特別養子制度の見直しを内容とする「民法等の一部を改正する法律」(令和元年法律第34号)が令和2年4月1日から施行されているところであるが,これに伴う「家事事件手続規則の一部を改正する規則」(令和2年最高裁判所規則第2号)が令和2年1月10日に次のとおり公布されている。
家事事件手続規則の一部を改正する規則
家事事件手続規則(平成二十四年最高裁判所規則第八号)の一部を次のように改正する。
目次中「第九十三条・第九十四条」を「第九十三条-第九十四条」に、「第十九節 厚生年金保険法に規定する審判事件(第百二十条)」を
「第十九節 厚生年金保険法に規定する審判事件(第百二十条)
第十九節の二 児童福祉法に規定する審判事件(第百二十条の二)」
に改める。
第九十三条第一項第一号を次のように改める。
一 申立人が特別養子適格の確認の申立てを同時にすることなく特別養子縁組の成立の申立てをする場合において、養子となるべき者について児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判が確定しているときはその旨並びにその審判事件が係属しているときは当該審判事件が係属している裁判所及び当該審判事件の表示
第九十三条第一項第三号中「及び第三項」を「 、第四項及び次条第一項第二号」に改め、同条中第三項を第四項とし、第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。
2 養子となるべき者について、児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の申立てについての審判が確定したとき、又は児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の申立てが取り下げられたときは、特別養子適格の確認の申立てを同時にすることなく特別養子縁組の成立の申立てをした者は、その旨を家庭裁判所に届け出なければならない。
第九十三条に次の一項を加える。
5 特別養子縁組の成立の申立てを却下する審判が確定したとき、又は特別養子縁組の成立の申立てが取り下げられたときは、裁判所書記官は、遅滞なく、当該申立てをした者の申立てによる特別養子適格の確認の審判事件の記録の存する裁判所に対し、その旨を通知しなければならない。
第九十三条の次に次の一条を加える。
(特別養子適格の確認の審判の申立書の記載事項等・法第百六十四条の二)
第九十三条の二 特別養子適格の確認の審判の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 養子となるべき者の父母の同意の有無及びその同意がないときは民法第八百十七条の六ただし書に規定する場合に該当することを示す事情
二 児童相談所等のあっせんの有無並びにそのあっせんが行われたときは当該児童相談所等の氏名又は名称及び住所
2 特別養子適格の確認の申立てについての審判が確定したとき、又は特別養子適格の確認の申立てが取り下げられたときは、裁判所書記官は、直ちに、当該申立てをした者の申立てによる特別養子縁組の成立の審判事件の記録の存する裁判所に対し、その旨を通知しなければならない。
3 法第百六十四条の二第十四項の規定により特別養子適格の確認の審判が効力を失ったときは、裁判所書記官は、遅滞なく、当該審判の告知を受けた者に対し、その旨を通知しなければならない。
第二編第二章第十九節の次に次の一節を加える。
第十九節の二 児童福祉法に規定する審判事件
(児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判の申立書の記載事項・法第二百三十四条等)
第百二十条の二 児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判の申立書には、養子となるべき者の父母の同意の有無及びその同意がないときは民法第八百十七条の六ただし書に規定する場合に該当することを示す事情を記載しなければならない。
附 則
この規則は、令和二年四月一日から施行する。
cf. 家事事件手続規則
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/20200401kajiki.pdf
民法等の一部を改正する法律(令和元年法律第34号)について
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00248.html
上記に関する宇田川公輔ほか「家事事件手続規則の一部を改正する規則の解説(特別養子制度の見直し関係)」が,「家庭の法と裁判No.25」(日本加除出版)112頁以下に掲載されている。