前期試験初日、午後2時20分。緊張もあるし、お昼ご飯を食べて、一番眠くなるころだろう。埼玉県・公立高等学校前期募集学力検査では、ここからが英語の試験である。
午後2時20分、開始チャイムが鳴る。その数秒後「放送を聞いて答える問題」が始まる。この問題が終わらなければ、他の問題に手をつけることは、実質的に不可能である。すでに書いたとおり、今年も問題を詳細に研究したい旨を管理職に話し、後期募集合格発表後、オリジナルの音源CDの借用許可をいただいた。
もしもこのブログを見かけた中学校の先生がいらしたら、何かの参考になるかもしれない。埼玉県前期募集の英語試験リスニングでは、受検者に1分間でどの程度の英文を聞き取ることを求めているかの資料・指標になれればと思う。また、僕も含めて、新入生がどの程度の英文を聞き取ることが出来たのか、考えるベースになれればとも思う。
なお、平成24年度、埼玉県の公立高等学校入試は前後期試験を廃し、一本化されることになっている。
***** *****
試験は全部で7問、求められる解答数が11である。
問題1から問題3
会話を聞き、質問に対する答えとして最も適切なものを選ぶ。四者択一で、ヒントの図表がついている。
問題4と問題5
それぞれ「ある場面」を説明する英文を聞き、質問に対する答えとして最も適切なものを選ぶ問題である。四者択一で、英文の答えが出ている。
問題6
ALTのMs. WhiteとKazuoの会話を聞き、三つの質問に日本語で答える問題。記述式。
問題7
Megumiが授業で行ったスピーチを聞き、その内容に対する質問の答えとして最も適切なものを選ぶ問題である。四者択一問題で、英文の答えが出ている。
***** *****
使用音源
平成23年度 英語録音CD [前期] 1枚
今回はこちら。
平成23年度 英語録音CD [後期] 1枚
計時使用機材
WMP11と一般的なCDプレーヤーを使った。
計時はWMPによる。ストップウオッチ不使用。
音源CD構成(前期試験分)
トラック1 音量調整のための放送を収録。
試験当日朝に試聴のために用いる。
試験とは関係ない。
トラック2 無音
トラック1をかけたままにしていると、注意される。
間違えて、問題を誤放送させない配慮。
トラック3(0:26)
0:00 「放送を聞いて答える問題」のアナウンス。
トラック4(1:14) 問題1
0:00 問題1から問題3の解答方法の説明
0:24 問題1放送1回目
0:40 問題1放送1回目終了
0:42 問題1Question1回目
0:49 問題1放送2回目
1:04 問題1放送2回目終了
1:06 問題1Question2回目
この問題はAとBの会話である。A→Bが2回。16秒で話者2、総語数33語である。
仮にこのペースで会話が続いたとすると、16秒は1分の26%なので、33を0.26で割ればいいことになる。
124wpmとしてみよう。以下この計算方式で行く。
トラック5(1:08) 問題2
0:02 問題2放送1回目
0:24 問題2放送1回目終了
0:26 問題2Question1回目
0:35 問題2放送2回目
0:57 問題2放送2回目終了
1:00 問題2Question2回目
この問題はAとBの会話である。A→Bが2回。22秒で話者2、総語数54語である。
仮にこのペースで会話が続いたとすると、22秒は1分の36%なので、54を0.36で割ればいいことになる。
147wpm。
トラック6(0:46) 問題3
0:02 問題3放送1回目
0:14 問題3放送1回目終了
0:17 問題3Question1回目
0:24 問題3放送2回目
0:36 問題3放送2回目終了
0:39 問題3Question2回目
この問題はAとBの会話である。A→Bが2回。12秒で話者2、総語数29語である。
仮にこのペースで会話が続いたとすると、12秒は1分の20%なので、29を0.2で割ればいいことになる。
143wpm。
トラック7(1:13) 問題4
0:02 問題4と問題5の解答方法の説明
0:21 説明終了
0:25 問題4放送1回目
0:38 問題4放送1回目終了
0:41 問題4Question1回目
0:49 問題4放送2回目
1:02 問題4放送2回目終了
1:05 問題1Question2回目
この問題は「ある場面」についての説明文を聞き、それについて解答を求めるものである。13秒で話者1、総語数34語である。4センテンス。
仮にこのペースで発話が続いたとすると、13秒は1分の21%なので、34を0.21で割ればいいことになる。
157wpm。
トラック8(0:40) 問題5
0:02 問題5放送1回目
0:10 問題5放送1回目終了
0:12 問題5Question1回目
0:21 問題5放送2回目
0:29 問題5放送2回目終了
0:31 問題5Question2回目
この問題も問題4と同じパターン。8秒で話者1、総語数25語である。4センテンス。
仮にこのペースで発話が続いたとすると、8秒は1分の13%なので、25を0.13で割ればいいことになる。
187wpm。短いけど、かなり早い。
トラック9(2:59) 問題6
0:02 問題6の解答方法の説明
0:15 説明終了
0:17 問題6放送1回目
1:29 問題6放送1回目終了
1:37 問題6放送2回目
2:49 問題6放送2回目終了
この問題は最初の方にも書いたとおり、ALTと生徒の会話である。テーマはホームステイ。72秒で話者2、総語数174語である。
Ms. WhiteとKazuoの会話が6往復。28センテンスある。
仮にこのペースで会話が続いたとすると、72秒は1分の120%なので、174を1.2で割ればいいことになる。
145wpm。
なお、トラックの長さは2:59だが、録音は2:49で終わっている。最後の問題までの間10秒ちょっと空白になる。
トラック10(4:38) 問題7
0:02 問題7の解答方法の説明
0:20 説明終了
0:22 問題7放送1回目
1:45 問題7放送1回目終了
1:48 Question 1
2:03 Question 2
2:13 Question 3
2:25 問題7放送2回目
3:49 問題7放送2回目終了
3:51 Question 1
4:05 Question 2
4:19 Question 3
この問題はMegumiのスピーチ。86秒で話者1、総語数240語である。スピーチは全部で24センテンス。
仮にこのペースでスピーチが続いたとすると、86秒は1分の143%なので、240を1.43で割ればいいことになる。
167wpm。
なお、トラック10(問題7)の4:28のところで、「放送を聞いて答える問題」の終了が告げられる。午後2時20分の英語試験開始のチャイムから、ここまでが13分13秒。試験終了まで37分を切っている。28点の配点は、試験時間から考えて順当なところだろう。
13分超の試験時間中、英語を聞かなければならないのは、おおよそその半分。これを長いと見るか、そうでないと見るか意見は分かれることだろう。
前年度分はこちらにまとめています。
2010.03.16、「埼玉県高校入試・英語リスニングテスト分析1」
2010.03.27、「埼玉県高校入試・英語リスニングテスト分析2」
近く後期分もまとめます。