...は、「マトリックス」のラナ&アンディ・ウォシャウスキー監督による新作。邦題は「ジュピター」*である。
予告編で気になったのは、以下のメッセージ...
「マトリックス」から16年。
映像革命の
新章はじまる。
ストーリーはどうなんだろう。。。
若干心配になったが、小説の映像化でも、リブートでもない完全なオリジナルストーリーに期待して劇場に出向いた。
(あらすじは公式サイトに出ている。)
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●雑感●
オリジナルストーリーである。これは間違いない。
主人公「ジュピター」(ミラ・クニス)と、彼女を守る遺伝子操作により生まれた、最下級戦士「ケイン」(チャニング・テイタム)を軸に物語が進む。カテゴリーとしては、アクション・アドベンチャーSFだろう。
ストリーはシンプル。お話し自体はどこかで見聞きしたような感じ。「シンデレラ」「みにくいアヒルの子」だろうか。
主役を引き立たせるのはどんな映画でもいい脇役、敵役である。エディー・レッドメインが「バレム」という「地球の所有者」(すごい設定)を演じている。
彼はスティーヴン・ホーキング博士を「博士と彼女のセオリー」(The Theory of Everything)で演じた。彼は同作でアカデミー主演男優賞だ。知っている顔のはずなのに、映画を見た後で、パンフレットで名前を見るまでわからなかった。博士役のイメージがないのはあたりまえだが、アカデミー賞の授賞式の育ちのよさそうな雰囲気も全くない。すごくイヤなやつを演じている。
ミラ・ジョボビッチの出世作、ブルース・ウィリス主演の「フィフス・エレメント」(1997)で、ゲイリー・オールドマンが演じたゾーグを、もっと神経質、狂って、陰湿にした感じ。
全体的に個々のエピソードをつなぐには、ややアクションシーン・戦闘シーンが長い気がする。若干間延びした感じの部分と、もっと描いてほしい部分もある。でも、まあ、これは僕の感じ方。趣味(好み)の問題だろう。
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「映像革命に新章」かどうか。
これはやや違う気がする。先行する数多くの作品と、縁が切れているとは、いえないと思う。新章とするほどの、目新しさはあまりない。いい部分のエッセンスを、リファインしているのはわかる。でも、それを新章とできるのか。やや、違う気がする。
僕は見ていて以下の作品を思い出した。
・Star Trek(2009, 2013)
J・J・エイブラムス監督の2作品と、「音」(サウンド・エフェクト)が似ている。
ケインは耳がとんがっている。
・009 RE: CYBORG(2012)
ケインはある方法を使って、空中を自由に動き回る。
・リターナー(2002)
ケインが乗り込む戦闘機のビジュアル
・フィフス・エレメント(1997)
何となくだが、街の様子。
・GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1995)
・AKIRA(1988)
光学迷彩+バイク
あくまでも僕が思うだけだが。
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4月はいよいよ「寄生獣 完結編」である。
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*ascendは、他動詞で「〈王位に〉のぼる」という意味がある。作品の内容から考えると、省略しない方がいいのだが、やむを得ないか。