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京阪神の新年最初のイベントは十日戎。
「えべっさん」と親しまれるこの祭は商売繁盛を占う結構大切な祭でなのだ。
とりわけ商業の街大阪ではえべっさんは天神祭と並ぶ大きなイベントでもある。
難波エリアの今宮戎か西宮の西宮戎が有名だが、えべっさんは各地で祀られ、ここにえべっさんの祭を開催しているのだ。
私は堺で生まれ育ったので、子供の頃は自営業を営んでいた父を中心にして堺戎神社にお参りをした。
堺戎神社は南海電車堺駅と堺東駅のちょうど真ん中。
チンチン電車の阪堺線が走る大道筋近くの開口神社の境内にある。
えべっさんの時は周囲に露天が立ち並び多くの人で賑わっていたものだ。
今は往時の賑わいから比べると随分と静かになってしまい、「えべっさん」の祭文化も少し変わりつつあるのではないか、と少し寂しく感じているところだ。
今年、私も久しぶりに「えべっさん」にお参りしてきた。
仕事が変わることもあり、願掛けに出かけたのだ。
参拝してきたのは岸和田駅前の天神戎神社。
境内には飴売り、焼きとうもろこし、回転焼きなどの何軒かの露天が並びそこそこの人出で賑わっていた。
スピーカーからは地元の歌手が歌う「商売繁盛で笹もってこい!」の歌声が響き少々騒々しいのだが、それはそれ。
商売繁盛の神様だけに静かなよりは良いのかもしれないと思った。
翌日。
同じ岸和田市内の兵主神社での「えべっさん」にも立ち寄った。
この兵主神社は地域でも最も古い神社の一つなんだそうだが、境内では松の大木が森をつくり、木漏れ日が本殿を照らし出し、ひと味違ったえべっさんを演出していた。
春木川に沿った参道では早くも梅が咲いていた。
温かいえべっさん。
商売は季節通りの気候がいいのだが、果たして今年は吉と出るのか。
ホノボノとした関西の春の始まりなのであった。
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