『協定案を英議会で可決させてEUを離脱したら、離脱後に必要になる通商協定など、次の段階の交渉は、後任のリーダーに任せる意向を示した』とのことだ。
これはどう読んでも「メイ首相の辞意表明」である。辞意を表明した首相に何ができるのだろう。多くは望めない。下手をすると、何もできないのではと思う。
10年以上前、「何で言っちゃうのかな。。。」でも書いたことだが、首相が「辞める」を政策推進の条件にしても、少なくとも日本ではあまり意味はない。
イギリスでは違うのだろうか。
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’16年8月21日に「英国のEU離脱、2019年後半にずれ込む可能性=英紙」で、僕はこんなことを書いている。
現在の英国政府は保守党が単独過半数。よほどのことがない限り、不信任投票が通ることはない。テリーザ・メイ内閣が立ち往生することはないだろう。ただし、EUからの離脱作業がはじまれば、「もう一度投票させて」がどの程度の政治的圧力になるかわからない。
保守党、労働党の次の議席数を占めるのはSNP(スコットランド国民党)である。SNPはスコットランドにおける庶民院議席のほぼすべてを握っている。そしてEU離脱を問う国民投票において、スコットランドの民意は離脱反対である。まだまだ先は見えない。
2年半経過、テリーザ・メイ内閣は限りなく立ち往生状態だ。政治において、一寸先は闇とは、よく言ったものだ。
首相就任前のメイ下院議員(内務大臣)は、EU残留の政治的立場の人だったと思う。
このまま可決しても否決しても辞めることにるのでは。