8月14日の「平成29年度埼玉県公立高等学校入試 英語リスニングテスト分析」の続き。
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リスニングテスト以外は別問題になった、平成29年度の埼玉県公立高校英語入試問題。通過率の比較をしてみた。通過率とは、得点の合計を、人数✕配点で割ったもの。問題6以外は択一式なので、通過率=正答率である。なお、今回のデータは抽出答案(377だと思う)から出されたものである。
表にしてみた。
「率あ」は英語問題、いわゆる標準問題である。
「率い」は(学校)選択問題である。
問題№ | 率あ | 率い |
問題1 | 73.2 | 95.0 |
問題2 | 72.1 | 98.4 |
問題3 | 77.2 | 96.3 |
問題4 | 51.5 | 94.2 |
問題5 | 48.8 | 94.2 |
問題6(1) | 79.6 | 95.8 |
問題6(2) | 74.5 | 97.3 |
問題6(3) | 39.5 | 84.6 |
問題7(1) | 80.4 | 97.6 |
問題7(2) | 45.9 | 79.0 |
問題7(3) | 62.3 | 95.5 |
問題6以外は択一問題である。
通過率を見てみよう。
標準問題では問題4、問題5が50%前後、問題7(2)は45.9%、問題6(3)は40%以下である。
選択問題では問題7(2)が80%を下回っているが、それ以外は95%程度である。選択問題の受検者の大問2~大問4の各小問の通過率は、10%台から90%台までばらつきがある。しかしリスニングに関しては、小問間の通過率に顕著な差異が見られない。簡単な言い方をすれば、全部の問題が、できちゃっているのである。これでよしとするか。
標準問題の各小問の▽通過率の平均は64%である。選択問題は93%である。
今回の学力検査結果の分析によれば、選択問題実施校に出願した生徒たちは、標準問題の受検者とは、学力があきらかに差違がある集団と見なせる。リスニング問題の問題4と5の聞き取るべき英文を増やし、負荷を加える等で難化させることを考えるべきかもしれない。問題6も解答を単純に名詞で答えさせるだけではなく、文章による解答にする等、もとめる解答を、もう少し複雑にするべきかもしれない。来年度はともかく、形式の変更を含め、今年のデータを精査・検討が必要だろう。
実施された選択問題の大問2からは、事前の提示(サンプル)とは、かなりレベル乖離していた印象を受けた。リスニングも、標準問題とは別個にすべきことになるかもしれない。
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▽通過率の平均
各小問の通過率を合計し、11で割り、算出した。
平成27年度入試では77%、平成28年度入試では68%である。