司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

法務省,新型コロナウイルス感染症に関連し,定款で定めた時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合の役員の任期に関するQ&Aを公表

2020-04-13 17:10:46 | 会社法(改正商法等)
商業・法人登記事務に関するQ&A
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho06_00076.html

【Q】 今般の新型コロナウイルス感染症に関連し,定款で定めた時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合には,改選期にある役員(任期の末日が定時株主総会の終結の時までとされている取締役,会計参与及び監査役)及び会計監査人の任期はどうなるのでしょうか。

【A】 今般の新型コロナウイルス感染症に関連し,定款で定めた時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合には,その状況が解消された後合理的な期間内に定時株主総会を開催すれば足りるものと考えられます(「定時株主総会の開催について」参照)。
 そのような場合には,改選期にある役員(任期の末日が定時株主総会の終結の時までとされている取締役,会計参与及び監査役)及び会計監査人の任期については,定時株主総会を開催することができない状況が解消された後合理的な期間内に開催された定時株主総会の終結の時までとなるものと考えられます。

<毎年4月1日から翌年3月末日までを事業年度とし,定時株主総会は毎事業年度末日の翌日から3か月以内に招集される株式会社の例>
 当初予定していた時期(6月末)に定時株主総会を開催することができず,令和2年7月20日に開催した場合,当該定時株主総会において再任した役員についてする役員の変更の登記の登記原因は,「令和2年7月20日重任」となると考えられます。

※ 明確でよいですね。なお,登記の申請書に定款を添付しない申請の場合には,定時株主総会の開催時期に関する定款の定めの有無が判じないので,特段の手当は必要ないと思われるが,定款を添付する場合に,当該定款に定時株主総会の開催時期に関する定めがあるときは,申請書又は委任状に,「新型コロナウイルス感染症に関連し,定款で定めた時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じたことが原因で,定時株主総会の開催が遅れた」旨を付記する必要があるであろう。


 定時株主総会の開催時期を遅らせる場合の問題点については,東日本大震災の際の議論が参考になる。

cf. 平成23年3月29日付け「定時株主総会の開催時期に関する定款の定めについて」

平成23年6月6日付け「東日本大震災に伴う商業登記の実務に関するQ&A」
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「新時代の株主総会プロセスの在り方研究会報告書(案)」

2020-04-13 15:40:40 | 会社法(改正商法等)
新時代の株主総会プロセスの在り方研究会
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/shin_sokai_process/index.html

 第7回会議が開催され,「報告書(案)」が掲載されている。
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期限内に履行されなかった義務に係る免責に関する措置である「特定義務の不履行についての免責に係る期限」を定める政令は,いつ?

2020-04-13 13:55:26 | コロナウイルス感染症問題
 新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)第57条前段の規定により,特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(平成8年法律第85号)第4条の規定は、新型インフルエンザ等緊急事態(新型インフルエンザ等が全国的かつ急速にまん延し、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼしている場合に限る。)について準用するものとされている。

 そして,上記第57条後段の読替え規定による読替え後の第4条の規定は,次のとおりである。

 (期限内に履行されなかった義務に係る免責に関する措置)
第4条 特定新型インフルエンザ等緊急事態発生日以後に法令に規定されている履行期限が到来する義務(以下「特定義務」という。)であって、特定新型インフルエンザ等緊急事態により当該履行期限が到来するまでに履行されなかったものについて、その不履行に係る行政上及び刑事上の責任(過料に係るものを含む。以下単に「責任」という。)が問われることを猶予する必要があるときは、政令で、特定新型インフルエンザ等緊急事態発生日から起算して四月を超えない範囲内において特定義務の不履行についての免責に係る期限(以下「免責期限」という。)を定めることができる。
2 免責期限が定められた場合において、免責期限が到来する日の前日までに履行期限が到来する特定義務が免責期限が到来する日までに履行されたときは、当該特定義務が特定非常災害により履行されなかったことについて、責任は問われないものとする。
3 免責期限が定められた後、前二項に定める免責の措置を免責期限が到来する日の翌日以後においても特に継続して実施する必要があると認められるときは、政令で、特定義務の根拠となる法令の条項ごとに、新たに、当該特定義務の不履行についての免責に係る期限を定めることができる。前項の規定は、この場合について準用する。
4 前三項の規定にかかわらず、特定義務が災害その他やむを得ない事由によりその履行期限が到来するまでに履行されなかった場合について他の法令に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

 上記第4条第1項の「政令」により,「特定義務の不履行についての免責に係る期限」が定められることとなるが,この政令は,未だ公布されていない。

「特定新型インフルエンザ等緊急事態発生日」は,もちろん緊急事態宣言がされた令和2年4月7日である。

cf. 令和2年4月7日付け「緊急事態宣言が行われた場合の法務局における登記事務の取扱い」
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司法書士会の事務局閉鎖と職印証明書の問題

2020-04-13 12:35:26 | コロナウイルス感染症問題
 日司連と東京司法書士会の事務局が,いずれも本日から1週間の閉鎖(全職員が在宅勤務)に踏み切ったそうだ。

 司法書士界においても,今後,各司法書士会の事務局が同様に閉鎖となる事態が想定される。

 ところで,各司法書士会の事務局が閉鎖になると,もちろん諸々の事務手続が休止状態となるわけであるが,いわゆる職印証明書の発行事務もされないことになる。

 不動産登記の申請において本人確認情報の添付を要する場面で支障が生ずることになるので,登記事務の取扱いについて,職印証明書を添付することができない場合における何らかの対応(後日の追完の許容等)が望まれるのではないか。

 もちろん,司法書士としても,あらかじめ職印証明書を取得しておくなり,本人確認情報を電磁的記録として作成し,これに電子署名をして添付する方法を採ることもできるわけであり,そのように対処すればよいともいえるが。

 登記完了に相当の日数を要する状況でもあり,諸々たいへんである。
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政府広報オンライン「住み慣れた家で暮らせるように ~配偶者居住権の新設」

2020-04-13 11:41:07 | 民法改正
政府広報オンライン「住み慣れた家で暮らせるように ~配偶者居住権の新設」
https://www.gov-online.go.jp/pr/media/tv/kasumigaseki/movie/20200328.html

政府広報オンライン「120年ぶり!債権法改正でより良い社会を!!」
https://www.gov-online.go.jp/pr/media/tv/kasumigaseki/movie/20200412.html

 いずれも約4分のミニ解説である。
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国会におけるソーシャル・ディスタンス等

2020-04-13 10:17:00 | コロナウイルス感染症問題
宮崎信行の国会傍聴記
https://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/5730e3fa7861e8ecbcb2d47b19ba8c12

「この動きから、定例閣議は職員が矢立(やたて)を持って各閣僚に花押を書いてもらう持ち回り閣議に」(上掲記事)

 古式ゆかしい作法である。矢立(やたて)とは、筆と墨壺を組み合わせた携帯用筆記用具のこと。

 等々,ゆっくりと進められているようだ。

 しかし,

「官僚の人から「省がメール転送を認めないから、自宅勤務できない」と悲鳴が寄せられました。」(上掲記事)

 セキュリティが厳しいためであろうが,これでは,2交代制等のテレワークは,スムーズに行かないのではないだろうか。
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