その昔。
私は他の大多数の男の子と同じように特撮モノのテレビ番組が大好きだった。
「ウルトラマン」
「ウルトラQ」
「キャプテンウルトラ」
「ウルトラセブン」
「帰ってきたウルトラマン」
とウルトラシリーズはもちろんのこと、
「ジャイアントロボ」
「スペクトルマン」
「仮面の忍者赤影」
「快傑ライオン丸」
「レインボーマン」
「バロムワン」
などの、ちょっとマイナーな作品も大好きだった。
映画だって特撮モノが大好きだった。
「ゴジラ」シリーズはもちろんのこと、「日本沈没」や「ノストラダムスの予言」なんかも親に連れられドキドキしながら鑑賞したものだった。
その頃の特撮モノはある種の手作り感と幻想が交じり合って独特のリアルさを醸し出していた。
「もう、どれこれもオモチャ、オモチャ、オモチャ。オモチャ箱をひっくり返したような映画だったんですね」
とは、スターウォーズを捉えての淀川長治さんの解説。
画面の中を飛び回っている戦闘機や宇宙船、宇宙基地や秘密基地はどれもこれもミニチュア。
それらをいかにリアルに見せるのかが特撮マンの腕の見せ所で、見ている方の子供も大人も、そんな特撮に魅了されて毎回映画館に足を運び、テレビのチャンネルを合わせる時代が昭和なのだ。
なんにでも影響されやすい私は小学生時代はウルトラホーク1号や、ジェットビートルに糸を結びつけて操り人形のように操作して、飛んでいるイメージで振り回して遊んだ。
中学生になるとスピルバーグの「激突!」に刺激されてトミカで8ミリ映画を撮影し、高校生になると簡単なアニメを撮影し、大学生になったらフジカZC1000というカメラを入手していろんな種類の模型をブラックスクリーンの前で固定して、カメラ用にレールを敷いて多重露光の合成でスペース物を撮影したりしたのであった。
そのころ、CGはまだ殆ど無かった。
もちろんピクサーも無かった。
スティーブ・ジョブスは鼻持ちならない若者で、自分の興した会社から追放されようとしていた時代だった。
だから、特撮といえば模型撮影。
円谷英二、ダグラス・トランブルが日米の巨匠といったところか。
ミニチュア撮影の映像は、どこか凄く魅力的で、映画・テレビの楽しみを増してくれたものだった。
そんな昔の特撮用セットや模型に出会えるチャンスがあると聞いた私は、いてもたってもいられず、墨田区にある東京現代美術館で開催中のジブリ協賛の「特撮博物館」を訪れてきたのだった。
半蔵門線の清澄白河駅を下車。
カンカン照りのめちゃくちゃ暑い中、遠くに東京スカイツリーを眺めながら、現代美術館へ歩いたのであった。
つづく
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