<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地





オスプレイ配備反対。
米軍兵士の婦女暴行。
米軍将校による民家押入り。

とかく米軍関係の報道についてはネガティブな情報が満載だ。
昨年の「トモダチ作戦」の友好的な感動と感謝はすでに忘却の彼方なのか、良い話題は封じているのか。
マスコミの姿勢には疑問がなくもないのが正直なところだ。

例えば、オスプレイ問題。
確かに自己発生率の高い軍用機の配備には、少々メイワクなところがなくもないが、オスプレイを配備されて一番困るのは基地周辺の住民ではなく中国や北朝鮮、もしかすると韓国もそうかもわからない。
というのも、オスプレイはヘリコプターより機動性があり、航続距離も倍あるということで、いざ有事といことになれば極東の防衛には欠かせない航空機なのだ。
私も不勉強で「オスプレイは要らない」なんて言っていたこともあるのだが、よくよく考えてみるとオスプレイは専守防衛には欠かせないアイテムなのかも知れないと思うようになった。

つまり、おかしいのはマスコミじゃないかと。

というのも、オスプレイ配備に一番迷惑するのが中国と北朝鮮、韓国であると想定したら、マスコミが反対するのもむべなるかな。
納得いく資料がここにある。
例えば、韓国日報の日本支局は読売新聞東京本社の中にあり、朝鮮日報は毎日新聞東京本社、東亜日報は朝日新聞東京本社の中にある。
外国の通信社に自分の事務所を貸しているのはどういう理由によるものか。
大いに悩むところで、こういうマスコミが、
「米軍のオスプレイ配備反対」
をサポートしても、悪の日本人を捏造した英字新聞の記者を置いていた毎日新聞や、捏造記事でお馴染みの朝日新聞、たった一人の言うなりになっている読売新聞からの情報を鵜呑みにできるはずはない。

ということで、日米同盟について何か参考になる本はないかと探していたら、たまたま見つけたのが「在日米軍司令部」春原剛著(新潮文庫)。
在日米軍の司令官から駐米大使、その他日本側の関係者などを取材した、なかなか興味あふれるノンフィクションなのであった。

この本が書かれたのは2006年頃なので、尖閣問題を抱える現在とは事情は大きく異なるかもしれないが、現在の在日米軍の米国から見た立場や、自衛隊との関わり方、またその存在についてリアリスティックに考えさせる内容であった。
長年の流れで、米国政府が在日米軍の重要性を徐々にランクを下げていたこと。
司令部機能をハワイへ移そうとしていたこと。
新聞報道ではあまり大きく取り上げないことが書かれていて驚きとともに、日米の同盟関係がいかに日本にとって大切かがよくわかってくるのであった。
それは在日米軍が必要だ、不必要だという議論をすることと一組で考えなければならない重要なテーマで、もし米軍の戦力を減らす時は自衛隊の戦力強化を考えなければならないし、米軍が駐留を続ける時は、治安の問題もさることながら、自衛隊とのスムースな連携をどうとっていくのかといったことを国民が共通して意識する必要のある要素だ。

一昨年まで、ただ単に平和を謳っていれば平和は保たれ、国土も国民も財産や命は保証されると思い込んでいた。
でも、震災有り、領土の違法占領あり、他国による暴力有り、ということを身をもって知った今、日本人である私たちは「軍事というセキュリティ」を外交のエレメントとして運営しないと、他国には通用しない、とりわけ中国や朝鮮半島には通用しないことを理解したわけだ。
従来の平和一辺倒は「平和ボケ」と言われ一蹴される。
だからといって戦争をする必要もないが、ガードが必要なのはあきらかで、本書はそのガードの最大の機能のひとつである在日米軍の今についてスポットライトを当てているのが、まさにいま読むノンフィクションだと思えるのだ。

なお、本書には加筆部分があり、トモダチ作戦が自衛隊と米軍の機能的な連携に支えられていて、ここ数年展開されていた有事での連携が完璧に行われた事例なのだという。
中国の焦りは半端ではないというのが、また興味深い意見なのであった。



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