報道であったようだ。
 慶応がこの種の品を作った記録はないが、「文明開化」は慶応義塾の創設者・福沢諭吉が最初に使った言葉だけに、歴史の因縁を感じさせる発見としている。
 Wikipediaによると、「『文明開化』という言葉は、福沢諭吉が『文明論之概略』(明治8年(1875))の中で、civilizationの訳語として使ったのが始まりである。」としているが、福沢諭吉の『学問のすすめ』三編(明治6年(1873)12月出版)で既に、使用している。
■ 国は同等なる事
(略) 今世界中を見渡すに,文明開化とて,文字も武備も盛んにして富強なる国あり,或は蛮野未開とて,文武ともに不行届にして貧弱なる国あり。(略)

 小皿は直径11cmで瀬戸美濃系の磁器で、慶応大が2009~10年に行った発掘調査で、明治半ば頃に埋まったとみられるゴミ穴などから計2点見つかっている。 調査地は1875年(明治8年)には田安徳川家の邸宅になっており、大正元年(1912)まで同家の敷地。 慶応の所有となるのは戦後なので、小皿は同家で使用されていたものと考えられるという。
 徳川宗家16代当主・徳川家達の弟である田安徳川家第9代当主徳川達孝(さとたか、1865-1941)が三田に邸宅(港区三田2丁目)を構えていたというから、この場所であろう。
[参考:読売新聞]
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