本日は(超過)勤務時間の調整で13時半で学校を出ました。
梅雨入り前、初夏のような日差しです。
これまで語られることのなかった<十字傷>の謎に迫る。動乱の幕末期と明治維新後の新時代の2つの時代を通して描く。(作品紹介より引用) 6月5日(土)、AEON CINEMA大宮で見てきた。 |
時系列的には映画第1作の前に位置する。しかし単純なPrequel(前日譚)でない。
+++++ ものがたり +++++
人斬り抜刀斎
不殺の誓いを立てる前、暗殺者としての剣心。新しい時代を作るためならば、その阻害要因となるものは、躊躇いなく抹殺する。
長州藩の桂小五郎(高橋一生)のもとで、人斬り抜刀斎として恐れられた剣心。対馬藩邸でのシーン、その様子はこれまでの4作品とは全く別である。信じることのため、心を無にしているようだ。敵対するものから見れば、恐怖でしかない。
剣心は京都所司代板倉十兵衛とその護衛役を斬る。いつも通りのことのはずだったが、護衛役清里明良(きよさとあきら, 窪田正孝)の生への執着が、強くトラウマとして残ることになる。頬の刀傷は清里がつけたものだ。
剣心はある夜、質の悪い男たちに絡まれた女を助ける。帰路、何者かに襲われた剣心は返り討ちにする。礼を言おうと追ってきた女に、その一部始終を見られてしまう。この女が、後に剣心の妻となる雪代巴(ゆきしろともえ,有村架純)である。
雪代巴
この出会いは偶然か、必然か、仕組まれたものか。ネタバレになるので書くことは避ける。公開情報(The Final)で判明していることだが、巴は清里の許嫁である。
清里を失い、人生を終わりを感じ、感情を喪失したような巴。彼女は剣心との交流から何を思い、憎しみの対象、剣心への感情が変化したのだろう。そして剣心に何を託したのか。剣心と巴の出会い、それぞれの変化、そして別離。
前作(The Final)で剣心は、「自分が巴を斬殺した」と述べている。十字傷は...ここまでにしよう。
本作は時代劇、アクション活劇の形をしたラブストーリーである。
+++++ キャストについて +++++
有村架純 as 雪代巴
こんな顔をしていたのか。それが第一印象。もちろん時代劇なので、着物姿の顔の印象を変えたことは考えられる。許嫁を斬殺された過去のある役、そのことが印象に影響をあたえた可能性もある。しかし、しかしである。とても綺麗である。
運命に翻弄される、悲しみを背負わされた巴の姿。演じる有村さん、変化する憎しみの心に、自分を責めるような立ち振る舞い。凜としたものです。
佐藤健 as 人斬り抜刀斎
対馬藩邸での立ち回りは、すごい。
暗殺の場面、池田屋事件で沖田総司と斬り合う抜刀斎、映画第1作以降の剣心とは、全く別人である。逆刃刀を持ち、不殺の誓いを立てる前の抜刀斎。佐藤さんがその狂気、信念をまとった姿を演じている。
抜刀斎は鳥羽伏見の戦いで、新しい時代の到来を体感し刀を捨てる。第1作で登場する緋村剣心の誕生前に、こんなことが起きていた。見るものはそれを目撃することになる。
+++++ これで終演 +++++
残念だけど、ものがたちにはいつか必ず終わりが来る。今回「最初」と「最後」を見ることが出来た。グランドフィナーレとして満足できる。
文中敬称略
前作の感想はこちら
「るろうに剣心 最終章 The Final」(4/29)