全英連参加者のブログ

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空の大怪獣ラドン 4Kデジタルリマスター版

2022-12-28 04:00:00 | 全英連参加者 2022
空の大怪獣ラドン ポスタービジュアル  九州・阿蘇。坑道内で炭鉱夫たちが次々と水中に引き込まれて惨殺される連続殺人事件が発生。ある夜、遂に姿を現したその犯人は、体長2メートルを超える古代トンボの幼虫メガヌロンだった。炭鉱技師の河村(佐原健二)は、自衛隊とともに坑道内に逃げ込んだ怪物を追うが、機関銃掃射の衝撃で落盤が発生、生き埋めになってしまう。後に河村は記憶喪失状態で発見されるが、その頃、世界各地で正体不明の超音速飛行物体が目撃されていた-。

 わくわくするなぁ... こんなTagline読んで、SFファンが見に行かないという選択ができるものか。
 1956年12月26日公開なので、ほぼ66年前の作品。お正月映画だろう。その作品が4Kデジタルリマスター。YouTubeで特集番組を見たが、レストアぶりがすごい。そう思えた。午前十時の映画祭、ユナイテッドシネマ・ウニクス南古屋で鑑賞した。
 映画のトリビアなどは、こちらを見てください。

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 まだ石炭がエネルギーの中心だった時代。九州・阿蘇の炭鉱で不審な殺人事件が起きる。ものがたりの途中で古代生物によるものと判明する。「ラドン」登場までは古代生物と人間の戦いが描かれる。何となくだが、「ずいぶん人が死ぬな」という印象を受けた。
 最初の被害者1名、真相探求のために坑内に進入した警察官、炭抗夫たちも殺される。姿を現したメガヌロンの退治の時、坑道に逃げ込まれる時、どんどん人間が死んでいく。最初の被害者は傷だらけの全裸死体として画面に出てくる。それ以外も大けがや、血にまみれて倒れている。何だかずいぶん現在のパニック映画や怪獣映画と被害者の描き方が違う。

 「ゴジラ」は1954年(昭和29年)公開
 「ラドン」が1956年(昭和31年)公開
 「モスラ」が1961年(昭和36年)公開

 3作とも見ているが、人の死が一番ハッキリ描かれているように見えた。人の命の重さが違うとは言わないが、時代の違いを感じた。

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 本作もミニチュアを利用したシーンがすごい。
 後半ラドンが九州各地を襲い、大暴れするシーンは素晴らしい。西海橋のシーンは圧巻。多数の観光客をバスに乗せて避難させるところは、ホンモノの観光客を動員したとのこと。そのあとにつながる橋の崩壊もすごいものである。
 福岡の市街地でのラドンの大暴れシーンも、ラドンの起こす風でバス等が飛ばされるところ、家々の瓦が一枚ずつ飛んでいく。一体どれほどの手間をかけたのか。信じがたい映像だ。ラドンに破壊される岩田屋本店、その前の西鉄の福岡(天神)駅。様々な実在する企業の看板。天神地区が破壊されるシーンが息をのむ。岩田屋は映画で壊されたことで、九州地域以外での知名度を高めたとのこと。
 航空自衛隊の戦闘機がラドンと対峙する。飛びながらミサイルを発射している。ピアノ線でつり下げた模型から、火薬を用いて... 後にTVのウルトラマンなどで使われる手法の先駆けである。

 全体的に見てミニチュア利用の特撮シーンはやはり特筆すべき出来だと思う。何カ所か現在の視点では残念な部分もないわけではない。でも、SF・ホラーの傑作である。本作があればこその現在の映像技術の進歩である。
 フィナーレ、ラドンは人間により撃退される。人間の科学(武力)の勝利である。でも、それだけでいいのか。そんなことを訴えかけているように思えた。

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 なお、ものがたりの冒頭でこんなセリフが出てくる。

 「地球温暖症
 「南極と北極の氷がとける

 温暖化とは言っていない。聞き間違えではないと思う。
 地球温暖症が2度でてくる。話しの流れは現在言われている「地球温暖化」と同内容だ。一瞬「何でこんな単語が?」と感じた。

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 本作の主人公は炭鉱技師の河村繁。演じた佐原健二さんはご存命である。ヒロインのキヨを故白川由美さんが演じている。白川さんは後に昭和の二枚目スター・二谷英明さんと結婚している。白川さんのことは、帰宅後出演者リストを見て気がついた。

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