学校は在校生・卒業生から、諸証明書の発行を求められる存在である。学校は教育機関であると同時に、市役所、警察と同じように公共機関なのだ。これは設置者が学校法人でも同じである。
県立高校は以下の証明書を申請者に発行する。(『埼玉県立高等学校通則』に定められたものは、これら以外にもある。)
①卒業証明書(卒業の事実、卒業日を証明)
②修学証明書(在学期間を証明)
③単位修得証明書(在学中に取得した単位数を証明)
④成績証明書(在学期間の成績と修得した単位数を証明)
⑤調査書(進学用・就職用)
⑥その他の証明書(①から⑤以外のことがらについて証明)
④については、平成8年3月の卒業生までは卒業後20年まで発行。平成9年3月の卒業生からは卒業後5年まで発行。これは関連法規が変更されたためである。
⑤については、卒業後5年まで発行。
⑥は必要に応じて発行。
⑤を除き、求めによって英文での発行をする場合がある。
これらの証明書、在校生は無料。卒業生は1通400円(埼玉県収入証紙で支払い、現金不可)である。
有料無料は『埼玉県手数料条例』に定めがある。条例で『有料』と決めていない限り無料である。これは、英文でも同じだ。
有料の場合、その料金(手数料)は発行した学校には入らない。もちろん教職員のところにも来ない。すべて埼玉県の収入になる。
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④⑤は発行に制限がある。このことは、ほとんど知られていない。だから、成績証明書や調査書の発行請求が、卒業後20年以上過ぎているOB、OGから来ることがある。発行できないことを事務室から連絡すると、申請をした方はだいたいビックリする。それでも、発行できないことを証明してほしいという場合がある。このような場合⑥が該当する。
「〇〇〇〇さん(〇〇年3月卒)は、法律による成績関連表簿保存義務期間が終了しています。従って証明書が発行できません。」
このような内容の証明書(通知文)を作成し、本人宛に発行する。このような通知文は、通称「発行できない証明」等と呼ばれ、校長の署名・公印付だけど無料である。
過去勤務した学校では、卒業生からの発行請求の場合、①②は事務室が作成、③④は教務部・進路指導部等が作成してきた。現任校は英文で作成する場合もこの分担である。1月末に、この「発行できない証明」を英文で作成してほしいと事務経由で依頼があり、作成した。英文のひな形が無く、一から原稿をおこすことになった。たいした分量の英文ではないが、authenticにするのは難しい。公文書には公文書の書き方、作法がある。とっても大変だった。でも、無料なのである。
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