「CVCCエンジン搭載」
初代シビックのコマーシャルにそんなテロップが流れて燃費が優れた、今で言う「低燃費型自動車」の代表的な存在が、ホンダのシビックだった。
米国の厳しい排ガス基準を米国の自動車メーカーよりも先に達成したのがホンダで、このシビックの快進撃から日本の「高品質低燃費」の自動車快進撃は始まったように思う。
「うちの車、シビックやねん」
と小学校で自慢する友達のセリフを少しばかり羨ましいと思ったことを記憶している。
私の父の車はマツダのサバンナでシビックよりも高級な車のはずだったのだが、なぜかシビックの方が良さそうに感じたのだ。
と言うわけでもないが、かくいう私の愛車もシビック。
購入してもう随分経つけれども、故障もせずに走り続けているので処分せずにいるのだ。
本田技研工業がシビックの発売を終了することを発表した。
1972年以来。
ホンダを代表するブランドの終了は、かなり寂しい感じがして「なんでなん?」と訊きたくなる部分がなくもない。
ホンダシビック。
トヨタカローラ。
日産サニー。
マツダファミリア。
これら4ブランドは日本の大衆車の主流ブランドだが、カローラ以外はその個性が最近は力を失っているような感じもしていた。
それにしてもバイクと軽自動車のメーカーでしかなかったホンダが、普通自動車のメーカーにのし上がった、その金字塔であるブランドを終了させてしまうとは。
寂しいというよりも、それだけ自動車業界は厳しく、世界のホンダといえども、ノスタルジーは許さない確固たる意思があるのだと感じさせてくれた。
そんな小さな、それでいてビッグなニュースなのであった。
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