市教育委員会は11日、奈良時代の8世紀、唐や朝鮮半島に対する防衛のために築かれたとされる怡土城跡(前原市)に近い金武青木A遺跡(福岡市西区金武)から、「延暦十年」(791)あるいは「怡土(いと)郡」などと書かれた木簡9点が出土したと発表した。
「怡土郡擬大領」「郡専當其事案主」「□令専當其事案主□」「三二人」と記された木簡も見つかり、怡土郡の長官に対し、城の造営に携わる人員の手配を指示したものとみられ、大宰府防衛の拠点として同郡に築かれた古代山城「怡土城」の造営とのかかわりもうかがえるという。
別の木簡には「志麻郡」や人名の「物部嶋□、谷田部長足」「□公浄足、三家連敷浪」(注)などとあり郡を越えて人が動員された可能性がある。
同遺跡は6月から調査を開始。8世紀中頃から末期にかけて使われたとみられる建物跡が見つかり、周辺から鉄を作った鍛冶炉跡や木簡や土器などが発見された。築城や武器製造のために鉄を供給した施設があったとみている。延暦10年(791)は、施設が使用された期間の最終盤に当たるという。同遺跡から木簡が出土したのは今回が初めて。
現地説明会が13日午前10時~午後3時に開かれる。市埋蔵文化財センター(博多区)では、15~20日まで出土品の展示会が開かれる。
[参考:西日本新聞、読売新聞、スポーツニッポン新聞]
(注)「三家連」
①「古事記」神武天皇の条に「神八井耳命は…筑紫の三家連(みやけのむらじ)…等の祖なり。」と記される。
②「観世音寺文書・筑前国」の「三家連豊継解案」(天平宝宇二年、758)に、早良郡額田部人夫戸主・三家連息嶋、同豊継、三宅黄金などの名が見える。
福岡・金武青木遺跡 広域防衛示す木簡出土 怡土城 近隣から人員動員?(西日本新聞) - goo ニュース
「怡土郡擬大領」「郡専當其事案主」「□令専當其事案主□」「三二人」と記された木簡も見つかり、怡土郡の長官に対し、城の造営に携わる人員の手配を指示したものとみられ、大宰府防衛の拠点として同郡に築かれた古代山城「怡土城」の造営とのかかわりもうかがえるという。
別の木簡には「志麻郡」や人名の「物部嶋□、谷田部長足」「□公浄足、三家連敷浪」(注)などとあり郡を越えて人が動員された可能性がある。
同遺跡は6月から調査を開始。8世紀中頃から末期にかけて使われたとみられる建物跡が見つかり、周辺から鉄を作った鍛冶炉跡や木簡や土器などが発見された。築城や武器製造のために鉄を供給した施設があったとみている。延暦10年(791)は、施設が使用された期間の最終盤に当たるという。同遺跡から木簡が出土したのは今回が初めて。
現地説明会が13日午前10時~午後3時に開かれる。市埋蔵文化財センター(博多区)では、15~20日まで出土品の展示会が開かれる。
[参考:西日本新聞、読売新聞、スポーツニッポン新聞]
(注)「三家連」
①「古事記」神武天皇の条に「神八井耳命は…筑紫の三家連(みやけのむらじ)…等の祖なり。」と記される。
②「観世音寺文書・筑前国」の「三家連豊継解案」(天平宝宇二年、758)に、早良郡額田部人夫戸主・三家連息嶋、同豊継、三宅黄金などの名が見える。
福岡・金武青木遺跡 広域防衛示す木簡出土 怡土城 近隣から人員動員?(西日本新聞) - goo ニュース