今年のFORUM、全体会は昼食をはさんで実施された。
午前中は、教育委員会・学校の表彰と、英語の使える日本人育成のための行動計画の進捗状況の報告。報告でやはりと思ったのは、英語I、OCIの授業で、英語教師がどの程度英語で授業をしているかについての全国調査の結果が、今年も「授業時間の50%程度」がもっとも多かったこと。このカベを、どう越えるか。勉強のできる学校でも、受験一本槍の学校でも、そうでない学校でも、どうしたら越えることができるか。大きな課題だと感じた。もちろん全部英語で授業はできるだろう。でも、それでは物事うまくまわらないことも事実。どうすべきか、次のブレイクスルーが、少なくとも、自分には見えない。
清泉女子大学大杉先生の基調講演で、印象に残ったこと…やや脱線気味のお話の他…は、ディベート指導に関することだった。「何」を「何語」で討論させるかを考えるべきであるということ。これは案外見落とされる視点かと思われる。「英語」で「何かきちっとしたこと」を討論させるのが当たり前というような、僕たち英語の教師にある(と思われる)、固定観念(のようなもの)を崩してくれるかもしれないと思った。脱線部分を含めて、非常にウイットに富む話ぶり。文科省主催のこの手のイベントの基調講演で、こんなに笑いをとった人はめずらしい。
午後は広島市立舟入高等学校は平成16年度SELHi指定校。同校普通科・国際コミュニケーションコース1年生のデモ授業を見学。同校は市立第一高等女学校を前身とする、間違いなく伝統校である。設置者こそ違うけど、埼玉県だったら浦和第一女子高校のような学校である。
授業のレベルも高く、活動量も多い、密度の濃い授業展開はすごかった。もっともおもしろいと思ったのは、ペアリーディングの際のWPM(1分単位の単語数)を計測させる方法だった。参考資料も手に入ったので、活用方法を考えたい。
午後は分科会に参加予定だったが、予定を変更しSELHi指定校のポスターセッションに参加した。
埼玉県立和光国際高等学校は今年度がSELHi指定校としての最終年度。各科目のシラバス(シート)や、スピーチ・プレゼンの時に生徒が使う評価シートのひな形について調査。以前いっしょに仕事をした同校の先生に説明を伺う。
山形市立商業高校は商業専門高校としてSELHi指定校になった。自分は個人的にこの学校の教育課程とその運用が、勤務校の商業科教育課程改善に役に立つのではないかと考えていた。教育課程を見ると、商業科で外国語科目の英語と、商業系科目の英語の総単位数が、もっとも多く履修すると29単位にもなる。埼玉県であれば外国語学科レベル(少なくともコース)の教育課程である。また、商業科教諭&日本人英語教諭(またはALT)のTTというのは、かなり独自の運営である。市立高校と全県単位の県立高校と条件が違うとは思うが、教育課程も、科目運営も参考になる点が非常に多いと思った。
その他10校ほどお話を伺い、資料をもらうことができた。
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ここで得た知見を、勤務校での教育活動で活用するにはどうするべきか、そんなことを考えながら帰路についた。