日本経済新聞が土曜日授業を取り上げていた。何年か後の備忘録として、そのまま引用する。(NIKKEI.NETより)
【公立校改革、土曜授業を月2回復活・教育再生会議報告案】(5.21)
政府の教育再生会議(野依良治座長)が5月中にまとめる第2次報告に盛り込む公立の小中高校再生策の概要が20日、明らかになった。子供の学力向上に重点を置き、毎月2回の土曜日を正規授業日とするよう提言。小学校などの英語教育を含めて、教科書の質や量の充実を図る方向を示した。実現すれば、2002年に完全移行した学校週5日制を見直し「ゆとり教育」を本格的に転換することになる。
学校再生策は同会議の第1分科会(主査・白石真澄関西大教授)を中心に検討してきた。1月の第一次報告が示した「授業時間数10%増」を具体化するため、土曜授業の復活が浮上。委員から「平日に授業を詰め込むよりもよい」「保護者の要請も強い」など前向きな意見が出たため、1カ月の約半分となる毎月2回の土曜授業を打ち出す。【社説1 土曜授業復活は生活と学習の得失考えて】(5.23)
公立学校の「完全週5日制」を見直し、土曜日の授業を一部復活させる案が、教育再生会議で浮上している。学力の底上げを進めるための具体策として検討に値するが、様々な副作用が予想され、実現するには解決すべき課題も多い。国民的な議論が欠かせないテーマである。
1992年にまず月に1回の土曜休みで始まった学校の週5日制は、95年から月2回に増え、2002年からは完全週休2日になった。
文部科学省は、週5日制によって子どもたちが家庭や地域で過ごす時間が増え、社会体験や自然体験を充実させられると説明してきた。多くの企業や官公庁で週休2日制が定着し、学校の週2日休みも国際的な流れになっている。
問題は、「ゆとり教育」路線と相まって週5日制の下で授業時間や学習内容が大幅に削られ、学力低下の懸念を招いてきたことだ。
文科省は土曜日に地域で学びの場を提供する「子どもプラン」などを推進しているが、十分機能しているわけではない。むしろ一部では、学習塾が学校の代わりに週末の子どもの受け皿になっている。
教育再生会議は第1次報告で授業時間数を1割増やすよう提言した。土曜の授業はその手立ての一つである。正規の土曜授業を月に2回実施する案や、現行の週5日制を維持しつつ土曜の授業も奨励する案などがあり、再生会議は第2次報告で具体的な方向性を示すという。
とはいえ、学校の完全週5日制はすでに6年目に入り、社会的にもほぼ定着した。多くの家庭では子どもの土曜休みを前提に週末の計画を立てているのが実情だろう。
これを元に戻すとなれば、一般家庭への影響は大きい。家庭や地域での教育の拡充を目指す動きに逆行する要素もある。教員の勤務時間増加への対応策も課題になる。
週休2日制とともに学校の週2日休業が世界の大勢になっているなかで、あえて土曜授業に頼らなければ日本は学力の向上を進められないのかとの指摘もあろう。学習内容を充実させる方法がほかにないのか、検討する余地はある。
各家庭の週末の過ごし方に影響するだけに、この問題への保護者の関心は極めて強い。
「ゆとり」路線修正を目指す教育再生会議は、2次報告の大きな目玉として土曜授業の復活を打ち出す意向とみられる。その際には、まず結論ありきではなく、土曜の授業実施が学力向上に欠かせないという十分な説得材料が必要になるだろう。
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5月28日の新聞報道によれば、1日の総会後、政府が6月にまとめる「骨太の方針」に反映させることになったようだ。新聞各紙・ウェブサイトにも記事が掲出されていた。
どうなることやら。