予告編をネットで見つけたときから楽しみにしていた映画「メリー・ポピンズ リターンズ」。
IMAXの大画面で鑑賞してきた。
ワクワクドキドキしながら期待して見た映画にはある一定の法則がある。
それは失望することが少なくないということ。
その失望してしまうという確率も「パート2」とか「パート3」といった具合にシリーズ物ほど高くなる傾向がある。
ジョーズしかり、スター・トレックしかり、ジュラシックパークしかり、スーパーマン、最近のスパイダーマンしかりなのだ。
ここんとこスターウォーズまでその傾向が強くなってしまった。
「メリー・ポピンズ リターンズ」は続編なのか新作なのか。
そこんところも重要だが、この作品にはなんとなく観ても後悔しない要素が予め詰まっているような気がしていたのだった。
たとえば、監督はあのロブ・マーシャルである。
ブロードウェイ出身のロブ・マーシャルはミュージカル映画にはピッタリの監督で大いに期待できるところがある。
なんといっても「シカゴ」でアカデミー賞を受賞している。
製作はもちろんディズニーで予告編で見る限り、CGだけに頼ることなく手書きアニメの手法も存分に駆使している。
メリー・ポピンズ役のエミリー・ブラントはあまり知らない女優さんだが、マイケル・バンクスの大人バージョンでは007のQを演じているベン・ウィショー。
前作ではディック・バン・ダイクが演じた役はブロードウェイ俳優のリン・マニュアル・ミランダ。
そしてディック・バン・ダイク自身も再登場しているという。
失望しない期待感満載なのであった。
IMAXの大画面と立体音響で観たこともあるがミュージカルシーンは圧巻だった。
さすがロブ・マーシャル。
とりわけアニメとの合成で校正されているお風呂の中の海のシーンとツボの表面の公園のシーンは前作の競馬シーンと重なって見応え充分。
前作に登場したペンギンウェーターも再登場する。
ミランダと多くのダンサーが歌い踊る街頭ガス灯をつけたり消したりする人たちのダンスは前作の煙突掃除人のダンスと重なりこれも見応え充分であった。
ネームリューの高い映画だからか脇役にメリル・ストリープやコリン・ファース、アラン・ランズベリーなどという大物が登場していた。
なんとも豪華な映画だったのだが、実は私にとって差台の見せ場はディック・バン・ダイクの出演だった。
ディック・バン・ダイクが出演しているという情報を聞いて、
「まだ生きていたのか」
という驚きと嬉しさ、
「まさか、踊るの?いくらなんでも」
「レイア姫みたいにCGかも」
という想像が交錯。
それを確かめたくて観に行ったというのが最大の理由でもあった。
映画の冒頭のクレジットにはディック・バン・ダイクの名前がなかったので、
「デマかな」
と思った。
でも、観ているうちになんとなくこのシーンで出てくるのではと思っていると、ちゃんとそのシーンで登場してきたのだった。
しかもしかも。
歌って踊るのだ。
90歳を超えたディック・バン・ダイク。
代役を立てることもせず、自らダンス。
私はこの老役者のエンタテナーとしての根性に大いに感動して、しかも楽しむことができた。
この映画の私にとっての最大の見せ場はまさにこのディック・バン・ダイクの登場シーンなのであった。
とはいえ、一緒に観た大学生の娘にはなんの事やらさっぱり。
彼女は映画そのものを楽しんだようだ。
カミさん含め家族三人で思い存分ほっこりした2時間30分だった。
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