<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地






「うちの会社がアントノフをチャーターしたんです。明日、関空に来ますよ」
と友達に教えてもらい、「チャンス!」とばかりに仕事をサボって見に行ってから早10年近く。

その時見たのはアントノフ124で、世界最大の225ではなかったものの、B747-800もA380もビックリのその巨体はものすごく印象的だった。
第一滑走路の北の展望デッキでカメラを構えていたにも関わらず、離陸は第2滑走路から。
かなり遠目の眺めになってしまったが、それでも大きく、もっさりと離陸していく様は他の航空機にはないモッサリ感があってなかなか素敵だった。
B787やホンダジェットのように「飛行機は洗練されると鳥のような美しいデザインになる」という法則があるように思うのだが、アントノフのそれは真逆。
今になって思うと、我々の価値観が通用しないロシアの飛行機という、まさにそれなのであったのだろう。

このアントノフ124の上位機にアントノフ225という機種がある。
というか、今になっては「という機種があった」になってしまった。
世界最大の輸送機で東日本大震災でもフランス政府がチャーターして救援物資を仙台へ運んでくれた実績のある愛しい飛行機で、一昨年にはコロナ関連の医療物資を積んで数度日本に飛来してもいるのだ。

このアントノフ225が先週、ロシアの攻撃にあってウクライナの空港で大破。
その飛行機の人生(?)を閉じることとなった。

アントノフ225は1機作られただけで2機目は実現せず。
従ってもうその姿を見ることはできない。
自らを作り上げた国の攻撃で破壊されることになるとは、もしアントノフ225に意識があったとしても想像することはできなかっただろう。

ロシアにとっても自らが生み出した史上最大の航空機を自らが破壊することになるとは。
もしかすると、これは運命の暗示なのか。

数多くの悲しくかつ憤りを感じるニュースの一つなのであった。

※冒頭の写真は関空から出発するアントノフ124。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )