6月中に2館で公開。7月の中頃から、えらく話題の作品である。
同僚に映画好きがいて、「センセ、自分『カメラを止めるな!』を見ました。」と言われた。事前情報ゼロ、全く聞いたことのない作品だった。
映画情報のサイト等で調べて見ても、あまり情報はなかった。それがあれよあれよという間に公開館が3桁になり、TVでも話題である。
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人里離れた山の中で、自主映画の撮影クルーがゾンビ映画の撮影を行っている。リアリティーを求める監督の要求はエスカレートし、なかなかOKの声はかからず、テイク数は42を数えていた。その時、彼らは本物のゾンビの襲撃を受け、大興奮した監督がカメラを回し続ける一方、撮影クルーは次々とゾンビ化していき...
監督・俳優養成の専門学校「ENBUゼミナール」のシネマプロジェクト第7弾となる異色ゾンビムービー。オムニバス『4/猫 −ねこぶんのよん−』の一作を担当した上田慎一郎が監督と脚本と編集を務めた。ゾンビ映画を撮っていたクルーが本物のゾンビに襲われる様子を、およそ37分に及ぶワンカットのサバイバルシーンを盛り込んで活写する。出演者は、オーディションで選ばれた無名の俳優たち。
イオンシネマの作品紹介より
これじゃ聞いたことがなくても仕方ないかな。そんなことを考えた。
大宮AEON CINEMAで公開されているので、お盆休みの月曜日に見に出かけた。
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実験的な作品なのかなと考えて出向いたが、全く違う。見て、面白いか、そうでないかを考えると、とても面白い作品である。
宣伝でも赤下線部が強調される向きがあるが、面白さはそこではない。「ゾンビ映画」というものがたりの中心部分を、複数の視点から見せる面白さである。
・・・ここまでにします。
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ものがたりの中で、光が当たるところにいる女優さんが二人。
一人目は秋山ゆずきさん。
ONE CUT OF THE DEADというホラー映画の主演女優・松本逢花役。
二人目は真魚(まお)さん。
ONE CUT OF THE DEADのプロデューサーの娘、日暮真央役。
二人とも断言できるが、一度も見たことも聞いたこともない女優さんである。でも、とってもいい感じ。作品の中でとてもいいポジションを得ている。何年かしたら、『「カメラを」のあの役の人』になっているかもしれない。もちろん消えているかもしれないけど。
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改めて感じたこと
やはり映画はプロットということ。どんなきら星のようなが出演していても、ダメなものはダメ。大変失礼だけど、オーディションで選ばれた無名の俳優たちでも、こんなにも生き生きと、ものがたりの世界で活躍できる。面白い作品になる。やはりプロットは大事である。
☆いくつになるかは難しいが、夏の1本には絶対なる。おすすめできる作品である。