<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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大阪のベイエリア南港にある「大阪市立なにわの海の時空館」へ行ってきた。

結論から述べると、実に大阪らしい「おもろい」博物館なのであった。
どのように「おもろい」かというと、まるで「大阪喜劇の中」を見学しているような「おもろさ」を持っている博物館であった。

そのネタは、博物館に数人の「江戸時代の格好」をした説明員(学芸員なのか、アルバイトなのか、役者の卵なのか、本当の役者なのかはわからなかった、が)がまるで漫才のように展示ブース各所に突然現れ、

「この水門はですな、堂島の.......ですねん」
「ほー、堂島にこんなもんがなんでありますねん」

と言う具合に解説を始めてくれるのだ。

ただ単に江戸時代のコスプレをして生で解説するだけであれば、どこにでもありそうなテーマパーク式博物館、ということで完結してしまうのだが、そこは大阪。
そう簡単に終わらない。

「で、ここで荷物を降ろして蔵屋敷に運ぶんですわ」
と普通に説明をしているところに、見ているこどもなんかも大阪のガキなので、ただ黙って見ていることはなく、

「おっちゃん、髭のおっちゃん。(あごのホクロを指差して)それ、鼻クソなん?」

と突然突っ込むと、

説明員A「鼻くそちゃうって。ホ、ク、ロ」
子供  「絶対鼻クソや。鼻くそジジイ」
説明員B「堂島と関係ないこと言われてますな。」
説明員A「まともな質問できんのですか。」
子供  「まともって、なに?」

てなことに発展していくのだ。
しかも、そんなアホなやりとりも、ちゃんと勉強になっていくようで、最後は説明員とガキどもの会話のキャッチボールの果てにちゃんと堂島の蔵屋敷の話は完結し、見ているこっちも「芸州広島藩の蔵屋敷」を手本に江戸時代の物の流れを学習できているのだ。

この博物館。
もともとは1997年に試験航海をした江戸時代の復元船をメイン展示として江戸時代の海運を中心に世界の海の歴史を語っている全国でも珍しい博物館のようだ。
考えてみれば江戸時代、大阪は経済の中心地であるとともに海運業の中心でもあったわけだ。

さらにここは建物が変わってる。
ガラス張りのドーム型をいしていて海に浮かんでいるのだ。
エントランスは陸部にあり、地下に下りてから海底トンネルを歩いてくぐり、博物館に入る構造になっている。
実にモダンで美しい。

近くには大阪市立の野鳥園などもあり、大阪港トンネルをくぐると一駅で天保山に行けるなかなか良いロケーション。

海遊館。
サントリーミュージアム。
インテックス大阪。
アジア太平洋トレードセンター。
などなど。

家族連れが十分以上に楽しめる場所なのであった。

でも、大阪らしい江戸時代漫才をリアルに楽しめるのはここだけだ。

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